昨日(2014年8月27日)の午後、横浜市都市計画審議会が開催され、わたしは傍聴に行ってきた。いつものように、どの議題も短時間に異議なし、原案通りに可決であった。
今回の審議会の議題は6件あり、うち3件は横浜駅西口駅ビル計画であり、実質ひとつの議題である。あとの3件は特別緑地保全地区の指定である。
これらの中で、大課題をもつものは横浜駅西口駅ビル計画である。わたしはその中身をある程度は知っていたので、この問題含みの巨大開発を、都計審がどう審議するのか興味があって、傍聴にいったのだった。
審議会の時間はほぼ1時間15分、説明時間ばかり延々と長く、委員の発言者は4人のみ、それも質問ばかりで意見は無し、実質的に審議は10分くらいである。その中身も、都市計画決定事項の内容にかかわる発言は、皆無であった。
出席委員は、委員総数25名の内16名であるが、都市計画専門家は会長ただ一人で、大学関係者7名が欠席、学識委員の出席者は業界代表ばかり。
これに対して市議会議員の委員は、1名欠席の9名の高出席率である。
簡単に言えば、ほぼ全員が都市計画の素人の委員で審議をしたのであった。都市計画の内容にかかる審議がなされなかったのは、当然のことである。
・審議すべきことを素通り
横浜駅は、戦後の急成長して横浜の最も中枢に都心になった地域で、巨大開発があとからあとから連続している。ここにさらに巨大開発がはいってくることについて、都市計画としてどう評価するのか、そこのところを審議会で聴きたかった。
わたしはこの議案の計画内容について、新駅ビルができることはよいのだが、都市計画的に若干の疑問があり、都計審がどう審議するか興味があった。
疑問のひとつは、この計画は単なる二つの敷地の建築建て替え計画であって、どう見ても都市計画ではないような気がすること。
もうひとつは、それにもかかわらず、駅ビル用地の都市計画の現行容積率800%を1240%に変更すること、つまり単独ビル建て替えに対して都市計画で5割以上もボーナスを与えるのだ。
黄色線枠内が都市再生特別地区と地区計画地区の範囲だがいかにもゲリマンダー |
駅ビル敷地だけを現行容積率800%から1240%に大型ボーナス変更する |
委員からの発言は、質問が3つあったのみである。
その1、高齢者にバリアフリーはどうか。市の回答は、事業者に努力するように指導する。
その2、市からお金を出すか。回答は、地下の歩行者専用特殊街路整備費に3分の2補助するが、そのほかはない。
その3、河川からの出水対策はよいか。回答は、防災センターを地上階に置き,地下に200トン貯留槽を設けて対応している。
ということで、都市計画とは直接関係のない質疑だけで、実質審議時間10分足らず、ほとんど実質審議しないで、原案通り承認した。
わたしが聴きたいことは全然でなかったばかりか、あまりにあっさりと承認したことに、ちょっと呆れた。というよりも、いつものとおりのアッサリ審議会(別の言い方だとダメ審)だなあと思ったのである。
この計画の何が問題か都計審の委員は分っていないらしいので、明日からそれを書くことにする。(つづく)
参照→これまでの横浜都計審イチャモン弧乱夢
参照→●あなたの町の都市計画はこんな会議で決めている(要約版)
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