2018/09/18

1162【敬老の日長屋談議】AIロボット医療がアナーキー老人時代をもたらす?

熊五郎:やあご隠居、今日もキイボード叩いて、ご精が出ますね。
ご隠居:おや熊さん、いらっしゃい。アレ、今日は月曜日だよ、仕事じゃないのかい。
:今日は敬老の日、ご隠居の日、いや敬老する気はないけど、とにかく祝日ですよ。
:フン、違うだろ、敬老の日って9月15日だよ、お前ボケてる。
:ボケはご隠居ですよ、なんだかよく知らないけど、近ごろは祝日を月曜日に移動することになってるんですよ。それが今日なんです。
:なんでだよ、それじゃあ土日月と3連休ばかり、お前たちは遊んでばかりだな。
:そうかもなあ、でもいいでしょ。
:よかないよ、それで迷惑蒙ったことがあるんだよ、その3連休直前に転んで怪我したのに医者が休みだから、治療を3日も我慢して痛かったよ、ケシカラン。
:まあ、まあ。
隠:学校だって、月曜の課目はどんどん遅れるだろ、いいのかい。他の曜日から不公平だって文句が出るだろ。

:まったく屁理屈年寄りが増えて、敬老ってもう死語ですね。
:うん、たしかにそうだよなあ、敬するのは希少価値があるからだもんな、なんでも今年は日本人口のうちの65歳以上が28%にもなったらしい。
:ふえ~、増え~、だからか、最近山で遭難も老人が多いのは、とにかく増え過ぎたからですね。
:何か事件や事故があると、たいてい老人だな。
:そういえば、今年は暑かったので熱中症で老人がバタバタ死にましたね。
:そうそう、増え過ぎた老人を減らすための、自然の摂理かもしれないね。わたしもね、この夏はこんな歌を詠んだよ。
  暑ぢぢぢぢ暑暑暑暑暑熱い 焼け死に給うな恋人たちよ
:それでも和歌ですかい、恋人じゃなくて老人でしょ。
:いや、老人は増え過ぎだから死ぬほうがいいけど、若い人に死んでほしくない。
:ごもっとも。もうちょっと情緒ある歌はないんですか。
:あるよ、これもこの夏の歌だ。
  ねがはくは熱に中りて夏死なむ その八月の真中真昼に
:これが情緒あるんですかい、いや、ええと、なにか真似してるような、あそうだ西行法師の歌でしょ。 
  ねがはくは花の下に春死なむ その如月の望月のころ
:はは、ばれたか、でもこういうのを本歌取りっていうんだよ。
:でも結局は、こうやって屁理屈こねて生きてますね。
:そうなんだよ、暑くても冷房しないとか、いろいろ工夫したんだけどね。
:うそでしょ、いつか寄ったら冷房してたでしょ。
:ハハ、意志薄弱がばれたか。

:ほら、団塊の世代ってあるでしょ、それが70歳代に突入したんですよ、だもんで日本人口の5人にひとりは70歳代になって、これからジジババ急増時代ですよ。
:病人が増えて困るね、でも医療技術も進歩して追っかけッコだ。
:それが困る、医療技術の進歩がますます老人を増やすでしょ。
:そうそう、わたしのように病気しないで長生きするのも困るけど、病気しつついつまでも死なずに長生きするのは、ほんと困るね。
:ちかごろはAIロボットで治療するらしいですよ。囲碁や将棋のように人間技を越える治療もできるようになるかもねえ。
:ほほう、AIってだね、そうか、それなら愛をもって死なせる愛ロボット医療もできるようになるだろうね。
:ロボットだってそりゃ殺人ですよ。
:そうなんだけど、人間が及ばない技術をもつロボットなら、この辺で老人人口調節したほうがいいなって判断して、人間には分らないように自然死に見せる医療殺人をするんだよ。
:う~ん、そうやってバランス良い人口が保たれるって、、いいのかなあ、、なんだか気持ち悪いなあ。
:でも考えてみると、死ぬのも医療って時代が来るかもなあ、そう遠くなくね。
:そうか、男女の間があいまいになってきてるように、生と死の間も曖昧な時代が来るのか。

:まあ、わたしの生きてるうちはそうならないから、わたしはどうでもいいけど、熊さんたちが悩んでなさい。
:そうやって長生き無責任老人が増えるなあ。
:そうだね、先がない老人、死にそうで死なない老人はアナーキーになるね。
:ひや~、アナーキスト蔓延って、恐ろしい時代がそこまで来てるんだあ。
:その一方で、老人がけっこう働くようになってるんだな。高齢者全体の中で働く人の割合は23%なんだな、まあ4人一人くらいは働いている。
:それって日本の老人は貧しいからかもしれませんよ、だってね、アメリカじゃあ18.6%、イギリス10%、フランス3%ですよ。
:う~む、カネはあるけど、働くのが好きなんだろ。あ、わたしはカネないけどね。
:カネがあるのなら、若者の労働市場を荒らさないで、社会貢献活動するべきでしょ、なのに働くのはやっぱり貧しいからでしょ。
:う~む、貧しくてアナーキーかよ、よし、これはもう革命老人の時代だ~、立て万国の老働者~!

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