https://youtu.be/DTsRiFeTOIo
この映像は海賊版だろうか。海賊版なら早晩消えるだろうが、「インパール作戦」という稀代の大敗北戦の悪名は、その企画段階から反対されながら、実行段階では部下から反旗を翻されても、途中で負けると分っても無理矢理に突き進んだ、牟田口廉也司令官の名と共に消えはしない。
「大橋正平戦場物語」
わたしが話を聞いたこの方は、越後の山村の最長老で、その村は2004年の中越大震災で全村避難するほどの被災だった。震災復興お手伝いのマネゴトで、その村に10年ほど通った。
ある日、田んぼ作業の休憩中にその最長老と話をしていたら、インパール作戦の生き残りであるときいた。ちょうどそのころ、わたしは父の戦争記録をまとめていたので、興味が湧いてインタビュー記録を作ったのだった。
その話とNHK映像と比べてみて矛盾はないのだが、NHKが全く触れなかった重要な大事件がある。
インパールとともにコヒマという街を攻撃して敗退するのだが、NHK映像にはこちらの戦いも登場する。話を聞いた長老はこのコヒマの戦場に加わっていた。
戦局は明らかに大敗方向だったのは、武器も食料も後方からの兵站が全くなかったからだ。牟田口司令官は後方からの支援をまったくしないで、ただただ攻めろと指令するのみだった。
しかしコヒマ攻撃の第31師団の佐藤幸徳師団長は、現地での戦局を判断して司令官の命令にもかかわらず、独断で撤退を命じたのだった。もちろん、軍法会議ものだ。
現地師団が司令官に反旗を翻したインパール作戦の有名なこの事件を、NHK映像ではまったく触れなかったのは、なぜだろうか?
わたしはNHKの映像を見つつ、そうかこんなところだったのかと地勢と戦時映像を眺めつつ、話を聞いた村の最長老がよくまあ生き残ったものだとつくづく思った。
なお、軍法会議モノの抗命をした佐藤は、左遷されたが軍法会議にはかからなかった。軍がインパール作戦大敗北の真相解明を避けたからだった。だれも責任取らないのだ。
牟田口は生きて帰還し、7万人の死なせた大敗北を謝るどころか、作戦は正しかったと死ぬまで主張した。
なお、ネット検索したら、もうひとつインパール作戦の映像があった。
「【太平洋戦争】なぜ、負けた? ② インパール・コヒマの戦い」
https://youtu.be/XjJ8onQqHa8
ここには、佐藤の抗命事件が詳しく記録されている。
ついでに、わたしの父のことだが、父は満州事変、支那事変、太平洋戦争の3度延べ7年半も兵役につき、はじめの2回は中国戦線から無事帰還した。
太平洋戦争の時は、南方戦線に行くベく船を待っていたが、(幸いなことに)輸送船が次から次へと沈没、父の乗る船はこなかった。
そこで本土決戦とて、小田原に上陸するであろう連合軍を迎え撃つために、山腹に陣地をつくる穴掘り作業中に敗戦を迎え、8月末に無事に帰宅してきた。
1995年に亡くなって遺品の中から、戦争手記などが出てきたので、その戦争記録を「父の十五年戦争」としてまとめた。
毎年8月になると、戦争の話を書いているなあ。
2017/08/15金モール軍服長靴の若者がスマホをいじる靖国の夏
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2013/08/16靖国神社は日の丸小僧・コスプレ親父など右傾き風景
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2011/08/1566年目の空襲と疎開
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