今朝の朝日新聞折込の「GROBE」は、世界遺産特集である。
面白かったのは、昨年だったか登録された「石見銀山」は登録が危なかったが、かなり政治的な裏技をやって通したらしい。
そしてそれが、なにやら後に続く登録を難しくしたらしいことが読めるのである。
それぞれの言い分はあるだろうが、国際的な委員会でやることだから、当然にそのようなことはありうると思う。 オリンピック開催地選定と同じで、特に観光収入が増えるとあれば、なおさらである。
そうまでして日本での世界遺産登録は必要なのだろうかと思う。
例えば鎌倉である。
もう、十分にその価値は日本人はよく知っているし、観光客は人口18万人に対してその100倍も年間に訪れている。
世界遺産登録すれば何が起きるのか、市民の合意を固めるためのシンポジウムやワークショップを繰り返しているので、これ自体が街づくり運動となっている。
昨年から、鎌倉の旧鎌倉と呼ばれる歴史的地域のほとんどで、建物の高さ制限をして高層ビルは建てられなくなった。これは長い間の鎌倉の都市計画の懸案でもあったが、世界遺産登録への運動として稔ったとも言える。
あまり早く登録されるよりも、この登録運動を長く続けることが、よい都市を作る運動そのものであるかもしれないと、外部のものとして勝手なことを思っている。
ケルンの大聖堂の隣の鉄道ヤード跡地再開発で景観が乱れそうになり、世界遺産登録を取り消すとかいう騒ぎがあったと聞いたことがあるが、実際に取り消しとなった世界遺産登録地もあることを知った。登録地の自然保護か、資源発掘の石油開発かとなって、石油開発を選んだ途上j国のことであった。
この次は観光開発が登録を取り消す原因になることが起きるかもしれない。
国指定文化財よりも世界指定遺産と言う権威のお墨付きがほしいなら、次は「宇宙遺産」だな。さしずめ月到着の最初の人間の足跡なんて、その文化遺産第1号か。
でもずいぶん宇宙ゴミが地球の周りを飛んでいるらしいから、富士山と同じでまずはその清掃が先に求められそうである。
参照→◆世界遺産とはなんだろうか(2008)
◆山並み眺望をついに守りとおした鎌倉(2008)
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