2011/06/30

442怖いなあ、原子力という魔物は

 環境経済学の観点からエネルギー政策の研究者、大島堅一さん(立命館大学教授)の語る
実は誰も分かっていない原発のコスト
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/report/20110608/106639/?P=1

 まえからなんかヘンだなと思っていた。
 ・155電気のウンコ
   http://datey.blogspot.com/2009/07/155.html
 ・自動車社会を衝く
   http://homepage2.nifty.com/datey/jidosya-syakai.htm
 やっぱり、原発ってのはこんなに金がかかってるんだ。
 わたしでも原発のためにこんなに負担させられているんだ。
 後の世代はもっともっと負担するんだなあ。先が全然見えない。
 原子力というものは、金と命を食い物にして巨大化し、もう暴れても退治しようもなくなった、人間が作り出した魔物だと、貧乏人のわたしには思えてくる。
 怖いなあ。
 
 大島さんの話を要約するとこういうことになる。
   ◆◆◆
●政府発表の原発発電コストは最低額
・一般に発電コストは、2004年に政府が公表したが試算値が根拠
・液化天然ガスが5.7円/kWh、石炭火力が6.2円/kWh、石油火力が10.7円/kWh、一般水力が11.9円/kWh
・これに対して原発は5.3円/kWhと一番安い
・これには研究開発や立地対策に投入している財政はこの数字に反映されていない。

●現実に近い計算をすると原発発電コストが最高額
・年度ごとに『有価証券報告書総覧』で公表のデータを元に原発を持つ電力9社の発電原価を電源別に、設備の稼働率や減価償却などを含めた実態を反映して、可能な限り抽出して、総発電量で割り算すると
・1970~2007年の平均で、原子力8.64円/kWh、火力9.80円/kWh、一般水力3.88円/kWh
・原発とセットの揚水発電は原発の電力なので両者を平均して原発発電単価は10.13円/kWh

●実は更に高くなる原発発電コスト
・原発発電コストには(税金を投入する技術開発費と立地対策費年間約4000億円)が含まれていないが、これを含めるといくらになるか
・電源ごとの発電量当たり財政支出単価(1970~2007年平均)は、火力と一般水力がともに0.1円/kWh、原子力は2.05円/kWh
・財政支出を加えた総合の発電コスト(1970~2007年平均)は、一般水力3.98円/kWh、火力9.9円/kWh、原子力10.68円/kWh。
・揚水発電とのセットで考えると原発発電は12.23円/kWh

●どうしようもない原発廃棄物処理コスト
・原発発電コストには、莫大な使用済み燃料の取り扱い費用(バックエンド)が含まれていない
・六ヶ所再処理工場で40年間に使用済み燃料3万2000tを再処理するのに11兆円試算、MOX燃料加工に1兆1900億円、処置費用計12兆円以上
・そうして獲得できるMOX燃料をウラン資源換算で価格9000億円程度
・11兆円の大赤字

●そして大島さんはこう結ぶ
・バックエンド事業は数十~数百年、後世に負担だけを押しつけることになりかねない。
・それができない原発のコスト構造が本当の問題
仮に今すぐ原発をすべて廃止しても大量に蓄積された廃棄物の問題から逃げることはできない
   ◆◆◆
 今、起きている福島第1原発事故に対する補償やもろもろの復旧費用を入れたら、いったいどれくらい原発はコストがかかるものだろうか。
 長崎では昨日、経済産業大臣が「安全の責任は国が持ちます」って大見得きって、原発再開せよと自治体に首長たちにいったそうだ。
国が責任を持つ」の意味はどういうことなんだろうか。事故が絶対おきないってことはありえないと、現今の状況で証明されたのだから、この責任とは大臣の首を貰ってもしょうがないから、事故がおきたら国が補償するってことだろう。
 ということは、税金を投入するってことである。
 わたしは嫌だね。  
 怖いなあ、あと20年くらいで巨大な難問題に直面するのだろうが、わたしはその頃はこの世にいないから、シ~ラナイッ…。

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