2009/10/04

188【言葉の酔時記】女子、女性、女流

 女のテニス選手やゴルファーの誰やらが引退したとか優勝したとかニュースである。それが誰でも一向に興味はないのだが、気になるのは、どうして女のスポーツプレイヤーは「女子」なんだろうか。なぜ、女流とか女性とか言わないのか。

 女の小説家を女流作家というが、女子作家とは言わない。ついでに、作家というと小説家を意味するのも不思議である。美術作家も建築作家もいるのに。
 女の歌人や俳人は女流かな、能役者も女流能楽師か、古典的な代物は女流というのかもなあ、いや、娘浄瑠璃とか女義太夫と言うなあ、わからん、漫画家やイラストレーターはどうなんだろうか。
 女流建築家ということもあるような気がするが、女性建築家というほうが普通かもしれない。UIFAという国際組織があるが、この日本支部は、国際女性建築家会議という。

 女子アナと電車の吊り下げ週刊誌広告に書いてあるのは何のことかと思ったら、女のアナウンサーのことらしい。なんで女性アナ、女流アナでないのか。
 囲碁将棋では、女子棋士ではなくて女流棋士とか言ったような。スポーツは女子でゲームは女流かしら。
 女子社員なんていうが、女流社員とは言わないなあ。帰国子女って、あれはなんだろうね。

 なんとなく女子→女性→女流の順で、格が上になっていくような感がある。ついでに、新聞では、女とあれば悪いやつで、悪くないのは女性と書くのも不思議である。
 ところで、男子、男性とは言うが、男流とは言わないのはどうしてだろうか。男流作家とか男流棋士とか言ってもよさそうなのに。

 芸人的世界では男は当たり前なので、わざわざ言う必要がないということかしら、でもそうかなあ、今や小説書きは女の方が多いかも、。多いほうに短称優先権があるなら、そのうちに作家とは女のことで、男は男流作家というようになるかもしれない。

 俳優のみが男優と女優と両方を区別するのは、映画や演劇では男女同じ数だけ俳優は必要だからか。それなら、なおさら分けて言う必要もなさそうだが。
 そういえば、病院ではちょっとまえまでは看護婦がいた。それがいまは看護師に統一されたということは、そのまえは男子看護婦とか看護夫と言っていたのだろうか。

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