歴史上のこととしてしか知らないスペイン風邪とかコレラなどに並ぶ世界史の転換になりそうで、長生きするとこんなものすごい事件に出会うものだ。
そんな時代の近所の街を徘徊して、世紀の大事件が身近にどう動くのか観察、一人で、目深に帽子をかぶり、マスクして、杖ついて、他人に近づかないように、あたりの物に触らないように、そんな自分が不気味になる。
●新型コロナウイルス感染の現状(REUTERS)
https://graphics.reuters.com/CHINA-HEALTH-MAP-LJA/0100B5FZ3S1/index.html
日本列島各地への蔓延も続き、都府県別の状況ではワースト側からは、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7県がまず緊急事態宣言のもとの置かれた。とにかく人と人が接触しないようにせよと、これから一か月はそれが続く戒厳令である。
住んでいる横浜もその中だから、同じ市内に住み勤める息子とさえも、会うことが難しい有様である。
どえらいことになったものだが、地震や火事あるいは戦火に遭うのではないし、仕事もない年金生活だから、いまのところジッとしている分には何とかやっていける。次のフェーズに何が起きるのだろうか。
逆に感染者がいまだにゼロは岩手と鳥取のベスト2県のみであり、それはなぜかはわからないが、人口が比較的少なく、人口集積地も少なく、地域間交流も少ないからだろうと推測される。
どちらが最後まで無感染県の栄誉を受けるのか、わたしの予想としては新幹線が無くて外との行き来が比較的少ない鳥取の勝ちのように思うのである。(と、書いたとたんに鳥取が脱落のニュースで予想外れ)
さて、コロナが終わったら、最後に残った防疫先進県の岩手に移住する人が増えるだろうか。
とにかくに人間同士がそれそれ感染させるのだから、人と人を切り離すしかない。まずは口中から出て来る唾に交じるウィルスが、他の人に伝染しないように、まずは顔の覆面マスクで遮断するのである。
そして人間相互距離を2m程度は空けるし、飲み屋もパチンコ屋も映画館も駄目、とにかく娯楽の場がいけない、大勢が集まって話し合うなんてもってのほか。
要するに人間相互隔離であるから、あの人と人の絆が大切なんて言ってた大震災時の流行語とは真反対だから、もう困惑するしかない。
政府がコロナ対策として、日本の6000万世帯に2枚づつ郵送すると、2020年3月末に安倍総理大臣が発表した。
マスクの効用はいろいろ語られているのでそれは別として、驚くのはそのために投じる税金が466億円ということで、実はマスク1枚は原価200円とのことだが、全世帯郵送となるとこうもすごい金額になるのか。
200円ほどの布マスクを政府支給する理由があるのか。そんなものはそれぞれ家庭で作ればよろしいとわたしは思うのである。作れない事情の家庭もあるだろうが、それを政府や自治体あるいはコミュニティが援助すればよろしい。
466億円を国民が個別ではできないコロナ対策のために遣うほうが当たり前だと思う。医療の施設とか機器とか、治療方法の研究開発とか、いっぱいあるはずだ。金の使い方がおかしいだろう。政府は個人ではできないことに施策を講じるべきだ。
それで思い出すのは、戦中の竹槍(竹の棒先を槍のように尖らせたもの)のことである。竹槍は日本では古来から戦乱につかわれていたが、アジア太平洋戦争における日本軍の兵器としても採用されていた。
その戦争末期には、一般の民間人が銃後の守りとして竹槍を持たされるようになった。日本に上陸した敵兵と民間人たちが直接に闘う本土決戦の武器とされた。竹やりは民間人が各自で製作して、各家庭に広く行き渡っていた。
陸軍大臣の荒木貞夫は、「竹槍三百万本あれば列強恐るるに足らず」と、外国記者に語ったという話がある。
本土上陸した敵兵と戦うために竹槍を、各世帯で用意して使う訓練していたとは、いろいろな意味で泣かせる。上陸する敵兵は本格武装しているのに、どうして竹槍で戦うことができるのか、精神論の身体的発露を求めたのだろうか。
わたしの記憶では、家の裏は竹藪だったから竹槍の材料はいくらでもあったが、身近に竹槍を見たことはない。どの家にも竹槍を持たされたのでもないらしい。竹が生えない北海道では、買ってきた竹ぼうきの柄を使ったと、友人は言う。
このとき政府は竹槍を各世帯に支給するのではなくて、各家庭で竹槍製作を指導したのだった。全国の都市が空爆を受けるようになると、防空頭巾やマスクの着用も必須となった。もちろんそれぞれの家庭で手作りである。
政府が税金をつかって竹槍や防空頭巾を支給したのではない。当時と今とでは物価が違うが、466億円あれば戦闘機の2、3機を買えるのだから、当時の政府としては当然だろう。
安倍首相は「マスク一億二千万枚あればコロナ恐るるに足らず」と考えたのだろうか。
彼の祖父にあたる岸信介は、戦争末期では軍需担当の国務大臣だったから、竹槍の調達も彼の仕事だったかもしれない。
もしかして岸には「各世帯に竹やり2本支給」案もあったが、東条首相と喧嘩して閣外に去ったので実行できず、そして今、それを孫の代になってマスクで実現しようとしているのかもしれない。
わたしのところにもマスクはあり、洗えば長く使えるから、送って下さらなくても結構なのだ。だが、何が何でも送り付けて来るのなら、送り返すのも無駄なことの積み重ねなるからやりたくない。
もしかして、このマスク配給の作業により、コロナ関連で事業休止で失業した人たちを助けることになるのかしら。いや、マスクを介してコロナ流行って、まさか。
そこで思いついたのだが、どうしても送ってくださるのなら、その原資はわたしが納めた税金であるから、こちらが希望するデザインのマスクを送ってもらいたい。
そう、タイガーマスクとか白虎仮面とかのプロレスマスクにしてほしい。これかぶってコロナをコテンパンにやっつけるからね。
冗談ついでに、白い布マスクが支給されたら、これに千人針をしたらば、コロナ撃退できるだろうと思う。
千人針といっても、何の話か分からない人が多いだろうが、戦争中に戦場に向かう兵士の身に着ける布に、女性千人がそれぞれ一針で赤い糸の縫い玉をつけると、鉄砲の弾除けになるとの風習があったのだ。つまり今ならばコロナ除けである。
はて、この第3次世界大戦はいつになれば終わるのだろうか。何しろ実際の敵の正体がいまだに分からない上に、現象としては人間一人一人が敵味方なのだから、まったく始末に負えない。これは、都市計画も変わるな、思想が変わるな、人間が変わるな。
しばらく退屈しないのが、コロナのたった一つのとりえである。もっとも罹っちまうとこんな馬鹿を言ってられないだろうがね。
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