2022/12/31

1663【大晦日】酷きことばかりで終わるこの年を明くれば待つは酷き年らし

熊五郎:ご隠居、とうとう今日で今年が終わりですね。

ご隠居:ああ、熊さん、いらっしゃい、うん、そりゃそうなんだけど、わたしはこれまでにもう85回も大晦日や元旦を体験したから、飽き飽きしてるんだよ。

:まったく可愛げがないなあ、明日は正月元旦、何か思うことあるでしょ。

:いや、淡々と時が過ぎ行くだけだよ。まあ、あまり長く生きてるから、思い出すことに順番記号を付けておくと検索に便利だから、日付があるんだね。

●2022十大ニュースその1:プーチン戦争

:じゃあ世間なみに、ご隠居の今年の十大ニュースは何ですか。

:あのねえ、今年は思い出すのも嫌なことが起きた年だったね、年にランキングつけるとしたら、生涯で一番いやな年になるかもしれないな。

:そうですね、この3年コロナでろくなことがなかった年が続いていたところへ、今年な2・24事件がありましたね。

:おっ、それはロシアのウクライナ侵略再開だね。2015年のクリミア略奪のつづきだが、もう10カ月もやってるのに終わらない。ロシアって意外に弱い。

:かつてのソ連の栄光を取り戻そうと弱小国をいじめるって、プーチンのバカもいい加減にしなさい、といいたい。

:このばからしい戦争を支えているのは、兵器産業だろうね。もしかして世界の景気はこれで保たれているのかもしれない。怖いねえ。

●その2:コロナパンデミック

:プーチン戦争が1番とすれば、2番はやっぱりコロナパンデミックですね。

:そうだね、実はこちらの方が問題は大きいような気がするが、3年もつづくと飽きが来るんだね。

:人間が飽きてもあちらのコロナさんはちっとも飽きていないようですよ。なんせ第八波がいまザンブリとおそってきているのですからね、日本じゃあ1日に6万人近くも感染者が増え、死者は300人近くも増えている。

:それなのにちっとも緊急事態とかって言わないねえ、もう降参です、なるようにしてくださいってことかね。

:そうなんですね、あのチャイナのシーさんところがオカシイですよね、これまでゼロコロナとか言って、めったやたらに都市ロックダウンして撲滅運動やって来たのに、12月になったら突然に規制解除って、旅行もOKになっちゃった。

:その転換が突然で社会的混乱が起きて、それが今度は感染が爆発的拡大を招いているとかって、あの強権国家はコロナに負けたのかね。どうもそれには民衆の規制反対デモがあったからしいが、そんなことで政策転換するかねえ。

:なんだか毛沢東の政策を持ち出して、転換の言い訳にしているとか。

:あそうだ、その毛沢東のスズメ駆除という大失策を思い出した、その再来かね。

:なんです、そのスズメ駆除って。

:毛沢東政権下の1950年代の終わりごろの食料確保政策として、田畑に育った穀物を食べにくるスズメ駆除を、全国一斉に人海戦術でやったんだよ。スズメは1羽もいなくなって穀物増産のはずが、逆に不作に陥ってしまった。それは昆虫の天敵のスズメがいなくなり、イナゴなどの害虫が大繁殖して穀物を食ったからだよ、慌てて外国からスズメを輸入したって話だよ。毛沢東の失敗政策のひとつだね。

:ほほう、コロナもスズメのように素人考えで駆除してはいけないって、なにか毛沢東の教訓でもあったんでしょうかね、なんだかへんですねえ。

:そのシーチンピンさんの政策転換のせいでコロナ患者は爆発的増加、それなのに海外旅行もOK,これじゃあコロナ感染観光客がどしどし日本にやってくる、日本じゃ慌てて水際政策を考え直す、なんてチャイナドサクサが日本にも及んでいるとかだよ。

:なんだ、それじゃあ、今のようないい加減な状況では困るでしょ、このへんで緊急事態宣言を、岸田さんも始めてやってはどうですかね、人気ぶり返すかも。

:経済回したい人ばかりだから、人気は落ちるだろ。まあ個人的にはとりあえずワクチン5回目を先日打ってきたよ。それくらしか庶民老人がやれる対策は見つからない。

●その3:老化転倒事故

:では第3番目はなんでしょうか。

:これはもう全く個人的なことだが、私も妻も道で転倒した事件だ、別々の時だがね、老化って恐ろしい、いつの間にか忍び寄っている、気が付いたらまっ平らな道でも転ぶようになっていた。

:そりゃ大変な事件ですね、でも死ぬようなことはない。

:いやいや、それがかえっていけないよ、転んでいっそのこと死んじまえばいいのに、中途半端に傷ついて痛いのも嫌だが、もっと困るのは骨折して寝たきり、半殺しの目にあうことだよ。

:道で転んだくらいでは死ねないだろうなあ、いや、転んだとたんに車にひかれて死ぬ確率は高いような。

:あ、そうだね、これからは車道で転ぶように努力しよう。

●ろくでもないことばかりで第4以下は無し

:さて、では4番目はなんでしょうか。

:う~む、ええと、う~ん、もうどうでもいいや、3大ニュースでおしまい。酷いことばかりの年だから、その酷いろくでもないことを思い出すのは気分が悪い。

:それじゃあ。来年の抱負はいかがですか。

:ありきたりの質問だね、ありきたりに答えれば、健康で豊かな暮らしができますようにってところかな。あ、そうだ、抱負といえば、これはどうだい、もう飽き飽きしたこの世から円滑に脱出する方法を発見したい、ってのは。今年も何人もの親しかった人たちに、先を越されてしまって悔しい思いをしている。同じこと考える超高齢者は地球上にかなり多いはずだよ、この方法を発見するとノーベル賞だね。

:まさかね、考えてみると、ご隠居たちのような超高齢者が、金もヒマも体力もまあまあそれなりにあって、自由にどこにでも行くことできた時期にコロナで禁足になり、無為に過ごさねばならない日が続き、そのうちに自由に動いてよい時が来たら老化が進んで不可能になっている、これって実にお気の毒な人生末期ですね。

:ああ、君たちの様にまた動くってチャンスがつぶれてしまった、同情してくれよ。戦争さなかで生れて気の毒、死ぬ時も戦争とコロナさ中で気の毒、われながら気の毒人生だったなあ。

:いやいやそればかりじゃないでしょ、高度成長期の豊かさにめぐまれた時もあったでしょ。

:そういうのは大企業に勤めてた人たちのことだよ、わたしのように零細企業勤めやフリーランスだったものには、そんなことはなかったよ。

酷きことばかりで終わるこの年を 明くれば待つは酷き年らし

 (20221231記)


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