ほんの10年から15年ほど前のネット環境等について、わたしが腹を立てていたことを、このブログ開始以前の「まちもり通信」書いていた。ここにプロバイダー乗換に備えて再掲したが、懐かしいような面白さとともに、今もあい変わらぬ腹立つものがある。
2005年6月●IT業界はほんとに変だ
4月のコラムにマッチポンプか、と書いた、ウイルス駆除ソフト会社がウイルスソフトをばら撒いた事件のことの続きである。
たまたま買ったPC関係雑誌(Yahoo Japan2005.7月号)を読んでいたら、この事件のことがコラムに書いてある。気になったところを引用する。
その1(この事件の背景には)『新種ウィルスの頻発と不正プログラムの悪質化という大きな問題があります』
これはその会社の社長の弁明である。おい、それはおかしいでしょ、だってそういうことがあるから、そんなソフトを売って儲けてるんでしょ、病気に効くよというので買った薬が原因で身体を壊したら、それは病原菌が悪いっていうなんて、加害者が言う言葉ではない。
その2『被害にあったユーザーで、業者などに依頼して復旧を行った場合、その費用を8500円まで負担する。ソフトウェア障害で補償を実施するのは非常に珍しいケース』
なんで8500円かというと、そのソフトの販売価格らしいが、それはないでしょ、現実に被害額はそんなもんじゃないはずですよ。それに補償は非常に珍しいケースだというのも、えっ、そういう変な業界なの?って感じです。買ったものによって起きた被害、明らかに売った側の責任であるのに、それを補償しない業界って、あるんですねえ。人命にかかわらないからよい、と思っているのか。しかし、いまやそうばかり言っていられない使い方をコンピューターはしているところもあるはずだ。
そしてこのコラムニストの結論は、インタネットは安心できないから、こういうことが起きても大丈夫なように、ユーザー自身で日ごろから気をつけましょう、って言う調子。
おいこら、これじゃあ業者は悪くないって結論になってしまいますね。いくら雑誌が広告で成り立っているといっても、結論がこれではあまりにひどいと思います。
とにかく、IT業界は変なところです。(050608)
2005年4月●やっぱり、マッチポンプか
「もしかしたらウィルスはウィルス駆除ソフト制作会社がつくっているのかも、、、これをマッチポンプと言うのですが、、まさかね。」
これは以前にこのページの「害虫に寄生されたわがPC(まちもりコラム2004年2月号)」に書いたし、同じことを「もういいんだ」の中の一節にも書いた。
その「まさかね」が起きた。
新聞によると2005年4月23日にウイルス駆除ソフトウェアのアップデートソフトが原因で、コンピューター障害が世界中に起きたというのだ。リリース前に検査をしなかったのが原因だと製造配給元はいっているそうだが、実態はコンピューターウィルス駆除ソフトを偽装したウィルスソフトをばら撒いたのと同じである。
幸いにもわたしはこれに引っかからなかったが、それはその高価なソフトウェアを買う金がないので、ほかの安物を入れているからにすぎない。
ところで、これによって被害をこうむった人たちに、製造配給元はどうやって補償をするのだろうか。企業活動被害は巨額だろうし、世界中のそれを足すと膨大な額となるはずである。
それとも、そのソフトウェア使用許諾条件に「このソフトウェアによる被害については一切の補償をしません」なんて書いてあるのだろうか。24日の朝刊に出ているお詫び広告にも、できる限りの対策をとるとは書いているが、被害補償するとはない。
いつもソフトウェア取り入れるときに、あの長たらしい許諾条件の文が出てくるが、これをまじめに読んだ上で「承諾クリック」をしている人が世の中にどれくらいいるだろうか。
わたしは読むことはまったくないのが実情だけど、たいていの人がそうだろう。もしかしたらあそこに、「これを使うと1億円支払うことを承諾する」って書いてあるかもしれないなあ、、おお、怖い。だからインストールしてもメーカーに登録はしないのだ。ま、これは公序良俗に反するから法的には無効だろうが、被害補償しないとは書いてありそうだ。
ところで、わがPCには1980円の安物ウィルス駆除ソフトウェアが入っているのだが、それが高価なソフトウェアと同じなのだろうかと気にはなっている。高いから駆除能力が高い、安いからダメってことはやっぱりあるんだろうなあ、と思うのが世の常識である。
この安物ソフトウェアも一生懸命にデータスキャンして、ウィルスはありませんでした、なんて言ってくる。でもねえ、お前、ほんとに駆除してるの?、ただただスキャンしているだけで、実はな~んの能力もないんだろ?って言ってみたくなる。
持ち主であってもその中身がどうなっているのか全く分からないで使わざるを得ないのがソフトウェアなんだから、IT業界はどこか世の常識と違うことが多すぎる。(20050425)
2004年4月●ブロードバンドで情報伝達の本質を忘れる
ちかごろはEメイルで重いファイルを、平気で送ってくる人が増えてきたような気する。昔もあったが、それはメイル初心者がよく知らないで送ったのだが、近頃はそうではなくて、確信犯的に送ってくるようだ。
どうもブロードバンドの急速普及に原因がありそうだ。
わが家の通信環境は--自慢するけど--ピポパピポじゃなくてパルスによる普通回線である。インターネット接続はアクセスポイントの電話番号に、ブツブツブツ・ブツブツ・ブツ・・てな調子で、PCが自分でお電話する(ダイヤルするというのか)ことから始まる。
なにしろ一昨年まで鎌倉の家では、わが机の上にはPCと並んでダイヤルをジーコジーコと回す黒電話が鎮座しており、こいつがPCに合わせてチリリン、チリン、チリチリと、けなげにも小声で歌うのが楽しかった。
さすがに東京の2ヶ所のわが仕事場ではISDNとADSLになっているし、わが家のある集合住宅ビルも光ファイバーが敷設してあるのだが、わが家はあくまでアナログ低速、いや普通速度回線のままである。
だから、重すぎるファイル付きメイルはダウンロードに数十分もかかる。いらいらする、健康によくない、だからプロバイダーのメイルサーバーからいきなり削除してしまって、受け取らないことにしているのだ(そうもいかないこともあるが)。
えーっ、そんなことでよいのか、せっかく送ったのに見ないとは何事か、失礼なヤツ、すぐにADSLに変えろっ、こう立腹するお方がいるに違いない。すまん、ごめん。
いや、ちょっと待ってもらいたい、ちょっと違うのである。
高利貸(サラ金とかまち金ともいう)の宣伝ちり紙(ティッシュペーパーともいう)を街角や駅前で配るのはずいぶん前からやっているが、ちかごろは広幅帯(ブロードバンドともいう)通信道具を配っている。
デジタル最先端技術の道具でも、はじめは、あの風俗客引き風のなんともはやアナログなやり方でないと、かんたんには普及しないものなんだなあー。
そうやって高速通信道具が組織にも個人にも急速に行きわたりつつあるのだが、その道具としての普及の急速さと、その使い方の普及との間にギャップが出ているのが今の状況である。
ちかごろは最初から広幅帯通信のひとは、そういうものだと思っているだろう。乗り換えた人も速さに大喜びしているうちに、誰もがそれでやっていると思い込んでしまう結果が、相手の状況を考えない通信となる。
先日、わが家の通信環境を若い人たちに話したら、いまどきすごいですねと驚いて笑われた。そうなんだよー、いまに電話局がわが家にやってきて、もうアナログはお宅だけです、おねがいですからブロードバンドにしてください、と言って来るまで変えないぞ、なんて酒飲み話をした。
インターネットは世界をめぐるのだが、世界中どこもブロードバンドの通信環境ではあるまい。わが家の様なところは、世界中まだまだ多いに違いない。
人にものごとを伝えるということは、相手の立場になり、分かりやすい言葉にするのはもちろんだが、伝える手段も相手に伝えやすい方法とするべきである。
そのとき、ブロードバンドを標準にするのではなく、わが家のようなのがまだ「世界標準」だと思う。ブロードバンド普及で、情報を伝える本質を忘れてきているように思う。
わたしは会員数600のNPO事務局で情報発信しているが、会員みんなに配信するメイルはかならず本文テキストで要領よく書くことにしている。重いファイルはHTMLにしてINサイトに載せて、先方からアクセスしてもらう。
つまり人様に情報を伝えるマナーを、遅さが自慢のわが家を標準にして、その環境での分かりやすさと速さを考えて情報発信をしているのである。これなら地球上のどこでも通用するのだ(と思う)。
と、まあ、ここまで格好つけた話をしたが、本当このことを白状すれば、わが家の普通回線通信とブロードバンド通信をコストパーフォーマンスで比較すると、前者のほうが低廉なのである。だからビンボー人は乗り換えられないのだよ、すまん、ごめん。
それにもうひとつ、外でも中でも頻繁に使っているモバイルPCにつなぐ携帯電話によるインタネットは、わが家をいくら高速にしても、なんの関係もないのである、、、なんだか納得がいかないのだ。
というわけで、まだまだ使うぞブツブツ電話、、引っ越しのときにNTTに返した黒電話ジーコ君が懐かしいなあ、。(040327)
2004年2月●害虫に寄生されたわがPC
わが家のコンピューター(FMV)のヤツが3日前から馬鹿になって、たびたび「Remote Procedure Callが異常終了したために、、ウンタラカンタラ、、、早く仕掛け中のファイルを保存しないとなくなってもしらねーぞ、、」ってみたいなこと言ってきて、50秒くらいのカウントダウンを始め、やがてシャットダウン⇒再起動を、ご主人様の私にことわりなしに勝手にやるようになりました。
このやろう、どうしたんだ。
なにか治療方法はあるのでしょうかと、まわりのあちこちに病状を吹聴して、多くの方々のお見舞いとご助言をいただき、これはどうやらコンピューターウィルスに罹ったらしいと分かったのです。実は初めてです。
助言に従い、あれこれと病機を診察してみると、これはW32.Blaster Wormなる名前の害虫がいつの間にか寄生していて、こいつが勝手にPCを再起動カウントダウンさせるのだと分かりました。
そこで苦闘4時間の大手術の末、「worm has been succesfully removed from your conmputer!」と出て、駆除除去に成功しました(らしい)。
10年くらいのコンピュータ通信歴で初感染した記念に、この虫を剥製にして保存したいのですが、どうすればよいのでしょうか。
ノートンさまが「脅威のウィルスだぞよ」と脅してくるそばで、なんだかわけの分からない日本語の駆除マニュアルを読みつつ、何回も失神させたり生き返らせたりしながら、手間ばっかり掛かったあげくが、ただ単に元に戻っただけのですから、この4時間はなーんにも成果がない。
そう、人間のからだの病気治療も考えてみると同じで、治ったと喜んでも実は元に戻ったので、得るものがあったわけじゃない。
あっ、先般わが身の病に大誤診があったごとく、もしかしたらこれも誤診で、明日になったらまた害虫ぞろぞろかもしれないなあ。
これで儲かるのはシマンテックばかり、もしかしたらウィルスはウィルス駆除ソフト制作会社がつくっているのかも、、、これをマッチポンプと言うのですが、、まさかね。それにしてもなんともはや分かりにくい診断治療マニュアルだなあ。
いずれにしろ今の時点では治癒したことにして、こころからお礼申し上げます。(040104)
2003年12月●ちょっとは態度が変わったかマイクロソフト
わがPCを替えて3ヶ月がたつ。WIN98からWINXPになって、ちょっとは馬鹿翻訳がなくなったなかあと思っていると、でてきたでてきた。
98で頭にきていたことは、フリーズしたり変になると、「お前が不正なことしたからだ、こんどからきをつけろー、、」みたいな言い方で、自分が故障したのをこっちのせいにするヤツである。しかも「不正」なんて、まったくもって言葉知らずの失礼きわまるやつである。
それがれがXPでは、「すみません、間違えましたので、やり直してください、、」みたいな文章に変わった。おお、よしよし、ちょっとは分かってきたか。
で、そのあとに続いて、「この故障をマイクロソフトに通知してくれ、、」なんていうのだ。で、それをクリックすると電話回線にはいってインターネットに自動的につながるのである。
おいおい、ちょっと待ってくれ、その通信費、電話代は誰が払うんだよ。
そっちの欠陥のせいを、費用こっち持ちで教えろとは、なんとまあ虫のよいこと。
え、その通信費なんて安いもんだっていうのですか、なにをおっしゃる、世界中の故障ユーザー何億人もが負担するのですよ、何十億円になるかしら、。
これ本当は、全部メーカーのマイクロソフトなんかで負担するべきでしょ。
最近は、売ったXPだかなんだかソフトに不具合が出ることが分かって、そこを直したから、インタネットでアクセスして修正用ソフトをダウンロードせよといってくる。その数がめったやたらに多いのである。
おいおい、欠陥商品を売っておいて、買い手が交通費負担して修繕用具を取りにこい、それ使って買い手が自分で手間ひまかけて修理せよって、そんな馬鹿なことが通じるのが、ITの世界なんですか、え?(031204)
2002年8月●食い物もPCもこうなったらもういいんだ
まったくもって、何を食えばいいのだろうか。あれもこれもニセモノだった、毒が入っていた、なんてことが次々とばれてくる。味が分からないと思ってバカにしやがって、、。
でも、もーいいんだ、ここまで偽ものや毒食っても生きてきたんだから、この後の人生もなんとかなるさー。
それにしてもこのところ、大組織首脳部の平身低頭お詫び写真が、新聞によく載る、肉屋とか金貸しとかケーサツとか。テレビ見ないから知らないけど、そっちはもっとしょっちゅうなんだろう。
お詫び図鑑なんてのをつくると、結構売れるんじゃないだろうか。日本ハムみたいに、お詫びや事後処置が下手糞だと、これからは「お詫びコンサルタント」なんてのが商売になるかもしれない。
記者会見での頭を下げ方や受け答えの仕方、偉い人やドジしたやつの処分の上手な発表の仕方なんかね。あっ、私が思いつくぐらいだから、もうとっくにやっている人がいるにちがいない、危機管理コンサルタントとか言って。
ニセモノといえば、最近は他人の名を騙って電子メイルでバイキンを送りつけてくるやつがいる。騙られたご当人は何にも知らないし、ご当人のコンピュータもなんともないというのに、。
これはわがイチャモン妄想だが、もしかしたらウィルス開発しているのは、ウィルス退治ソフトをつくっている人じゃあるまいか、マッチポンプで儲ける、なんてね。ウィルスがウィンドウズにばかり感染するというのは、もしかしたらMAC陣営が作っているんじゃないか、なーーんて、まさかね。(2002.08)
2002年5月●ユーザーに手間ばかりとらせるPC
今月もハイテクイチャモンをつける。新しく買ってきたコンピューターの類の設定とか立ち上げは、どうしてあれほどうまくいかないのか。
アプリケーションをなんとかして使えるようにするのに、取り掛かってから気がつけば2時間も3時間もたっている。
だいたい、その解説書もヘルプも、書いてある日本語が翻訳者の頭の悪さ丸出しでたらめで、読んでも分からない。クイズを解いてるんじゃないんだよ。
そうやって悪戦苦闘の末やっと使えるようになったとしても、それまでの苦労はなーんにも成果がない。要するにやっと出発点に立っただけで、それからが仕事なのである。
それまではマイナスをゼロにする仕事をせっせとやらされていたのであり、それをやらせたコンピュータ屋が言うには(多分)、お前のやり方がまずいんだよ、とて、なーんにも補償してくれない。
こんな悪習慣を世間はどうして黙って許しているのか?
例えばですよ、本を買ってきて、読みはじめるまでに2時間も3時間もかからないと表紙が開かない仕掛けになっているなんて、あーた、考えられますか?
実は、携帯電話を買って1ヶ月たっても、そいつとMOBILE PCがいまだに交尾に成功しないんだよなー、くそっ。(020501)
2000年10月●IT時代に身近ないちゃもん
いまどきホームページを開設しても、ほお、あなたもやっとホームレスじゃなくなりましたか、と、おちょくられかねない。
だが、キャットもスプーンも、IT、愛茶、アー痛てー、逢いてえと、日常生活に入りこんできて、困ったもんである。なにも電話代わりのコンピュター使うやり取りばかりじゃなくて、なにかと電子情報使った機械が身近に出てきて、困らせる。
まず、駅の切符売りが愛茶になって、自動販売機に向かうと、あれこれ操作の注文が多い。注文の多い切符売りである。「東京駅」と一言いえば、さっと切符と釣り銭が出てきた無愛茶時代の昔が懐かしい。
バスに乗ってもカードで決済だから愛茶である。ところが,わたしの乗る京急バスの「カード型料金支払い機」は、珍妙なる言葉を使う。
カード支払い時に料金が残金が不足していると、女の声でこうしゃべる。
「このカードは料金不足です。何等かのお支払い方法をご申告下さい」。
いかがです、「何等かの」ですよ、「お支払方法」ですよ、「ご申告」ですよ。たかが百円程度のことで、申告書を書いて、はんこ押して、社長の決済とって、支払うんですか、といやみのひっつもいいたくなる、いかにも役所的な言葉つかいですねえ、誰が教えたんだろう。
どうして、「バス代が足りません。追加して払ってください」と、簡単に言えないのかなあ。
ついでに、なんでバス会社ごとにカードの入れ方が違う機械なんだよお、乗るごとにおたおたするじゃないか。バス愛好者は頭に来る。
同様なことは、今これを書き込んでいるコンピューターの使う言葉のひどいことも、いつも頭に来る。自分が勝手にフリーズしておいて、仕方ないから電源切って立ち上げると、不正な処理をしないでくれ、なんてイチャモンをつけて、次からマジメにやれ、なんてお説教まで垂れる。馬鹿め。
ついでに、人間のほうも変だ。メイルとかワードとかサーバーとかの発音を、尻上がりに関東なまりか東北弁で言うのも、なんとかしてほしいもんだ。
なにを言いたいかというと、人間との接点における基本的なところが抜けてるよ、それじゃなんのためのITだかわからんじゃないのってえの。
日本語の言葉づかいもろくに知らないIT屋に任せておくと、これからバスにも電車にも乗れなくなって、どうなるものか分かったもんではない。ここは分別ある高齢者がたちあがって、愛茶社会を牛耳る必要がありそうだ。
(愛の茶で一服する年計画化ーうちの機械は都市計画家と言ってくれない。 001029
*このコラムは「週刊まちづくり」に掲載した。週まちHPhttp://member.nifty.ne.jp/Teru2/w-machi/)
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