2011/06/13

432森英雄・盲人外出案内ロボット開発に熱中

 バアチャンが押して歩くババ車がある。商品としての一般名はシニアカーとか言うらしいが、ジイチャンが押していることはめったにないのはどうしてか。
 でも、押す老人がボケたら、どこに行ってしまうか分らない。ボケてなくても、年とると道に迷う。いや、年とらなくても道に迷う人は多い。

 そこで提案、このババ車を外出案内ロボットに改良するのだ。このロボットにいろいろな行き先を教えておく。
 そうすると、このババ車に掴まって引っぱってもらえば、朝の散歩で公園ひとまわり、かかりつけの近所の医院、コンビニでも飲み屋でも連れて行ってくれる。
 どうです、こんなものがあったら、ボケ老人といわず、方向音痴の貴方にもピッタリでしょう。

 ここに「ニューひとみ」という代物がある。
 その名のごとく人間の目の代わりをして、手を引いて道案内をするロボットである。盲導犬をロボットにしたようなものだ。
 そうなのである、上に書いたロボットが本当にあるのだ。
 もっとも、シニアカーをロボットにしたのではなく、駆動モーターのある電動車いすに、コンピューター、カメラ、センサーなどをつけて、自動ロボット車にしたのである。

 昨日(2011.4.12)のこと、千葉市内のある会場で「第10回アイ・フェスタ」なるイベントがあった。
 アイとは眼のことらしい。はじめて行ったのだが、盲人のためのいいろいろな生活用品・機器類の展示即売会であった。盲導犬、文字読み上げPCソフトウェア、点字印字機、文字拡大機器などなど、多くの業者が出展というか出店している。

 なかには資生堂という化粧品屋も出ている。お化粧と盲人ってどうしてと思ったが、考えてみると鏡を見てお化粧をするのがあたり前だが、盲人はそうではないのだ。
 とすればそれなりの化粧作業術があるのだろう。それを伝授して化粧品も売る(のであろう、多分)。
 なるほど、盲人マーケットというか、そういう業界もあるのだと知った。
 
 わたしがそのフェスタに行ったのは、そこに出展する「ニューひとみ」の「展示業者」としてであった。
 主催者側が出展者のことを展示業者といって、そう書いた名札をぶら下げさせられたが、じつはこのニューひとみ出展は「業者」ではないのだ。
 ほかの業者とちがって、全く売る気がなくて、純粋にロボットの開発研究のためなのだ。業者ではなくてボランティアである。

 盲人外出案内ロボットの「ニューひとみ」を開発したのは、森英雄さんである。森さんは山梨大学の電子工学の教官に在職中に、このロボット開発をした。
 定年退官後は退職金をつぎ込んで会社とNPOを作り、その改良と普及に熱中している。
 わたしは森さんと専門は異なるが大学同期で、今は遊び友達。遊びのついでに、ロボット開発に野次馬として参加することもある。そのホームページもわたしが作った。
 森さんが千葉アイ・フェスタに「ニューひとみ」を出展するというので、手伝いに行ったのであった。

 会場は体育館であり、大勢の盲人用商品業者のテーブルのある中で、異色なのがこのロボットであった。隣には盲導犬協会の案内テーブルがあった。
 できそこないの白鳥模型玩具(よく言って)のような格好の「ニューひとみ」が、自動で会場の中を行ったり来たりしている。
 ナンダナンダと来場者たちの興味をひき、次から次へと訊いてくる。

 森さんはもう何回か出展しているから、なかには旧バージョンの「ひとみ」も知っていている人もいて、新バージョンの「ニューひとみ」改良点を褒めてくれたりする。
 森さんは張り切って、その都度いちから説明し、盲人たちに掴まり歩きの体験をさせてあげる。
 一緒に歩きながら、蹴飛ばしても轢かれて大丈夫と、身を挺して実演する。

 なにしろ、そこらにいる展示業者の「商品」ではなくて、自分ひとりでコツコツと作りあげてきた「作品」である。だから、その開発苦労話までしてしまう。素人は聞いても分らないメカニズムも一生懸命に説明するのだ。
 とうぜんのことながら、はっと気がつくと疲れ果てている。
 そこにわたしが説明係ピンチヒッターで登場するのである。こちらは適当にやる。

 森さんがここにきている目的は、このロボットを最良のものにしたいことにつきる。
 そのためには実際の利用者の声を聞いて改良すること、そして商品化をする業者が現れるかもしれないことを期待しているのである。異色の出展業者である。

 それにしても、よくやるものである。安くない出展料金を支払い、安くないロボット運送費と自分の交通費をかけて、その見返りは開発に役立つ盲人たちの声だけである。
 それを糧にして、今日もまた改良へと熱中しているに違いない、あの山梨大学ベンチャーのガラクタだらけ(に、わたしには見える)部屋で、奥方の持たせてくれる弁当を食いながら。

 こういう人を純粋ボランティアと言おう。
 このさき、どこまで改良が進み、どんな「ウルトラひとみ」や「スーパーひとみ」が出てくるのか、楽しみである。互いに長生きをせねばならぬ、わがジジ車とするためにも。

●歩行ガイドロボット「newひとみ」
http://sites.google.com/site/robotictravelaid/home?pli=1
●newひとみパンフレット
http://sites.google.com/site/robotictravelaid/home/new%E3%81%B2%E3%81%A8%E3%81%BF%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%95110609D%EF%BC%ADD.pdf?attredirects=0&d=1

●ロボット車いす「ひとみ」(2009.02)
http://datey.blogspot.com/2009/02/blog-post_09.html

●今もしも失明したら(2008.8)
http://datey.blogspot.com/2008/08/blog-post.html

2011/06/08

431●原発と貧しさ

 青森県知事選挙で、県民の民意は原発容認と出された。
 国政レベルでも原発廃止にはなりそうにない。
 原発がこれほどの問題になっている現実の中でも、明確な原発廃止の方向にはならない。
 ところが、ドイツで日本の原発事故を正面から受け止めて、原発廃止の政策に転換した。
 日本とは大違いである。どうしてこうも違うのだろうか。

 もしも事故があると、地域住民は命に関わるほどの迷惑施設であることが、福島第一原発で証明された。
 これまでも東海村やチェルノブイリで、十分に証明された事件があったのに、どういうわけか忘れてしまう。
 いや、忘れてはいないが、日本の貧しさが当面のお金に目をくらませて、忘れることにしているのだろう。

 原発のある地域の人たちが原発容認する考えなどが、最近の新聞などに載っている。
 それを読むと、どうも基本は地域の貧しさにあるとしか思えない。
 原発容認の意見は簡単に言えば、まずは、原発がなくなると原発関連の雇用が失われるから家計が困る。
 そして、原発がなくなると電源立地交付金がなくなるから地方財政が困る。
 この2つである。どちらも金である。

 かつては貧しい地域の人たちは、都会へ出稼ぎという形で3K仕事についていた。
 原発は、本当は電力需要の大きな都会にあるほうが効率的である。だが、迷惑施設で都会では嫌われるし、住民が多いから反対運動が大きくなりやすい。
 そこであまり住民がいなくて貧しい地域に、3K仕事と持参金をもってくるからとて押し付けるのである。逆出稼ぎである。
 あの日本の貧しかった時代の出稼ぎ構造は、実はいまだに変わっていなかったのだった。それが原発事故で分った。

 住民が少ないからまあいいや、と思っていたら、事故がおきたら超広域に被災の影響が及んだ。
 実は地元住民が大勢いたことに、住民さえも愕然とするばかりである。
 で、愕然としつつも、民意は原発廃止が大勢にならない。
 やっぱり明日の命より今日の金に目がくらむ、貧しい日本なのである。

 次はどういうことが起こるだろうか。
 いまや出稼ぎ構造はグローバル時代になり、途上国から出稼ぎがやってくる。
 そのうちに、3K仕事と迷惑施設を持参金つきで、貧しい国に持って行って引き受けさせる時代が来るだろう。
 となれば、原発輸出である。
 電気は海を渡ってやってこないが、電気で作った製品は海でも空でも渡る。
 そして事故があると、放射性物質も海と空を渡ってやってくる。
 
 わたしの世代は、1944年から45年にかけて、空爆を避けて都会から田舎に学童疎開をした。
 わたしの次の世代その次の世代は、いったいどこに疎開すればよいのだろうか。

2011/06/06

430●IT語裏辞典2011改訂版

IT【愛茶】:①ずるがしこい技術、②アヤシイ色気のあること(これが分かる人は教養がある?)
アイコン【藍紺】:①似ていて混同しやすいこと、②視線を交わすことの略語、③【愛混】フリーセックス
アクセス:あくせくしつつ到達してもバカなことしか書いてないよなあ
アダルトサイト:①大人場所、②始めた頃は幼児の言うようなことばかり書いていたのが、次第に大人びたことを書くように成長してきたホームページのこと
圧縮ソフト:やわらかく圧縮すること
アナログ【穴魯愚】:いまだに昔のTV受像機で見ている人を「あな魯愚なるかな」とあざける。反対語「出痔樽」
一太郎:一太郎や~い(なんで可笑しいか分かるかな)
インストール:受胎させること
インターネット:①内部網、②どうでもいいことを電子網で伝え合うこと、③インターチェンジあたりで網を張ってスピード違反を捕まえること
ウェブサイト:サーフィン場、波止場
SMS:①いじめたりいじめられたりが好きな人たちのメールシステム、②「短信」って日本語があるのにってにIT屋が知らないもんだから翻訳できなかったらしい
SNS:①社会網会、②face baaka
お気に入り:なんでここだけくだけた言い方になるんだよ、ならば「検索」は「お探しもの」、「挿入」は「はめこみ」、「移動」は「お引っ越し」とかにしろよ
オンライン:綱渡り
キーボード:食いカスやコーヒーやジュースなどを裏表にこびりつかせる鍵盤
ギガバイト:アルバイトで10億円稼ぐこと
グーグルストリート:居ながらお散歩覗き
グーグルアース:居ながら空中覗き
クラウド:①雲行き怪しいIT業界のこと、②たくさん食うこと
クリック:クリを指でいじくること →例:右クリック=右手指でいじくること
ケータイ:懐中式電子情報交換無線装置
コピーペースト:論文制作方法 (略語:コピペ)
更新:単に追加記事を載せるだけで更新しないこと(なんで可笑しいか分かるかな、言葉を知らないIT屋が間違って翻訳したのだ)
購読:無料メールマガジン配信を受けること(なんで可笑しいか分かるかな、言葉を知らないIT屋が間違って翻訳したのだ)
サーバー【魚~青↑】(鯖を引き伸ばしたイントネーションのつもり。IT語は東北弁イントネーションで発音するものらしい)コンピュータに間違い言葉をサービスする機械のこと
サイト【斉藤↑】(尻あがりに東北弁風に発音)電網のなかのどこかの場所のことらしいが、斉藤さんが発明したのでその名を取って発音する。
シェアウェア:数人で共用して使う衣類 →類語:シェアルーム
サムネイル:①親指の爪。②クリックすると全然違うアダルトサイトが出てくる小写真
ソフトウェア:柔らかい衣類
チデジ【血出痔↑】:出痔樽放送でにTV受像機を買い換させられて家計に赤字が出ること。
ツイッター:①長文を書く能力のない人のための電子メール術、②突っついたあ
データ【出~たっ↑】(尻あがりに東北弁風に発音):PCの中でどこに行ったか分からないデータがタマタマ見つかると「出た~っ」と喜ぶ
ディスク【でぃ掬う↑】(尻あがりに東北弁風に発音)要するに円盤のことだろ
デジタル【出痔樽】:「血出痔」を見よ。反対語「穴魯愚」
投稿:自分が主宰するブログに自分が書き込むこと(なんで可笑しいか分かるかな、言葉を知らないIT屋が間違って翻訳したのだ)
トラックバック:貨物自動車が後退すること
・ドラッグ&ドロップ:薬と飴玉
2チャンネル:うちのアナログTV受像機ではここにBS2を設定してある
ネット【熱湯↑】(尻あがりに東北弁風に発音)網のこと。この網をつかってどうでもいいことを伝え合うのがインターネット
ネットワーク:網にひっかって逃げられない仕事
・ハードウェア:硬い着物のこと
パスワード:「合言葉」って日本語があるのにIT屋が知らないもんだから翻訳できなかったらしい →例:「山」「川」
・パソコン通信:懐かしいなあ、その前はワープロ通信といったなあ
・フェイスブック:①顔の本、②国際手配顔写真一覧サイト、③やってみればわかるがシステムがあまりに変なのでface baakaともいう
・ブックマーク:本印
・フリーソフトウェア:柔らかな衣類を脱ぐこと
・ブリーフケース:下着パンツ入れ
・ブロードバンド:くだらぬものでもどんどん結んでしまう幅の広い帯
・ブログ【風呂愚↑ blog】:風呂の中の屁のごとく愚にもつかぬことをだらだら垂れること
・プロバイダ:職業売女
・ヘルプ:読んでもさっぱり分からず助からないのでOh Help!
・ホームページ:自分のこれを開設して初めてホームレスではなくなる
・マイクロソフト:①ミニソフトクリーム ②小さくて柔らかなアレのこと
・マッキントッシュ:マックとトッシュが設立したリンゴを売る会社
・マナーモード:①エケチットモード(なぜ可笑しいか分かるかな) ②サイレントの日本語はマナーなのか?
・マニュアル:①意味不明の文章 ②日本語を知らない奴が書いた日本語に似たような言葉の本
・マルチメディア:口、目、表情、手振り、身振りなど何でも使って話し合うこと
・メール【眼選る↑】(尻あがりに東北弁風に発音)猫も杓子も文章書きになって、ちょっとは本も読むようになるかと思ったけど、書いてる内容がアホだからそうはならなかった
・メガバイト:アルバイトで100万円稼ぐこと
・USB:B級アメリカ
・ユビキタス【指切ったス、湯引き足すUbiquitous】:①指を切ること ②指でいじくっていてモヤモヤ来すこと
・リンク:①コンピューター業界専用のスケート場、②クリックするととんでもないところに飛ぶこと
・ログイン:「山」と言われて「川」と答えると中に入れさせてくれる
・ワード【和~銅↑】:余計なおせっかい焼き

●参照あやしいハハイテク

2011/06/04

429風評被害

 だって、オザワ一派が造反して賛成投票するって、マスコミが言ってたから内閣不信任案を出したのに~、それなのになあ、バッカみたい
      --この風評被害者は、タニガキさん
   ◆
 だって、辞意を表明したってマスコミが言ってるじゃん~、あたしもそう思ったのに、ちがうの?、バッカみたい
      ーーこの風評被害者は、ハトヤマさん
   ◆
 えッ、政治改革って君が代不起立罰則条例のことなの?、維新ってのは保守反動ってことだったのか~、マスコミの持ち上げるのって、アテにならんなあ~
      ーーこの風評被害者は、大阪府民
   ◆
 だって、どんなことあっても壊れないって言ってたから、原発訪問してみたのに~、それなのに壊れてしまって、お前が大きすぎるって言われてもねえ、バッカみたい
        ーーこの風評被害者は、ジシンさんとツナミさん
   ◆
 マスコミと野党とハトヤマさんは、わたしが辞めると言ったという、風評掻きたて作戦をやっていますが、バッカみたい
      ーーこの風評被害者は、ダレでしょう?

2011/06/03

428年替わり首相手続き開始

 菅さんが民主党の両院議員総会で演説、
「震災復興に一定の目途がついたら、若い世代に責任を任せたい」

 これが新聞記事やTV放送になると、
「首相が辞任を表明」
 ジャーナリズムは、政治家の演説ってのは、こう読むものかい?

 普通の政治素人の一庶民のわたしが読むと、
「一定の目途がつくまで責任をまっとうして務めます。その後は、鳩山とか小澤とか仙石とかじゃない若い世代が政治を担ってほしい」
 こうしか読めません。まあ、常識的な話でしょう。

 それが、「今月中に辞める」と言った、となるのは何故なの?
 そんなにすぐ「一定の目途が立つ」ような小さな災害じゃないでしょうに。
 そんなことができるなら天災ですよ、じゃなくて天才ですね、そんな人がこの世にいるとは思えない。

 なんだか釈然としないでいたら、やはり同じことを思ったお方がいらっしゃいます。
http://miyatak.iza.ne.jp/blog/entry/2307940/

 なんでこんなときに、こんなどたばたやるのだと考えていて、アッと気がついた。
 昨日の内閣不信任案否決事件のドサクサは、日本国会恒例の「年替わり首相」の手続きなんですね。
 そうだ、そうに違いない、でなきゃ理解できない。もっとも、「年替わり首相」ってのも理解できないけどね。
  地震があろうが津波が来ようが放射線が降ろうが2万人も死のうが、歌舞伎狂言「年中行事首相交替劇」(としごとにかわるひのもとのおやだま)の上演を自粛してはいけません、律儀なる日本人!

 どうでもよいことだけど、仲良しの鳩山・小澤お二人をを合体させると鳩山一郎、アレ、なんだか聞いたことがあるなあ。
 鳩山さんて、グランパコンプレックスかも。

2011/05/31

427不吉な11

 9・11、8・11、3・11 
 この数字の羅列は何のことか分りますか?
 そう、9・11は2001年USAでニューヨークほか同時多発テロ、
 そして8.11は2009年静岡沖地震
 つづく3・11は、ご存知2011年の東日本大震災。
 
 では、7・11は???
 
 答えは、某コンビニエンスストアの名前。

2011/05/30

426政治災害の国

日本は自然災害の国だけど、ネパールは政治災害なんですよ
 つい先月の3日、カトマンヅで会ったある市民から聞いた言葉である。わたしはちょっと震災を逃れて(?!)、ネパールに疎開観光していたのだ。
 今朝の新聞の国際面に小さな記事がある(朝日新聞東京版8面)。要約する。
「ネパールで王政廃止後の新憲法制定を今年5月末と決めて目指してきた制憲議会は、2ヶ月延期を決めた。野党の賛同を得るために2月に就任したばかりのカナル首相は、近く辞任をすると表明した」
   ◆
 ネパールでは2006年にマオイストによる10年間の内戦が終結して、2008年の総選挙で制憲議会が発足した。
 240年続いた王家を追放し、国名も王国からネパール共和国になった。
 共和制憲法を2010年5月までにつくるとした。
 だが、延々とあれこれやってきたが1年延長、それでも決らないというのだ。
 ちっとも決ることも決らず、権力争いばかり続いて、首相が8ヶ月も不在になったり、せっかく決ったらまた辞任だし、政治腐敗もはびこり、憲法をつくれない、内政も進まない。
「政治災害の国なんですよ」と、国民からも疎まれるありさま。
 これで内戦から抜け出す和平プロセスはまた停滞である。
 また内戦になるのじゃないだろうなあ。
   ◆
 あれ、これは、なんだか身近にもありそうな。
 くるくると首相が替わり、内戦のような原発大災害があっても、権力闘争ばかりが見え見え。
 まあ、国難とか、挙国一致とか、国家総動員とか、そういうのもキナ臭くてやりきれないけどねえ。
 どうすりゃいいのでしょうかねえ、なにとぞ自然災害プラス政治災害の二重苦になりませんように

●ネパール事情は毎日JPに詳しい。
http://mainichi.jp/select/world/news/20110530ddm007030083000c.html

●参照→ネパール400kmバスの旅
http://sites.google.com/site/matimorig2x/nepal2011

2011/05/28

425田植えと原発

 今年も田植えに行ってきた。中越山村の法末集落の棚田での米つくりは、これで6年目である。
 福島原発の放射線が降る地域では、田植えができないという。思い出せば、こちらでも2007年の中越沖地震で柏崎原発に事故があった。そのときに法末には来ていたのだが、原発事故については他所事と思っていた。法末集落と柏崎原発とは20キロ離れているからだ。
 だが今回の福島の事故で、あのときも場合によっては20キロ離れていたとて、田植えなんてできないことになっていたのだと知った。
 どうも、なにか身に沁みる大事故が起きないと、自分のこととして自覚しないものだと、つくづく思った。
    ◆
 日本では何か世の中が変わるのは、外圧と人柱によるしかないのだと、これまでの長い人生経験でずっと前から思っていた。
 今回は太平洋からやって来た地震と津波という外圧、そして2万人を超える人柱という外圧と人柱の両方にぶちあたったから、日本も大きく変わるに違いないと思うのだが、どうだろうか。
 原発事故によって放射線が降り注ぐのも、自然という人間の制御できない外の世界からのゆり戻しだとしたら、これも外圧かもしれない。
 願わくばその福島原発で人柱が建ちませんように。
 というわけで、原発廃止の方向に世論が大きく傾くと思ったら、新聞の世論調査ではそれほどでもないのが、どうも不思議である。
 遠くのドイツでは廃止の方向にグルッとまわって政策転換したのに、火元の日本ではそうならないのは、どういうわけなのだろうか。
    ◆
 話は戻って田植えのことである。5月の半ば2日間で、天候に恵まれて3段の棚田の手作業による田植えができた。6回目となるとさすがに上手になって能率が上がる。
 もちろんその前に、代掻きやら肥料や除草剤散布などの準備が、田の持ち主がやってくださっているからだ。
 田植えの前の日に、六角なる道具を田に転がして、苗を植える位置の印をつけておく。いい加減な位置に適当に植えても稲は育つのだが、不ぞろいだと刈るときにバインダーという半手動手刈り機の能率が上がらないのだ。
 いまや機械で植えて機械で刈り取るのがあたりまえなのに、わざわざ手で田植えするし、手で刈り取るのだのだ。6年もやっていると、これは趣味としか言いようがない。
 ここに来ると自分たちが作った米を食うのだが、自宅には法末の営農組合から毎月10キログラムを送ってもらう。精米1キロが600円の棚田米は美味い、特に冷めても美味いので、知人たちにも勧めている。
    ◆
 田植えの頃は山菜の季節でもある。わたし達の拠点の家の庭でもウドやフキノトウが生えてくる。フキノトウはもう遅い。
 ちょっと歩けば、山ウドはもちろん、ミツバアケビの新芽、サンショウの葉、ヒメタケノコ、タラの芽、ワラビ、ゼンマイが、棚田の法面、耕作放棄田、林の中で待っている。
 毎日の自炊料理が、山菜の天ぷらやら和え物である。1週間つづけたら、さすがに嫌になってきた。
 山ウドが売るほど採れるので、秋にでも食べることにして、塩漬けにした。葉を落として茎だけを適当の長さに切って、樽に塩と交互にいれ入れつつ重ね、落し蓋をして錘を載せる。
 2日目に水が上がってきたので捨て、茎をビニル袋にまた塩と共に入れて樽にいれ、また重石をしておいた。食べるときは塩抜きをする。
 この豪雪でなだれで崩れた崖面もある。山菜取りは、見つけると採らずにいられなくなって夢中になり、崖から落ちることもあるそうだが、わたしもその資格は十分にあると気をつけたのであった。
自然環境に還る人文空間

追記
 田植えから20日、苗は順調に育っていると、M田さんからの現地情報。

2011/05/26

424自然環境に還る人文空間

(最近、グーグルのブログがよく故障する。しばらくログインができなくなっていたので、新規記事掲載不可能だった。今朝はようやく直したらしい)
 むかし災害とは「地震雷火事泥棒」(泥棒をオヤジとするのは俗語)といったものだが、今では地震津波火事原発の順序でやって来たのが東日本大震災であった。
 地震、雷、津波それらに伴う倒壊や火災は自然災害となるのだろう。
 考えてみると、災害とは、地震、雷、津波が起きたときに、その影響範囲になんららかの人間の営為があった時に起きることである。
 誰も住んでないし農林漁業もやっていない山中とか海中とかで大地震が起きても津波が起きても雷が落ちて火事になっても、それを災害とは言わない。
   ◆
 自然のほうは人間がいようといまいと関係なく、ゆれたり崩れたりするだけである。
 だが人間たちは、津波が起きたら被災するだろうと分っている地域で営為を行なうし、地震が来たら崩れるだろうと分っている崖地や埋立地にも住む。
 大揺れしたら壊れそうなビルでも住んだり仕事をしていたりするし、もしも津波で壊れたら放射線が発生すると分っていても原発を作る。
 さて、どこまで自然災害で、どこから人文災害なのだろうか。この境目はあるのだろうか。
●全文は→自然環境に還る人文空間
http://sites.google.com/site/dandysworldg/nature-culture

2011/05/18

423老人は福島原発汚染地域へ

 仄聞するところでは、福島の壊れ原発から出てくる放射能の人体への影響の威力は、若い人ほど深刻になり、比較すると老人は深刻度は低いとか。
 放射線被曝によっておきる人体への影響の発現は、10年以上とか後になるらしい。
 それが本当だとしたら、ということは、つまり、私のような老人はその頃はあの世だから、どんなに影響が出ようと何の関係もないのだ。
 そこで思いついた。この思いつきは「福島第1原発を世界遺産に登録しように続く、私の第2号提案である。

 私のような古希過ぎで元気な老人は、まずは福島原発汚染地域にボランティアに出かけよう。
 放射線被曝で未来が暗くなる若者たちにとって代わるのだ。
 日頃あちこちで出しゃばって嫌われている、ありあまる時間と知恵(わたしはあまりないけど)とお金(わたしはないけど)のある老人たちは、それらのつかいどころは、まさにここにある(ように思う)。
 と、思いついたのだが、腕力・体力はないから、せめて原発汚染地域に住んで、地域の産物であるコメ、野菜、魚などを買って喰い、ガラ空きのゴルフ場(あるかどうかしらないが)やレジャー施設で遊ぶのだ。
 そうやって大勢の老人たちが、地域に金を落とせば、ゴーストタウンは復旧して生き返る(はずである)。
 で、そうやって老人たちは余生をここに住みついてしまうのだ。

 そのためには国の政策として、全国から、いや外国からも募集して、福島原発汚染地域に住みたい老人の移転促進事業をやるのだ。
 例えば年金割り増し支給、東電が補償金を支払って買い取る土地建物の超廉価貸付、医療の無料化などで、老人居住地域モデル事業とするのだ。
 評判が悪かった老人の海外輸出といわれた事業やら、老人専用の村を作る事業のようなものだが、このたびは老人しか住むことができない地域が出現してしまったという非常に特殊なことだから仕方がない。

 いってみれば国営の老人居住地域にして、地域再生を図るのだ。
 本当に正常に住むことができる地域に戻るには、何十年後か何世代後か知らないが、それまで地域を生活の場として保っておくには、そこに住む人たちが要る。そのリレー事業を老人たちが担うのだ。
 ランニング投資は必要だが、新たなイニシャルのインフラ投資は必要ないから安いものだ。
 もちろんこれはかなり特殊な事業で、これからもこんなことがあっては困るのだが、少なくとも東日本震災地域で手をこまねいてるしかない今の政策のなかで、唯一の可能になりそうなことと思うのだ。
 なんだかブラックユーモアにとられそうだが、4割くらいはそうとも思っているが、6割くらいは古希過ぎ老人の私の本音である。

 わたしは前に「福島第1原発を世界遺産に登録しよう」と提案している(これは100%本音)が、その登録がうまくいき、放射線汚染もある程度おさまったら、世界遺産観光ツアー客がやってくるだろうから、その観光ガイドが老人たちの新たな仕事になるのだ。
 さて、こんな考えはどんなもんでしょうか。
 もちろん、そういう政策が出たら、わたしは率先して行きます。