2014/08/09

979【言葉の酔時期】ヘンな言葉イチャモン総まくり=このブログ開始以前に書いていた言葉のイチャモン

*ここに載せた「言葉の酔時記」は、このブログを始める前に「まちもり通信」サイトに書いていたもので、プロバイダ変更準備のためにこちらに移し替えた。


言葉の酔時記(その11)2008年4月16日


●アパートとマンション
 どことかの殺人容疑者の住んでいるのが「4階建てのアパート」と、新聞に書いてある。
 え、アパートってのは、せいぜい2階建てまでの賃貸借型集合住宅だろうと思っていたのに、4階となると違うなあ。
 記事を書いた記者の解釈はどうなんだろうか?
 早速、「貧者の百科事典」(インターネットWEBサイトこと)であちこち開いて調べて、分かった。
 というよりも、分からないってことが分かった。
 まず建築構造の違いで、木造と軽量鉄骨の2階建てまではアパート(わたしのこれまでの印象)、重量鉄骨や鉄筋コンクリートあるいは鉄骨鉄筋コンクリートで3階以上となるとマンションである(らしい)。
 次が、境目は分からないが、高級ならマンションで低級ならアパートである(らしい)。

 問題は賃貸借居住か自己所有居住かのちがいであるが、どうもこれがわからない。わたしは漠然とながら、マンションというと区分所有型高層集合住宅を言うらしいと思っていたのだが、賃貸マンションという用語もある。となるとわたしは賃借マンション住まいとなるわけだ。
 ウィークリーマンションとかマンスリーマンションもあって、これは短期間賃貸型集合住宅であり、要するに長期滞在型ホテルである。
 また高層賃貸借型集合住宅でも、「アパートメント」といっているものもある。アパートよりも高級なものの様子が伺えるのだ。
 そういえばそうだった、かの同潤会の集合住宅はアパートメントと言ってかなり高級だったし、その後の野々宮アパート、代官山アパート、三田アパートなど、どれも高級だったよなあ。
 いつからアパートが低級集合住宅用語になったのだろうか。


 そうだ、そのうちに高層低級集合住宅のことをマンションという日が来るにちがいない、いや、もう来ているか。
 たしかに、米欧マンション(庭園のある豪邸)と比べて、日本マンションの低級なることよ。

 ようするに不動産屋が場当たりにテキトーに名づけているに過ぎないのだった。
 冒頭の話の4階建てアパートは、もしかしたら高級賃貸借型マンションのアパートメントなのか、それともその逆で低級なのでアパートと言ったのか、どっちなんだろう。
  参考→・賃貸借各都市の時代へ  ・姉歯大震災の喚起するもの


言葉の酔時記(その10) 2008年3月21日

●ご利用
 どこの生鮮品の店や売り場に行っても、「ゴリヨー、ゴリヨー、サ、ゴリヨください!」と、生の声や録音らしいスピーカーの声がやかましい。
 どうやら「ご利用ください」といっているらしいが、状況から判断して「買ってください」の意味のようだ。
 たとえば「肉が安いよ~ゴリヨーゴリヨー!」というのだが、わたしたちはものを
「買う」ことを「利用」とは言わない。店を利用するとはいうが、肉を利用するとはいわない。その肉を使って料理をする場合は利用すると言う。
 あ、そうか、この肉を勝手に持って行って料理してもいいよ、って言っているのか、嬉しい。


●元社長
 大昔のロスアンジェルスでの犯罪被疑者が、今頃になってアメリカで逮捕されてマスコミが騒いでいる。その被疑者を「○○元社長」とある。わたしは事件に興味はないが、その呼び方が気になる。
 新聞の解説によると、日本で同事件で無罪となっているので、「○○容疑者」と書かない内規とかがあってこうなったそうだ。では、それまでずーっと無職だったら、なんと書くのだろうか。
 あ、そうだ、誰にも使える肩書きを思いついたぞ、「○○
元小学生」。


●邦楽
 レコードというか音楽ディスクの店に行くと、棚に並ぶ商品の分類に「邦楽」「洋楽」とある。
 邦楽の棚が結構多いので、おお、清元や浄瑠璃あるいは能楽がこんなにも売れるものなのかと見れば、そんなものはなくて和製ポップスばかり。
 おや、いつの間に「邦楽」がこんなものに変わったのだ。NHKのラジオ放送に「
邦楽百番」とか「邦楽の時間」とかあるが、ここで和製ポップスを聴けるってことはない。
「邦楽」を聴いたこともないやつが勝手に決めたのか。それにしてもレコード屋ってのは結構古い商売だろうから、邦楽の何たるか知っていたはずだよなあ。
 それじゃあ日本の外のアジアの音楽はどういうのだろう、「
亜楽」じゃあ、亜流音楽みたいだよなあ。あ、そうか、楽には東も含むのか。


●遺産
 ちかごろ世界遺産登録が、なんだか流行みたいにあちこちで言われる。この「遺産」がわからない。3代目が食いつぶすとか、見捨てられた古物とか、なんだか積極的よりも受動的な感じがある。
 英語の文をちょっとだけのぞいてみたら、heritageとpropertyの両方の言葉が使われているようだ。どう違うのか、そこまで読みこなせない。「
世界資産」と翻訳すればよかったのに。



●激しく渋滞
 交通情報の放送を聴いていると、高速道路で「激しく渋滞しています」という。渋滞とは停止している状態だろうから、激しく停まるとはどういう意味だろうか。
 沢山の自動車が急ブレーキをかけて「激しく」停まるので渋滞するのか。「
著しく」の言い間違いだろう。


●言葉の酔時記(その9)2008年2月13日


 2008年2月、パック旅行で北海道に冬の定番イベント見物に行ってきた。

 空港からの借り切りバスに乗ってきた現地女性ガイドが、態度からはベテランに見えたが、長い北海道のバス旅行の間中、のべつ幕なしにどうでもいいことをしゃべり続けてうるさい上に、へんな日本語に閉口した。
 今回はたった一人の発した言葉をあげつらうという、あまり感心しない酔時記である。それでも書くのは、その人が言葉をもってその仕事とするプロの観光ガイドでありながら、同じへんな言葉を、堂々と自信を持った態度で、しかも4日間にわたって何度も繰り返して、発したからである。


●拝見
『お客様には、ペンギンのお散歩を拝見していただきました』『バスの窓から流氷を拝見させていただくことができます』
 そうか、北海道では観光客はなんでもありがたく見せていただくものであったか。


●あらせられる
『お客様、昨夜のお宿では、いかがであらせられましたか』
 平安時代の古語を使われてもなあ、いっそのこと『いかがあらせられ給ひしや』っていったらどうだ。


●かわす
『道が左にカーブしておりますので、バスはカーブをかわしてまいります』
 っていうのだけど、かわすことなくカーブしていくのであった。


●鉾先
『ではこれよりバスの鉾先を札幌に向けさせていただきたいと思います』
 もしかして「方向先」といってるのだろうかとも思ったが、それでもおかしい。


●時間帯
『ではこの後のバスの出発の時間帯は4時30分にさせていただきたいと思います』
 おいおい、幅がないのになんで時間なのだ、それを言うなら時刻だろ。


●させていただきたいとこのように思うのでございます
 「させていただく」と「思う」の乱用で、語尾をいつもこのようにダラダラと延ばしてしまうから、肝心のことがなにであったか、聞いていたこちらが忘れてしまうのである。

 集合時刻のような指示事項も「思う」で終わるのだが、君がそう思うのは勝手だけど、どうしろと言っているのかはっきりさせていただきたいと思ったのでございました。



言葉の酔時記(その8) 2008年1月8日伊達美徳


●出痔亀
「デジカメ」って、「出歯亀」と一字違いで、気持ちがわるい。え、デバカメってなんですかって? そうか、知らないのかあ、、。


●血出痔
またなんとキタナイ、「地デジ」なる放送用語?をPCの日本語ワードプロセッサー(いわゆるワープロ)で書くと、こう出る、、、もちろん嘘だけど、こう出てもおかしくない。なにしろ語感が悪すぎる。

●エキセル
出痔樽業界は、ワープロ以来へんな略語やらカタカナ語を平気でいうもんである。「デジタル」だって、元の発音に近く言うなら「ディジタル」だろう。CDなどはディスクと言ってデスクといわないし、TEXTは「テキスト」と読むのにEXELはなぜ「エキセル」でないのか。

●デジ馬鹿
日常会話で使いっこないのに、PCでは平気で登場する言葉を、i.e画面を見つつまた思いつくままに並べ、この際、私が翻訳してやることにする。
インターネット=電網、ツール=道具、フレーム=区切り、ウィンドウ=画面または窓、
ヘルプ=助言、インポート=取り入れ、ビューバー=見当欄、コンポーネント=部品、
プロパティ=わかーらん、トラックバック=大型荷物車後退、ブリーフケース=下着入れ、
ブックマーク=本印、サムネイル=親指の爪、ウェブサイト=波止場、、
、だめだこりゃ、そもそも元の意味をを知らないのだから、、。

●円貯め
 エンタメって、そりゃまあ「円貯め」ると楽しいんだろうが、、。



言葉の酔時記(その7)2007年5月 伊達美徳

●ワーキング・プア
 これまで長い間「ワーキング・プア」をやってきたが、両方兼務はもう疲れたので、ワーキングを辞めて、プアだけに専念することにした。これを引退という。


●美しい
 うっかり「美しいナントカ」って云おうものなら、時の権力者にへつらうみたいで、もうこの言葉を使えない。政治家に『美しい』って言葉をのっとられた。


●談合 古くは「ダンコウ」と発音して、話し合いという普通の意味だったのに、建設業者か新聞記者かにのっとられた。
 建設業界では談合を「ネゴシエイション」(英語で本当にこういうのかどうか知らない)、簡単に「ネゴ」といっていたような。これを「値交渉」(ネゴウショウ)と名訳する。


●アパート
 戦前にできた「アパートメントハウス」は高級共同住宅だったが、戦後は低級2階建共同住宅にのっとられてしまった。
 大阪あたりでは「アート」ともいう。不動産広告では「アパ6・4.5・台・水洗」とか書いてたなあ、そういえばアパって安物マンション屋もいたような、。


●実家
 最近の中年から下の人たちは、男も女も既婚者も未婚者も、親の家を「実家」と言うようである。20年も前には、嫁(婿)が実の親元の家を云うときだけに使ったものだ。


●ご集金
 ピンポ~ン「朝日新聞です、新聞代の集金にまいりましたあ、」へ~、集金にわざわざおいでいただき、ありがたいことで、、。


●マナーモード
 意味が分からなかった。やっぱりあちらは「サイレントモード」というらしい。英語知らずの私にも英語のほうがよほど分かりやすい。ふた昔前なら、「エチケットモード」といっただろうなあ。


●ホワイトプラン
 8年使った2台目の携帯電話機(携帯がケータイにのっとられた)を買い換えた。月980円という超低料金に魅かれたのだが、この料金制度を電話屋は「ホワイトプラン」という。貧乏人のためのホワイトナイト(白馬の騎士)のつもりだろうか。大きなお世話なネイミングだぞ。


●電話機0円
 携帯電話機を買い換えた。機械0円、月980円に魅かれた。その機械0円には複雑な手続きいるのだ。なんだかよく分からないのだが、どうもリース屋と契約させて、そのリース代相当分を通話料金から月々値引きする仕掛けらしい。
 2年間は電話機を変更するな、他の電話屋に移るなというのだが、それは契約期間中だかららしい。機械は実は店頭に書いてあるように0円ではなく、早く言えばわが借金契約らしいのだ。窓口のニイちゃんにそのあたりの事情を聞いても説明できない。おい、契約ごとでそんなんで大丈夫か、ヤフー孫さんよ正義さんよ、なんだかあぶない商売だぞ。


Soft Baka
 で、この電話機はインタネットにどうしてもつながらない。機械0円月980円安物とはそういうものなのか、それとも私の設定に問題あるのか、、。しょうがないからマニュアルを端から端まで見てもよくわからないのは、いつもの通りである。
 こんなものは分からないものとこれまでの経験でわかっているのに、また読もうとする自分がばかばかしい。
 何とかメールがつながるようになったのは、手に入れて三日目である。その電話屋Soft Bankが決めてきたメイルアドレスが、乱数表から取ってきたらしく、でたらめな英数字が10数字も並んでいて気持ちが悪い。
 で、これを変更しようといじっていると、もうすぐできるというところまで行くと、何やら(ローマ字3字で意味不明)をしてないからできないと言ってくるのだ。ところがその画面から、なにやらをどうする画面にはどうやっても行けない。
 その馬鹿文字列のままでやるかとあきらめて、弟にメイルアドレス通知を出したら笑われてしまった。癪だからまた変更に挑戦すれども相変わらぬありさまで、遂にあきらめて買った店に行って女店員に変更させた。
 何でも自分でできると思っていたのに残念であるが、これは明らかに電話屋のSoft Bakaのせいである。変更手続きの教え方が悪い、なっとらん!。余計な手間を取らせた時間の補償をしてくれ。


●Yahooのahoo
 大学同期の友人たちでメーリングリストを始めた。Yahoo Groupというシステムで、メイル交信の登録は管理者となった友人がやってくれた。これに加えて各人がYahooID登録すると、いろいろサービスがあるという。
 そこでそれぞれこの登録手続きをページ上でやるのだが、その案内がどこをどうせいと言っているのやら分からない。年寄りとはいってもそれなりに理工学部を出た誰も彼もが悪戦苦闘。
 いくら利口学部出ではないにしても、これはシステム案内設計の悪い「Yahooのahoo」のせいだと、さっそく腹立ちメイルが行き交う。どこがおかしいか言うこともできない悪案内に、もうどうでもいいやと適当にあちこちいじっていると、いつの間にやら登録できた。どうしてできたのか、いまだにわからない。そんなのが何人もいるし、2ヶ月たってもできないヤツもいる。たしか、YahooってのもSoft Bakaがやっていたような、おお、ahoo+Bakaには勝てっこない


言葉の酔時記(その6)

させていただく
 以前にこの言葉の変なことについて書いたことがある。今日2006年9月7日の朝日新聞東京版夕刊2面に、
 「続・させていただく」というコラムがある。8月20日にも筆者はわたしと同じくこの言葉のおかしさを指摘していたが、
 大勢から反応があったのでその続きであるという。「言っている人はかしこまり、へりくだっているつもりかもしれないが、卑屈さと高慢さがにじみ出ている。そう感じる人は少なくない。また責任逃れや保身をはかる処世術のにおいをかぎとる人もいた。
 本来は自分の行為を(相手に:引用者伊達の補足))許可してもらい、そのことで恩恵を受ける際に使う「謙譲」の表現である。そんな状況でないのに乱発すれば逆効果になる」このように読者の反応をまとめて書いている。
その朝日新聞のある日の1面に、こうある。「きょう10日(日)は新聞製作を休み、11日の朝刊は休刊とさせていただきます。ご了承ください。11日の夕刊は発行します」
 さて、これでよいのか? 購読料を払っている当方が許可するであろうという一方的推測で、休刊するぞ、了承せよ、と書かれても、気分悪いぞ。休刊はさせていだくけど、発刊はしますのは、どういうわけ? 卑屈さと高慢さ?


もう一度拍手を
 シンポジウムやら講演やらの会で、終わりの直前に司会者が言う。

 「もう一度、講師の方に盛大なる拍手をお願いします」
 これって、講師に対してずいぶん失礼な言いぐさだと思う。だって、司会者が言わないと拍手も起こらないような、くだらない話を貴方はしたのだ、ってことになるだろうよ。 最近はこれを当たり前にみたいに言う司会者ばかりだ。誰がいつこんな言い方をはじめたのだよー。少なくともわたしは、いつも腹を立てている。

ご挨拶を頂戴いたします
 会合の最初や最後に、主催者側が挨拶をする。このとき、挨拶する人を紹介するのは、上と同様のバカ司会者である。ほとんどの場合にこう言う。

 「それでは会長の○○先生のご挨拶を頂戴いたします」
 「○○会長のご挨拶をいただきました。ありがとうございました」
 おい、司会者は通常は主催側にいるのだから、おまえにとって先生であろう先輩であろうと、呼び捨てにするもんだよ。
 「それでは主催者を代表して会長の○○がご挨拶を申し上げます」「会長の○○から、ご挨拶を申し上げました。ご清聴ありがとうございました」って言うんだよっ、。
 今日も今日とて、日本建築学会全国大会が横浜市内であったが、そこの開会式でも会長のご挨拶を頂戴してお礼を言う司会者がいた。学会だから司会者も大学の教員であろう。


除く以外
 久しぶりに横浜市立大学市民総合医療センターに行った。大病院はえんえんと待たされることを忘れて、読むべき本を持っていかなかったので、整形外科の内待合室で3時間も退屈きわまる状況に。
 しょうがないから、掲示物を片端から読んだら、ヘンなのが見つかった。血液の検査結果を教える日程のことだったが、
・・・手術等の緊急を要するときを除く以外は、数日後に通知します

 はて、これは緊急な時にはすぐには教えないってことになるのだが、それでいいのかしら、大学さんよ、、。

してもらっていいですか
 店やホテルあるいは電話サービスなどで、話す相手がよくこういう。
 銀行で「ここに印鑑を押してもらっていいですか?
 電話サービスで「では貴方の電話番号を教えてもらってよろしいですか?」
 ホテルフロントで「では、お名前をおしえていただいてよろしいですか?」
 あのなあ、そういわれるとへそ曲がりのわたしは、
 「よいかよくないか、どちらなのかってお尋ねなのですね、では、よくないって答えるとどうなるのですか?」
といいたくなるのである。
 ここはYES、NOの2者択一問題の質問形式じゃなくて、普通に「お電話番号を教えてください」って言えよ、。
(2006.9.7)


ニフティさん、NTTさん
 通信回線を変えてセットアップがうまくいかなくて(こういうのがうまくいいったためしがない)、
 NTTと二フティの電話サービスに電話した。また変な日本語を聞かされるだろうなと、びくびくしていたが、予想がはずれて、、まあまあ良く教育が行き届いている。
 ひとつだけ気になったのは、NTTでは「ニフティさん」、ニフティでは「NTTさん」と、企業名に敬語をつけるのである。
 そちらは互いに取引関係にあるから、お互いにそう呼ぶのは勝手だけど、わたしの会社でもなんでもないんだから、
 第三者に対して企業名にいちいち敬語つけなくていい、いや、つけないほうがいいんですよ。
 そういえば、最近の広告印刷物の地図に、いちいち店の名にさん付けにしているヤツを見たことがある。さすがに自分の店にはつけていなかったが、アレはどういう神経なんだろうか。 


飲用後は必ずキャップをはずして
 ペットボトル飲料「午後の紅茶」(キリンビバレッジ)なるものがある。何気なく書いてある注意書きを読んでいたら、分からないことに出くわした。
 「飲用後は必ずキャップをはずしてください
 この意味が分からない。だって、飲用するためには、その前にキャップをはずさざるを得ないのに、どうして飲用後にはずせ、というのだろうか。
 これは「飲用前に、、」のミスプリントにちがいない。
 それにしても、こんなことを書かないと飲めない人もいるものだろうか。

 「ある日、キリンの会社に電話がかかってきて、買ったけど中身が出てこなくて飲めない、という文句を言う人がいた、としよう。よく聞いてみると、キャップをはずさないままに飲もうとしていた」、なんて事件があって、あわててこれを書いたのだが、間違って書いてしまった、、てなことだろうか。
 もしこれで正しいとしたら、困ることがある。買ったときに一度には飲み干せないから、キャップをして持ち歩く。ところがこれは衛生上いけないらしい。

 キャップはずしたまま、こぼれないよう持ち歩くのも面倒だよなあ、、。
 「おいしいお茶」(伊藤園)のペットボトルを買った。
 注意書きを読んでいたら、似たようなフレーズがあった。
 「ボトルを捨てる際はキャップをはずしてください
 もしかして午後の紅茶も、この意味のつもりだろうか。それならこれと同じに書けばよかろう。
 キリンは日本語をもっと十分にできる人に、飲料の注意書きを書かせるように。
 ところで、今日始めてそれを実行したが、どうして捨てるときにキャップをはずすのだろうか?(060909)

言葉の酔時記(その5)    伊達 美徳

・のっとられた言葉:携帯
 近頃、「携帯」というと「携帯電話機」のことである。
 正確に言えば「懐中式電子情報交換無線装置」である。
 ポータブルを今は携帯と訳すが、昔は「懐中」といった。いわく懐中電灯、懐中時計、懐中鏡そして懐炉。
 懐中汁粉って最中状菓子に湯を注ぐと汁粉になるヤツ、今じゃあインスタント汁粉とでもいうか、そんなのもあった。

・のっとられた言葉:公明
 近頃、「公明」というと特定の政治団体のことである。
 昔は「公明選挙を目指そう」などの標語として使ったが、政党名となるとさすがに選挙には使えないので、一時は明正選挙なんて標語も発明したが廃れた。
 公明なる一般名詞はのっとられて固有名詞になってしまったが、民主とか自由とか社会とかは未だにのっとられないのはどうしてだろうか。そういえば共産という言葉はずいぶん昔にのっとられたような、。

・のっとられた言葉:パンツ
 近頃は、ズボンのことをパンツというようになりつつあり、パンツは今はブリーフとかトランクスとか言うらしい(昔は猿股だった)。
 ブリーフというと布キレみたいな感じでどーも落ち着かない。ズボンをパンツというと下着のままで歩くようでこれまた不安である。
 ついでに、越中ふんどしを今はクラシックパンツと名づけて売っているとか。あれ、どうしてパンツなんだろう、あれで歩いていても良いのかしら?

・のっとられた言葉:楽天
 楽天的な人だねえ君は、っていわれたら、どうおもいます?
 お気楽な人ねっていわれたのか、敵対的なヤツっていわれたのか、なんだか考え込んでしまう時代が来ているようです。
 あ、あの楽天の社長さんてもしかしたら、株なんて何とかなるさー、野球業も放送業もなんとかなるさーって、実は本当にしんそこ楽天的なお人なのかも、。

・のっとられそうな言葉:認知
 認知症ってなんだか落ち着きが悪い言葉ですね、ボケを差別用語とどなたかが認知したらしく、人が周りを認知できなくなるほどにボケたと認知したら、そのひとは認知症になったと認知しようと、どこかその筋で認知したらしいのですが、認知症なる言葉を世間が認知するには、まだ時間がかかりそうで、まだ、のっとられていないように認知しています、ヤヤコシイ。

 婚外子を認知したら認知症、、じゃないよなあ。(051030)

言葉の酔時記(その4) 2005年2月 伊達美徳

●新幹線・在来線
 鉄道の乗車券を窓口に買いにゆく。
できてから40年経ってもまだ新幹線とはこれいかに、新しくできても在来線とはこれいかに、なにか変だ。
 新橋とか新宮とか固有名詞ならともかく、一般名称としてはどちらも詐称である。

●話せりゃいいじゃん
 携帯電話機で話すだけのものが発売されて、大いに売れているという。
 高齢者に人気ってところが引っかかるが、IT馬鹿どもも世の中のことに少しは気がつくようになったか。
 だから前から俺が言ってるだろ、PCだって変換能力抜群のワードプロセサーだけありゃいいんだよ。

●ブログ
 簡単に誰でも始められるインタネットサイトの簡易システムとて、ブログなるものがはやっているとか。
 でも、まずブログが分らない、WEBLOGだって分らないのだからなおさら分らぬ。
 開けてみればCommentsとかTrackBackとか、いったいなんのこっちゃ、。まだまだIT馬鹿がはびこっている。

●ユビキタス
 指切ったス、、湯引き足す、、、なんのこっちゃ。
(「湯引き」とは、魚の皮・身、鶏の笹身などを、熱湯をかけたり熱湯の中をさっと通したりして霜降りにすること。)

●ラテカトケ
 これは、わたしが35年も前に,どこかで開発してくれるといいのにと考えていた商品名。
 ラジオ、テープレコーダー、カメラ、時計、計算機が一体になった軽量小型携帯機器である。電話とテレビが無いところが時代をあらわしている。
 今、わたしが持ち歩いているのは、デジタルカメラ、携帯電話機(時計にもなる)、ICレコーダー、iPod(ハードディスク)、モバイルPC(計算機に使える)、それぞれ別の代物である。重い、面倒、かさばる。あのころのわたしの頭ほどにも世の中は進歩していない、、か。

●雪国はつらい
 どことか北国の村で「雪国はつら条例」があると教科書に載ったら、実は「雪国はつら条例」の誤りだったという話があった。
 市町村合併でその条例もなくなるそうである。合併するとつらくなくなるのか、あ、いや、はつらつでなくてよいのか。

●南セントレア市
 隣町にできた空港の名を頂戴しまえっていう、市町村合併どさくさちゃっかり名づけ作戦は、市民などから反発が出て考え直し市民投票の騒ぎらしい。
 わたしゃこの新聞報道で中部新空港の名をはじめて知ったから、まんざら無意味じゃなかった。
 合併協議会メンバーの頭に「南アルプス市」って前例がよぎったに違いない。ところが昨日2月27日、両予定市町村で住民投票の結果は、どちらも合併ご破算になったそうで、ごくろうさん。
 「四国中央市」ってのもできたなあ、そうだ「日本中央市」ってのはどうだっ、昔、兵庫県西脇市が「日本のへそ」って売ってたなあ。
 ついでに、JR東海は、英文ではCentral Japan Railwayなんですって、「JR中央」じゃん、中央線よりも東海道線がイメージがよいと思ったか。(050227)

言葉の酔時記(その3)  伊達美徳

【紅白歌合戦】

 このTV番組を10年以上も見たことないから、今の中身がどうなのかは知らないが、字面だけをよく見ると、実にどうも古めかしい言葉である。
 ゼンダー分類の『紅白』も、コンペティションの『歌合戦』も、まるで中世の言葉のようで、ここまで来ると保存に値しそうである。
といっても、めったにTV番組を見ないから、ほかでも使っているのかどうかさえ分からない。
 ついでに、このところNHK不祥事で、新聞があれこれとあげつらっている。受信料をくすねるのはよくないが、あげつらう側の新聞社が深く関係する民間TV局の放送番組のあまりのくだらなさは、どうしてくれるのだ。
 わたしのようにめったにTV番組見ないものが、たまに見ようと思うのはNHKしかないのである。だから仕方なく受信料を払っている。

【韓流】

 「冬のソナタ」とかなんとかこのところ韓国産の映像ドラマが流行らしく、中高年おば様を中心に韓国旅行もブームとか、、。本当によいことであると、つくづく思う。
 だって、ついこの間まで、いわれない差別用語を駆使していたのが、まさにこの中高年層だったのだから、。映像はおわっても「韓流」が続いてほしい。
 ところで、昔、香港映画が流行ったけど「香流」って言わなかったなあ。で、「中流」とか「台流」あるいは「朝流」ってのは、これからあるのだろうか。

【くそ珍妙丁寧語】
ごくろうさまですがおなまえさまをちょうだいさせていただいてよろしかったですか
てな具合に、サービス業の店員から間違珍妙言葉5発連続ミサイル攻撃を食らう。心中で大笑いしつつムカつく。
 それはこう言うもんだよと教えてやりたいのを、まあ大人気ないかと、ぐっとこらえるから、返事がワンテンポ遅れる。
 あちらにしてみれば、この反応の遅いぼけジジイめ、と思うだろう。
 それは、よく分かる、自分が若い頃そう思ったのだから。
 いまごろになってやっと、この反応遅れの原因はボケ(だけ)ではなくて笑いと怒りと分かった。でもまあ、ひとつの老人力(赤瀬川原平による)とは言える。今のところ、自分に老人力のつく過程、つまりボケ老人になっていく様子を客観的に見ることを楽しんでいる。


【申請手続き】
 コンピュータ屋のAppleから、頼んだ覚えないのに勝手に宣伝Eメイルを何通も送ってくるので、そのたびに、頼んでない、俺の電話代でお前の宣伝するな、以後送るなと、返事すれどもすれども送ってくる。当然、中身は読んでいない。
 バカヤロウ、もうApple製品を買わないぞ、と思いつつ(実はついふらふらとiPodminiを買っちまったのだ)、もしかしたらどこかに止め方が書いてあるかと、初めて読んだら、あった。
 『メールでの情報提供を中止されたい場合は、 下記URLにてメール配信中止希望の申請手続きを行ってください』
 ムカムカッ、Appleはお役所か、もともとおまえの不良行為なのに、どうして俺の電話代を使って、俺の手間ひまかけてして、俺のほうから手続きを行ってなるみをしてわなけりゃならんのだッ、顧客を馬鹿にするなっ、俺のメイル読んだらそっちで止めるもんだよッ、、。

【言葉の常備薬】

 これは呉智英さんの著書である(2004 双葉社)。
 ちかごろの珍妙なる言葉について薀蓄をかたむけてお書きになっていて、わたしの「言葉の酔時記」ごときのただの思い付きではない内容で、なるほど「常備薬」である。
 わたしも以前に書いた新聞用語の「」や「容疑者」について、そこに呉さんもお書きになっている。
 それによると、新聞で「女」よりも「女性」が上位になるのは、前者が和語、後者が漢語つまり外来語だからだそうである。外国産ほど高級感があると思うのは、言葉も物品も同じらしい。
 ふーん、そうか、、<おんな、かみさん、つま、山ノ神、奥方>→<妻(さい)、女房、家内、家人、夫人>→<ワイフ、ベターハーフ、ハニーとか>となるのかあ、気をつけようっと、。

【事件政治家の肩書】
 2005年1月13日朝日新聞朝刊社会面に“村岡氏の指示証言”の見出しにて、自民党橋本派「平成研究会」が1億円を隠した事件の裁判の記事がある。
 被告は村岡某、証人は滝川某である。同じ記事の中で二人の名前の呼び方が、それぞれ、村岡氏→村岡被告→村岡元長官、滝川・元会計責任者→滝川氏と変わっていく。なんだか変である。村岡某は被告だから、いつもの朝日では「氏」をつけないのに、今回はどうしたのか。「元長官」というのもおかしい。
 この人が罪を問われているのは、派閥の会長代理職であったからだから、書くなら「村岡元会長代理職」のはずである。滝川某もおかしい。この人はこの件で、すでに有罪確定と書いてあるから、いつもなら「滝川受刑者」と書くはず、のような気がする。
 同じ事件報道を日本経済新聞で見ると、村岡被告、滝川・元会計責任者で通しているから、まあ、一応の筋は通っている。日経の見出しは“「村岡氏から指示」”と、証人の言葉としてかぎ括弧でくくっているいるので村岡となっていてもおかしくないが、朝日の見出しはかぎ括弧はないのである。
 まあ、なんでもよいのだが、読んでいて目がひっかかるのが、嫌である。

【韓国名、中国名】

 新聞での外国人名で、韓国人の名は現地発音に近いカタカナで、中国人は日本式音読みで振り仮名をつけるのはどういうわけかと、このサイトで以前に書いたことがある。
ところが今日の新聞(2005.1.13朝日夕刊)に、こんなことが書いてある。
 「韓国では、日本の人名は発音通りにハングルで書き表すが、中国では漢字を中国語読みする。」
 そうなのか、だからこっちもそれに対抗しているのかしら、なんだか大人気ない感じがする。でも最近は、中国人名にも現地発音らしい振り仮名がつくようになってきた。
中国には仮名のような表音文字がないから、外国人名にはその発音に近い読みの漢字をあてるらしい。
 では日本人名の漢字に、日本式読み方に近い振り仮名ならぬ振り漢字をあてるのだろうか。でも、中国にない日本発明の漢字はどうするのだろうか。
 上記の呉智英さんによれば、そのときは日本読みをしているのだとか。

 なんだかいろいろとこんがらかる漢字、じゃなくて感じがする。両方とも漢字を使っていながら、読みが違うから困る。
 してみると日本の仮名は偉大なる発明だったことが分るが、漢字の発祥地の先進国中国と、それを輸入して一生懸命に消化するため仮名発明の必要に迫られた後進国日本の差であろう。
 中国の文化大革命時代を書いたベストセラーの英訳ペーパーバックを読んでいて、毛沢東(もうたくとう)やら周恩来(しゅうおんらい)やら劉少奇(りゅうしょうき)などが登場しても、Maoくらいはなんとか分るが、まったく違う表記であるために誰やら見当がつきにくかった。
 英訳が現地発音に近いのかどうか知らないが、いずれにしても各国で勝手な読みでは、国際化時代には不便なことである。ところで、ショパンChopinを英語圏ではチョピンと発音するのかしら。(2005.01.15)

言葉の酔時記(その2) 2004年10月号

●天動説

 近頃の子どもの4割は、地球の周りを太陽が回っている天動説を信じているという新聞記事を読んだ。
 考えてみると地動説よりも天動説を信じるほうが自然である。
 毎日の太陽のもとの日常体験から、だれだって天動説と思うほうが素直である。
 地動説なんて理論は、小学生ごときに分かってたまるか、わたしだって分かっていないのだから。

●ストライキ

 プロ野球選手がストライキで試合をしなかった。
 このストライキとピッチャーが投げた球のストライクとは、英語だと同じつづりなんだろうなあ、、。
 ついでながら、ストライキ騒ぎで、これまでプロ野球に全く関心無かったわたしも、ちょっとは関心もってスポーツ欄なんか見るようになったのは、
 コワモテ渡辺さんとか,カッコイイ古田さんとか,オカザリ根来さんとか,Tシャツ若僧社長とかいう、
 この騒ぎの個性的登場人物たちのおかげである。とはいってもスポーツ欄でも騒ぎ記事しか読まないのだけれどね。
 ついでにもひとつ、ストライキの日の朝日新聞と読売新聞の記事編集や社の論調が、
まさに正反対であったのが、実に面白かった。

●天災

 今年は台風やら地震やら噴火やらと、天災が多い。天災とは天然自然の現象によって人間が被災することだから、だれもいない海中、極地、山地でどんな大爆発やら大洪水がおきても天災にはならない。
 大昔は天災が少なかったというのは、要するに人がいたところが少なかったということだろう。地球に人間が増えれば天災も増えるのはあたりまえのこと。
 天災とは天が原因ではなく、実は人間がひき起こしているのである。

●よろしかったですか

 9月のある日、倉敷駅前のホテルにチェックイン。
 フロントマン「明日の朝食はよろしかったですか
 よろしかったもなにも、まだなんにも言っていない、おお、倉敷でも過去形が流行か、。
 
【追記】11月のある日、半田市のビジネスホテルにチェックイン、フロントマンのよろしかったですか攻勢に笑う。
  なぜこの客が笑うのか、フロントマンは分からぬ様子。
  部屋に入り、ピッツァの出前注文をする。
  電話の相手が注文を受けるに「では、お電話よろしかったですか?
  わたし「よろしかったから君とこうして話してるんだろう」
  あいて「いや、お電話番号よろしかったですか」
  わたし「だからさあ、、?、?、?」
  相手「あ、いや、お電話番号を教えてください」(このボケジジイ!)
  やがて届いて「ご注文は、この○○ピザでよろしかったですか
  おお、正しい使いかたも知っているのかあ。
  そしてその次の日、山形市内のキャッスルホテルにチェックイン。
  今日もまた、よろしかったが出るかと、びくびくと期待もしたが、
  そこではまったく出ず円滑に話せた。さすが老舗ホテルである。
  ア、待てよ、みちのくの山形はよろしかった文化にいまだ侵されぬ辺境かしら。
  このところ福岡でも京都でも福井でも“よろしかったホテル”に泊ったのだが、
  ホテル業界ではそういう用語をつかう研修をしているのか。

●でよろしいですか

 倉敷での次の日、岡山駅売店で土産物を買うのに5千円札をだした。
 売り子「5000円でよろしいですか?」
 1000円のお菓子に5000円もとられたまるか、
 わたし「よくないです、おつりくださいよ
 売り子はキョトンとしてこちらを見るばかり、、?

オツカレサマ
 近頃は電話の挨拶とか、仕事がおわったときとかに、「オツカレサマ」という奴が多い。
 だいたい、「ご苦労様」とか「お疲れ様」とかのねぎらい用語は、自分より目上にあたる人にはつかわない言葉だったはずだのに、若い者が平気で使う。
 もしかしたらテレビ業界語かもしれないと想像するのだが、そのうちに昼も晩も「オハヨウゴザイマス」って言う奴が出てきそうである。あ、もう言ってるか、。

残酷暑
 (畏友の原和照さんからのEメイル一部引用)
 『今夏の猛暑も終わり涼しくなりましたが、この“猛暑”という言葉がどうもスッキリ来ない、こんな言葉は造語ではないかと思って、常用している安物の辞書を引いてみたところ残念ながらありました。同様な意味の言葉として“酷暑”というのがありました。また、薄っぺらな和英辞典を引いてみたら、“酷暑”はありましたが、“猛暑”は載っていませんでした。矢張り“酷暑”の方が良さそうです。ついでに寒さの方も安物の辞書で調べてみました。
極寒”という言葉があるのは知っていましたが、“猛寒”は無く“極寒”と同じ意味で“酷寒”はありました。それなら暑さにも寒さにも使える“酷暑”“酷寒”を使うべきだと思いますが如何でしょうか。

 話はまだ続きます。酷暑が終わり残暑の時期になり、矢張り猛烈に暑い日が続きました。これをどのように表現すれば良いのか、猛残暑、残猛暑どちらもスッキリしない。
しかし、“残酷暑”これは実にピッタリ来る言葉です、これを言いたいために長々と書きました』


 (ここから伊達記)“暑い暑い”の単語を広辞苑第4版CDで引いたら、なんとまあ、炎暑、激暑、劇暑、厳暑、酷暑、極暑、甚暑、盛暑、大暑、熱暑、猛暑、おお、いったいどう違うんだよ。こうなりゃわたしも追加するぞ、特暑、超暑、爆暑、どうだっ。(041001)

言葉の酔時記(その1) まちもりコラム2004年9月号

*温泉

 全国の温泉地で水道水わかして温泉と言っていたことがばれた。
 ある旅館「ただの水道水を沸かしていたのに温泉だと言っていました、ごめん」
 つぎの日「昨日、水道水といいましたが、実は本物の温泉です、ごめん」
 その翌日「その温泉は、実は違法掘削してつかっていました、ごめん

*方言

 コンピューター用語は東北弁イントネーションで発音するものらしい。
server[魚~青](鯖を引き伸ばしたイントネーションのつもり)
・net[熱湯]
site[斉藤]
・word[和~銅]
・data[出~たっ↑]
・disk[でぃ掬う↑]
・mail[眼選る↑]
 少なくともわたしの周辺ではこうなのだが、関西ではどうなんだろうか?

*講読

 コンピューター業界ではmail magagine配信を、有料なら「購読」、無料なら「講読」というのだそうだ。ダジャレかと思ったら本気で「講読」だそうだ。辞書を引きゃ大違いと分かりそうなものを、。

*分3

 調剤薬局で薬を買うと、説明書が付いてきた。なかに「分3毎食後服用」とある。
 “分3”が分からないのできくと、1日に毎回1錠ずつ3回のむことだって、辞書にも無い業界用語を書くなよ。

*丁寧

 実際に受け取ったことのある文章
 「作業スタッフ4~5名で伺わせていただきまして、お部屋の中からお部屋の中までお運びさせていただきまして、インターネット割引をさせていただきまして、できるだけお勉強させていただきたいもので、上司に交渉させていただきましたところ、100,000~120,000円(税別・保険代1,000円)まで、何とかOKを取らせていただいたのですけれども・・・」(引っ越し屋から)

*申告

 関東でバスに乗降するときに、機械に運賃カードを通す。カード残金が料金に足らないと、機械が女の声でこうしゃべる。
このカードは料金不足です。何等かのお支払方法をご申告下さい
 そこで、申告書を書いてはんこを押して、運転手に提出すると許可が出て、・・ウソ。 

*発券

 東京の地下鉄駅で券売機から回数券(10枚分料金11枚出る)を買おうとてボタンを押す。しばらくゴトッゴトッと何かしている気配のなかで、機械が女の声でこうしゃべってくる。
 「ただいまハッケンしています。しばらくお待ちください
 「発券しています」なら、切符が次々と出てきそうなものだが、11枚まとめて出てくるから、違うのだろう。
 「発見しています」か?。たくさんある切符から必要なもの11枚を次々と発見している最中か。
 それを言うなら「ただいま切符をつくっております」だろうが、。

*有無

 関東でJR駅の切符売り機械で運賃カードを買うとき、女の声でこうしゃべってくる。
領収書のウムを選んでください」 
 ウムとは有無なんだろう。ここで領収書をほしいがまだ手元には“無い”からとて、
「無」を選んで押すと領収書は出てこないのである。
 ほしいなら反対に「有」を押さなければならない。なんで?
 それを言うなら「領収書の要、不要・・・」なんだよ、機械女のバカタレ。

*日本人名

 テレビはほとんど見ないから、特に電車内の吊り広告に登場する人名は、読めないものが多い。
・松井稼頭央[まついかせぎがしら](直截な名前でよろしい)
・広末涼子[すえひろりょうこ](ひろすえと分かったのはずいぶん経ってからだった)
・朝青竜[あさおりゅう]
・天海裕希[てんかいひろき](男か女か?)
・イチロー(これは読めるけれど、姓はなんというのだろうか。、「野茂一郎」か、)

*外国人名

 中国人名は、漢字に日本式音読み発音の振り仮名がつく。
 韓国や北朝鮮の人名は、漢字に現地発音に近いカタカナ振り仮名がつく。
 漢字のない国の人名は、いきなり現地発音に近いカタカナで書く。
 韓国人名でも「冬のソナタ」の俳優名は、ペ・ヨンジュン(漢字ならば裴勇俊)のようにいきなりカタカナで書く。
 これらの違いはどいうわけ、ねえ、新聞屋さん?

*協働

 「市民と行政の協働」というのが流行りつつあり、ある市では条例にもなっている。
 「参加」が手垢がついたので「協働」に取り替えたのか?
 市民は税金を払って、行政機構に一定の範囲の仕事を委任している。いわば市民は雇い主、行政は雇われ人の関係にある。それなのに、雇われ人のやるべき仕事を、雇い主も協力して働けってことらしい。
「協働」という言葉では、意図する意味とは違うように思う。

*五輪

 「五輪」ってことばが最近しきりに新聞に出てくるけど、いったいどう読むのだろうか。「ゴリン」では、宮本武蔵じゃあるまいし、なんことだか、。
 「オリンピック」なのか、あ、「ゴリンピック」か、。

*広告

 「ナントカ一発 疲労回復」って広告だけど、疲労が戻ってくる薬なんて、だれが飲むのだろう?

*放置

 「車内放置」防止要綱を、逗子市では制定したという。なにを放置かって?、自分の子どもですって、。

*割引

 JRの運賃を高齢者に特別割引してくれる「ジパングクラブ」に入会した。
 割り引きで買った切符に大きく「ジ割」と記入してある。女性の切符には「バ割」となっているのだろうか。

*mansion

 「マンションの建て替えの円滑化等に関する法律」とか「マンション売出し中」のマンションとは、集合住宅(共同住宅)建物あるいはその住戸のこと。
 アメリカでマンションといったら、「ワシントンのホワイトハウスのような個人住宅のこと」(アメリカ人から聞いた話)

*借景

 「素晴らしい借景」を惹句にして、庭の無い集合住宅を売っている。
 よそさまの庭園の借景をぶち壊し、バルコニーから勝手に覗き込むのである。

*建物名

 横浜市南区の真金町永楽町の真ん中あたりにある集合住宅ビルの名前。
 グリーンハイツ大通り公園、コスモスクエア大通り公園、ホーメストハイツ大通り公園、ライオンズマンション大通り公園南、ジュネス伊勢佐木、センチュリー伊勢佐木、東横イン横浜関内(これはホテル)。
 大通り公園からは200m、伊勢佐木町からは500m、関内駅からは800mも離れている。
しかも、いずれも隣の中区の地名である。

*associates 

 友人の会社の英文社名○○の末尾に associates と付けている。あるとき受け取った返信メイルで 「○○ ass 様」と短縮されていた。

*ビデ

 自動洗浄式便器をわが家にも備え付けた。操作盤に曰く、肛門は「おしり」と大和言葉、もうひとつは「ビデ」、おフランス語?、ふーん、。
 でもって、「おしり」には“桃割れに噴水”の絵がついている。

 「ビデ」には女の顔が書いてある、そうか、ビデって顔に水をかけるものなのか。
    ***
(040902)***
【講読】
書物を読み、その意味を解き明かすこと。またその課目。「原書講読」
【借景】庭園外の遠山や樹木をその庭のものであるかのように利用してあること。またはそのような造園法。
(以上引用:広辞苑)
【mansion】 大邸宅, 館(やかた)(解説:個人の豪壮な大邸宅をいう; 日本でいう「マンション」に相当する英語は 《米》 apartment, 《英》 flat; 高級分譲マンションは 《米》 condominium; 高層マンションは high-rise apartment) 
【ass】ロバ. ばか; がんこな人. 《米卑》 尻; 肛門.
(以上引用:New College English-Japanese Dictionary, 6th edition (C) Kenkyusha Ltd. 1967,1994,1998)

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