2009/07/14

154全国市長会で講演「伝統文化を活かした地域再生の可能性」

 「全国市長会」から講演の依頼が来た。
 日本各地の市長さんの会であって、税金で運営されているという。 そこの経済部の地方の活性化に関する検討会とて、「伝統文化の再生と地域の活性化』というテーマで、なにか話をしてほしいとのこと。
 おお、市長さんがたには言いたいことがいっぱいある。伝統文化にかこつけて、言いたいことを言ってこようと、喜んで引きうけた。

 7月7日の午後、東京は平河町の全国都市会館には、東北から九州まで25市長と、その随行の市役所職員が倍くらいいた。
 わたしが市長さんたちに訴えたかったことのひとつは、地方都市の郊外部のあまりに汚いので、これに気がついて早くなんとかしてほしい、ということである。
 わたしが撮り貯めている全国各地のいくつもの汚い郊外風景の写真と、その街の中心部の美しい風景とを対置してみてもらった。玄関にこんなにゴミを積んでおいて、それで観光に来いといっても駄目なのであ る。 
   参照→日本全国醜い風景アルバム

 もうひとつは、どこでもなんでも再生とか活性化とかの政策ばかりに金がつくが、人口減少する日本のどこもかしこも再生や活性化はできっこないのだから、もう一方の政策として山や村や街を閉じる政策、しかもそれを幸せに閉じる政策が必要である、ということである。
 このことは市長も役所の人も、心に思っていても絶対に言えないことだ。たちまち大反対にあうだろう。つまり総論としては必要だが、各論としてどこを閉じるかとなると大騒動になるからだ。わたしのような、何のしがらみのない者だからこそ言えることだ。

 多分、政策として理解されるのが難しいだろうが、今すぐ始めなければならないのだ。現実にやむをえず閉じつつある農山村や商店街が日本にいっぱいあるはずだ。
 今のように多くの人たちが、超高齢化してやむをえず農山村から街に移り住んでも、それは幸せなこととはいえないことが多い。

 それに対して何の政策の手を伸べずに、負け組だからほっておけでは、もう見過ごせないときが目の前にきているのだ。もう遅いかもしれないくらいだ。
 このことは誰もがわかっていても、簡単には言い出せない。 
 さあ、どうする、市長さん?(090707)

 参照→地域のしまいかたを考える
 
 講演全文→伝統文化を生かした地域再生の可能性

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