【老酔録⑥】の続き
●詐欺話の出だしは警察からの電話
米寿になるほどに歳取ってしまったわたしも、さすがに今年から「かかりつけ医師」なるものができてた。去年まではめったに医者に行くことは無かったが、歳とるとそうもいかないものかと思っていたら、医療詐欺事件に巻き込まれたらしい。え、老酔かなあ。
医療費詐取とはなんだかケチな詐欺罪らしいが、いやいや実は大犯罪かもしれない、などと好奇心を広げて、ヒマツブシをしている。もしやわたし共犯者かもしれない、この歳で留置場体験なんて、わくわくする不謹慎さである。
ことの初めは、今年2025年5月初め、千葉県習志野警察署の刑事と名乗る女性らしい声の電話であった。習志野市内のあるクリニックで受診したことがあるかとの問い合わせだった。そんな遠くで医者にかかった記憶がない。詐欺電話かもと警戒しながら対応した。
いろいろ聞いてみると、どうやらそのクリニックがわたしの名で架空の診療代を医療保険に請求している事件らしい。どこでわたしの情報を手に入れたのか知らないが、わたしを診療をしたと嘘ついて保険組合に請求して代金詐取したらしい。
その時の話はそれでおしまいだが、続きがあった。6月12日付で封書がやってきた。発信者は「神奈川県後期高齢者保険広域組合」(以下この文中ではK という)とあり、内容は上記電話があった習志野市にある「クリニックあらい」(以下Aという)なる医療機関で診療を受けたことがあるかとの問い合わせであった。
習志野市内のクリニックということで、思い出したのが上記の習志野警察からの電話である。ハハン、そうか、あのときの架空診療請求事件がこれだったのだな。もちろん、無いと返事を出した。これら二つのことは、このブログに【警察からまた電話が】とのタイトルで、詳しく書いている。
●わたしにも架空診療支給金を返せと
それでおしまいともう忘れていたら、続きが発生した。2025年10月8日付でまたKから文書が来た。「高額療養費について(お知らせ)」との表題で、今年1月20日にわたしに支給した「高額療養費」3,144円を返還せよと書いてある。
あらら、そんなカネもらったっけ?、振込用の貯金通帳を見ると、確かに入金している。気が付かなかった。お知らせ文書をよく見ると、その架空診療を受けたのは2022年7月と8月であったと書いてある。高額療養費ってなんだっけと俄か勉強した。
そんな3年も前の診療に、今年1月になって支給するって、常識として遅すぎるだろ。そもそもめったに医者に行かないわたしは、保険制度の高額医療費支給なんてめったに受けたことがない。振込通帳をさかのぼってみたら、パラパラと何回か数百円が振り込まれている。
それでも、診療から3年も経って振り込んだ例はないようだ。このことがあって気にするようになって、最近の振り込みを見ると今年7月診療を根拠とする高額医療費は、10月16日の支給である。わずかに607円であるが3か月後である。3年も経っての支給ではない。
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| 支給高額医療費返還請求文書2通 |
その異常な支給時期は、たぶん、架空診療事件捜査対象になっていて、調査中とかで支給が遅れたのだろう。それにしても、それが詐欺行為の案件と分った後だから、支給しなくて良いはずだ。なぜわざわざ支給して返還せよなんて、手間のかかる奇妙なことをするのか。
そして更に、またKから10月8日付で文書が来た。返還請求金の振込用紙が入っていて、11月4日までに納入せよとある。わたしがもらうべきでない金だから返還するのにやぶさかでないが、何となくすっきりしない。
●わたしは詐欺医師の共犯者だろうか
例えばこう考える。わたしとAとが共犯とみなされているのかもしれない。つまり、Aは診療費を詐取し、わたしは高額療養費を詐取するのだ。まあ、3000円でリスクとる犯罪ではないが、多くの診療回数があれば稼ぎになるだろう。Aはたぶん多数の個人情報を仕入れて、多数の架空請求をしたに違いない。わたしはそのほんの一部の片棒を担がされたのだ。
すっきりしないのは、この加担させられた詐欺の内容が詳しく分らないことにもある。そんなこと知らなくてよいから、とにかくカネ返せとKは言っているようなのだ。公的機関には珍しい丁寧な言葉使いの文書であるが、慇懃無礼の感がある。
好奇心に過ぎないが、わたしの名を使ってどのように詐欺事件が展開されたのか、巻き込まれた当事者として知りたいと思えど、どこにも書いていない。Kは、ただただ返還せよというのだ。まあ、犯罪に絡むから詳しく開示できないのだろう、とは思うのだが、、。
そういえばAはいまどうしているのだろうか、クリニックはたぶん閉鎖してるだろうなあ。医師は免許取り上げかしら、裁判中かしら、それとも臭い飯を食う毎日か、あるいは罰金支払いで終わったか。
もしもわたしがこれを返還しなかったら、わたしはどうなるのだろうか。
●保険診療詐取された審査機関の責任は?
ところで、この支給を行った機関のKには、責任はないのかしら。文書に添付されている「保険診療の流れ」なるフローチャートに、K(審査支払機関とみられる)の役割に「審査」があると書かれている。今回の件はわが受給も含めて審査ミスになる。よいのか。
そのあたりはどうなっているのだろうか。これは医療保険制度を支える被保険者のひとりとしても、Kに訊きたいところである。このような審査ミスがどれほどあるのだろうか、めったにないことか、それとも頻発しているのか、気になってきた。
さて、寒くなったけど腰を上げて返還指定振込銀行にいくかなあ、どうしようかなあ。
(2025/10/29記)
ーこのブログ内の関連する記事ー
2025/05/02・1884【警察からまた電話が】
https://datey.blogspot.com/2025/05/1884.html
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伊達美徳=まちもり散人
伊達の眼鏡/老酔録 https://datey.blogspot.com/
まちもり通信 https://matchmori.blogspot.com/p/index.html
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