民主党政権になって、公共政策としての居住政策が強化されるのかと思っていたが、反対で自民党よりも劣った政策であった。
公営・公社・都市機構などによる公共賃貸借住宅が、このところ縮小に縮小を続けている。
東北関東東部大震災で、これだけ多くの人たちが避難や疎開をしているが、これに対応する仮設住宅の建設がこれから進められるが、それまで待っている人たちの生活が思いやられる。
しかし、仮設住宅はあくまで仮設であり、いつの日か本設の自分の家にもどるのが筋道である。
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ところが今回の場合は、戻るべき自分の家のあった土地が、沈下して水面下になっている、海に近くて再び住む気にならない、放射能汚染されていて戻りたくない、今後も放射能汚染事故があるかもしれないから戻りたくない、高齢でいまさら戻る資力も気力もない、などなど、今までの地震災害とはかなり異なる局面があるように思うのである。
つまり元に戻らないで疎開先に定着することになる。
そこで浮かび上がってくるのが、それらの人たちに、適切な地域に安価な疎開定住住宅として公共賃貸借住宅の供給である。
ところがはじめに書いたように、公共住宅賃貸借住宅は少なくなっているので、現在の空き家を提供しようとすると、元の居住地とはかけ離れた遠くの地に、しかもバラバラと求めざるを得ない。これでは移る人たちにとってはまことに不安である。
わたしは公共賃貸借住宅の減少政策に反対、更なる建設促進をこれまで唱えていた。それは大規模震災への対応がベースにはあったが、今回のような移転疎開用までは思いが及ばなかった。これでその面でも必要と分った。
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これからぜひとも公共賃貸借住宅を災害疎開者のために建設してほしい。新たな住宅建設のための負担を、持家優遇政策で被災者に借金させてはならない。
それも被災した地域の内陸にある母都市の中心部に、疎開者の元のコミュニティ集団に対する単位として建設するのだ。
こうすることで、災害疎開者のコミュニティの継続と、空洞化する地方都市の再生とをセットにする震災復興都市計画、いや震災再生国土計画とするのである。
繰り返すが、災害復興政策として持家建設やマンション購入を優遇する金融や税制を優先するのではなく、震災疎開先定住用の公共賃貸借住宅を内陸母都市の市街地に計画的に建設してほしい。
●参照
たった一人キャンペーン:分譲マンション反対論
http://homepage2.nifty.com/datey/kyodojutaku-kiken.htm
384また住宅政策の後退
http://datey.blogspot.com/2011/02/384.html
357今度はURも賃貸住宅縮小か
http://datey.blogspot.com/2010/12/357.html
353公営住宅縮小の愚策
http://datey.blogspot.com/2010/11/353.html
095貧困な住宅政策
http://datey.blogspot.com/2009/02/blog-post_13.html
187民主党の居住・住宅政策は?
http://datey.blogspot.com/2009/10/187.html
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