2009/07/05

151【老いゆく自分】長い会議でも疲れない術は話の半分も聞かないでいること 

 一昨日は横浜都計審であった。2時間半ほどのけっこう長丁場の会議だった。会議のあいだを、きちんと聞いたり見たり読んだり言ったりしてすごごすのは、けっこう疲れるものだ。
 横浜都計審でのわたしは、多分、委員発言のうちの半分近くの時間を占拠してしゃべっていた筈である。でもちっとも疲れないのだ。

 それには、わが師匠から45年前に伝授してもらった秘訣があるのだ。わたしも歳とったから、このあたりで公開することにした。
 藤田邦昭という日本の都市再開発コンサルタントの草分け的な人がいた。8年前になくなったが、わたしが大学出てかけだしの頃、再開発にかんする地域の人たちのとの会合に、かばん持ちでついてまわったことがある。

 たいていはそのような会は夕方7時頃からはじまり、とりとめめのない話がだらだらと8割以上はあって、とりとめあることは1割くらいである。だからといって、とりとめないことを省くことはできない。
 午後10時、11時頃までつづき、いろんな人のいろんなことを聞いていると、若くて体力はあっても、頭がへとへとに疲れるのである。

 ところが藤田さんは平気で、話をしたり笑ったりしているのである。わたしよりも10歳も年上である。
「ねえ、藤田さん、どうしてそんなに平気でやっていられるのですか」と聞いたものだ。
 藤田さん曰く「わしなあ、みんなの話の半分も聞いとらへんねん、なんかほかのなあ、例えばええ女のこととかそんなこと考えとるんや、そやけどなあ、なんか質問あったらさっとそれなりに答えることできるんやで、それがプロちゅうもんや」

 それ以後のわたしは、これを座右の銘にして世の中をわたってきたのである。
 体力と知力の両方の衰えを感じる昨今であるが、一昨日の都計審もこの秘伝の技で乗り切ったのであった。


0 件のコメント: