伊勢佐木町の商店街に中型の店舗「カトレアプラザ」が開店した。そこは208年10月に閉店した百貨店の松坂屋があった跡地である。
伊勢佐木町の松坂屋は、横浜の関内・関外という昔からの横浜都心にある最後の百貨店であった。
その松坂屋の建物は、石に細工をした装飾をまとった5階建てで、デザイン的にはそれほどのものでもなかったが、かつてのデパート繁栄時代を偲ばせる堂々たるファサードだった。
わたしはこの松坂屋には買い物の用事はほとんどなかったが、4階にあった郵便局が自宅から一番近かったのでちょくちょくよったものだ。なんだかガランとしている印象がいつもあった。
それが閉店してから3年半、取り壊してまた何か建築していて、伊勢佐木町モールの重要な一角に長い板囲いで店が途切れていた。
ようやく再開した店舗は、3階建てで、一階には量販店、2階には安売り衣料や百円均一安売り店など、3階には美容院やマッサージなどがある。
これらの新たな店舗構成を見ていると、百貨店時代は確実になくなった、伊勢佐木町モールのどこか低落する様子を思わせる。
それは、この新ストアーの前に最近出店した安売り靴屋が、店頭路上に乱雑に商品を張り出し、客引き男が大声を上げていることに象徴される。
チェーン店やゲーム屋がだんだんと侵食してきている。老舗はどうなるのだろうか。わたしが用事がある唯一の老舗は有隣堂書店である。がんばってくれい。
さてこの新ビルは、表の3分の1ほどのエレベーションに、旧松坂屋ビルのファサードの一部をコピー再現している。その努力には敬意を表するが、あまり上手ではない。ファサード全部を再現する必要はないとしても、新旧の取り合わせが安易である。
内部にもちょこちょこと旧松坂屋デザインを継承している。以前のそれらを知っていると面白い。せっかくだから、その案内を掲示してはどうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿