2009/02/02

091【言葉の酔時記】AED(A安心E延命D電撃器)がしゃべる説明がさっぱりわからない

 AEDなる器械の講習会に参加した。なんでも、道端に人が倒れて意識不明なら、これを使って生き返らせる器械らしい。
 日本語ではなんとかかんとかジョサイドウなんとかかんとかというらしいが、覚えられない。 安心延命電撃器としておこう。

 以下、講習会の講師の人の言葉と、機械の言葉であるが、実によく分らないのであった。
  人が倒れているの観たら、まず、こう言いなさい。
 「あっ、人が倒れている、人工呼吸だ、」
 これくらいは、私も分る。心臓マッサージもやるのであったか、けっこう力が要る仕事である。

 次に、マッサージしながら野次馬にこういうのだ、
 「あなたっ、見てないでスグ119番して救急車呼んでッ、そっちの人ッ、AEDを探して持ってきてッ」
  AEDってのを近頃は学校や公的施設などにはおいてあるのだそうだ。

 まあ、それを探して持ってきた人がいるとして、次はそれを使うのであるが、講師の消防署員がいうには、
 「器械のしゃべる通りにすれば分かります」 
 AEDは、ノートPCくらいの大きさで、表面にタッチボタンがいくつもついていて、電線がぶらさがる2枚の手のひら大の小判型粘着シートもある。

 器械がしゃべる。
 「パッドをコネクターでセツゾクしてください」 
 え、パッドって、なに?、コネクターって?、セツゾクって?
 消防署員に聞けば、パッドとはその小判型の粘着シートのことで、コネクターとはそれにぶら下がる電線のことで、セツゾクとは電線の端っこを器械のボタンが点滅しているところに差し込むことだそうだ。
 じゃあ、こういってもらいたいね。
 「電線の端っこを灯りがついているところに差し込んでください」

 次に器械がまたしゃべる。
 「パッドをカンジャにソウチャクしてください」 
 エッ?、また聞けば、カンジャとは倒れている人のことで、患者らしいし、ソウチャクとは1枚を右肩にもう1枚を左横腹にはりつけることだそうだ。
 なるほど、小判型シートに、それを貼り付ける位置の絵が描いてある。

 世間では患者って、病院にいる病人のことで、道端に倒れている人を患者とは思わないよなあ。
 ソウチャクとは装着らしいが、背中に肩こりの貼り薬を装着してくれ、なんて言うか?
 この器械は、なんで普通の日本語でしゃべらないのか? これもPCのマニュアルみたいに、おバカ技術者が直訳したんだろう。困ったもんだ。

 まあ、そうやってまた声にしたがって点滅するボタンを押せば、貼り付けた2枚のシートの間に電気が流れて、止まりそうな心臓をビリビリドカン電撃一発!、失神からビックリ起こす。
 1回で起きなければ何回も繰り返すのだそうだ。 なんだか乱暴な。

 でも、そのAEDはひとりの人に専用に使うのだそうだ。こっちが生き返ったから次はそっちだと、数人にひとつのAEDを使いまわしてはいけないのだって。
 となると、例えば道端にわたしと若い美女とが倒れていたとする。もちろん偶然に通りがかりで、え~と、そう、突然雷が落ちてきたのだ。
 さて、AEDがひとつしかないとなると、う~ん、わたしの助かる確率はかなり低いなあ。
 あなたを選ぶ(選ばない)電撃器ってか、。

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