哀しきは寿町といふ地名長者町さへ隣にはあり
(ホームレス)公田耕一
これは2009年2月16日朝日新聞朝刊の朝日歌壇入選(高野公彦選)の投稿である。
そうですとも公田さん、近くには福富町、黄金町、真金町なんてお金のたまる街も、永楽町とか不老町とか健康に長生きする街もありますよ。
埋め立てして街を作ったときに、街に住む人の幸せを祈念してつけた町名なんでしょうね、でも、そうなったのかしら。
こんなにおめでたい町名なのに、マンション寿町なんて販売しているって聞いたこともない。
黄金マンションとかマンション永楽・真金なんて名前の分譲共同住宅も一向にないのが不思議、わざと命名を避けている哀しき地名。
街のイメージは名前じゃなくて、その背負う歴史で決まる。そのうちに歴史も変わるだろうが、まだそれらは負のイメージを引きずっている。
同じ朝日新聞の社会面に「ホームレス歌人さん、連絡求ム」との見出しで、この歌詠みがこれまでに何度も入選しているが、連絡がとれないとの記事がある。寿町の簡易宿泊所でその日暮らしか、それとも労働福祉会館の庇の下で野宿か。
それにしても、このドヤ街はいつまで持続するのか。持続することがよいことか。
日本の住宅政策が社会政策ではなくて経済政策であったことの歪みが、この寿町には見事に現出している。
参照→◆地域の持続可能とはなにか 095貧困な住宅政策
◆横浜ご近所探検隊が行く
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