東北地方太平洋沖地震による被災者のかたがたに深甚のお見舞いを申しあげます。
地震動と津波で大変なところに加えて福島第2原発事故という3重の被災には、驚愕するばかりです。
一介の年金暮らしの徘徊老人としては、救援物資を送る仕事をしている息子を、ちょっとだけ手伝ったくらいなもので、お見舞いの言葉と節約と寄附ぐらいしか、被災者のかたがたへの対応はできません。お詫びします。
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地震動→津波→原発の順に、自然災害から人工災害の度合いが高まってくる。
特に福島第1原子力発電所事故による被災の広域拡大には、事業者が日ごろから大丈夫であると宣伝していただけに、人災の度合いが高い。
多くの人々が放射能の飛散地域から避難せざるを得なくなって、その人々の多大な損害はいくばくになるのだろうか。
そしてこれは地域だけの問題ではなく、原子力発電所のあるところは世界中のどこでも起きうる災害であり、世界の原子力政策の転換を促しつつある。
チェルノブイリ事故のときは、どこか後進国の未熟な技術がなさしめたこと、スリーマイル事故ではバカなヤツのうっかり間違い結果のこと、で、先進技術大国の日本ではそんなことはありません、てなことだったようだと、わたしのような普通の人は思っている。
ところが、そんなことがおきてしまったのだから、人災と言われても仕方ないだろう。
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常識的に考えて、これで福島第1原発は閉鎖になるだろう。
技術大国日本の先進技術でもってして技術的に再稼動が可能となったとしても、これだけの広大な地域に被害を与え、そして世界の原子力政策に影響を与えたのでは、社会的には再稼動できるはずがない。
そこでわたしの提案だが、福島第1原発を世界文化遺産に登録してはどうか。
人類の英知の結晶である技術文化が、自然の威力の前にこれだけの災害となった記念建造物である。
廃炉となってもすぐに取り壊すことは不可能だから、今後ともその爆発による姿を人々の目に見せることで、人類の英知の限界を警告する世界的遺産となるだろう。
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既にその前例は、日本では広島原爆ドームが世界文化遺産登録している。
昨年は、太平洋のまんなか水爆実験(第5福竜丸の被災で漁民が命を奪われ、汚染マグロで日本漁業は大打撃)のビキニ環礁を、世界文化遺産に登録した。
原爆ドーム、ビキニ環礁、福島第1原発は一連のものとして、原子力のもっている脅威をまざまざと世界の人々が認識できることだろう。
このような遺産登録こそが、人類のこれからの文明永続のために必要なことだ。
世界遺産登録で観光振興なんていうチャラチャラした考えは吹き飛ぶのだ。
関連ページ
◆再び唱える「福島第一原発を世界遺産に登録しよう」(2013年2月25日)
http://goo.gl/kEtO9
◆大佛vs観音世界遺産談義(2010.12)
http://homepage2.nifty.com/datey/kamakura-sekaiisan2010.htm
◆裏長屋の世界遺産談義(2009.12)
http://homepage2.nifty.com/datey/kama-sekaiisan.htm
◆300南海の苦楽園世界遺産
http://datey.blogspot.com/2010/08/300.html
◆Bikini Atoll Nuclear Test Site
http://whc.unesco.org/en/list/1339
◆Hiroshima Peace Memorial (Genbaku Dome)
http://whc.unesco.org/en/list/775
(追記110429)こんなことを言うのはわたしひとりかと思っていたら、WEB検索してみてほかにもいることが分った。例えば、http://ameblo.jp/worldheritage-next/entry-10859655181.html
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