13時40分頃、県立図書館からふらふらと坂を降りて、伊勢町のバス停留所でバスを待っていた。友人から電話がかかってきて話していると、めまいがしてきて足元がえらくふらふらする。あれれ、もしかして脳梗塞か?
見上げると電信柱も電線も左右に振れている。
あ、地震だ、ゆらゆら、長いなあ、立っているのが不安で、そばの電信柱につかまって身体を支える。
目の前の2階建ての店舗がゆれていて、なんだかこちらに倒れて来そうで、歩道から車道のほうに逃げる。
友人と何を話していたか忘れて、あ、地震だ、またあとでねと切り、今度は自宅に電話すれども通じない、何度やっても通じない。
周りのビルを見ても特に被害はなさそうだから、築10年と比較的新しいわたしの共同住宅ビルは大丈夫だろうと、自分に言い聞かせる。
少し揺れが収まりつつあり、やがてバスが来た。医者に寄って戻るつもりだったが、真っ直ぐに家の戻る。道に出ている人がえらく多いのは、ビルから避難したのか。
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1階のビルの玄関を入るとエレベーターが止まっている。インターホンで妻に無事かと言えば、無事と答があってほっとする。
7階まで階段を登って家に入る。げた箱の上の絵の額が壷に寄りかかっている。
居間など特に変わりなしで安心。
ところが、わたしの部屋に入ろうとしたら、ドアが開かないのだ。
1センチぐらい向うに動くが、そこに何かがつかえている。隙間から見ると、ドアの並びの壁の本棚が壁から浮いてドアの前に傾いていて、開くのをさえぎっているらしい。
横から棒や板を突っ込んで本棚を押すが、意外に重くて動かない。ドアのまんなかぶち破って入るしかないかと思案しているところに、近くに勤め先のある息子が心配してやって来た。
二人でどかどかと押しているうちに、隙間が2センチぐらいに開いた。そこからのこぎりを突っ込んでジャマしている棚板を切り落としたら、やっとドアが開いて部屋にはいることができた。この間2時間くらいだったろうか。
部屋の中のドア近くには、本棚を押したり切ったりしたので20冊ほどの本が落下したていたが、これは地震の間接被害で、振動の直接被害で棚から落下したのは10冊程度であったようだ。
壁にかけている弟が打った能面が傾いている。
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とにかく無事でよかったが、こんなに大きくゆれたのは物心ついてからだと、1948年の福井地震以来の経験である。寒い東北地方が大被災のようで、気の毒である。
まだまだ余震が続いていて、船酔いみたいな気分、これが酒酔い気分になればいいが。
これで民主党政権は危機管理をいろいろと問われる試練になるだろうが、献金とか年金とかでマスコミと野党からあれこれ重箱の隅をつつかれるのは、とりあえずお預けであろう。
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