自然が変調しているとは、なにか地球に異変が起きていることだろうか。では、昔はそれほど変調がなかったのだろうか。
統計を見ないと分らないから、単に多いような気がしているだけかもしれない。
災害の意味を考えているのだが、災害による被害者は人間である。まあ、牛とか犬とかも被害獣になりうるが、これを災害というときはそれらに持ち主がいて、金銭的あるいは情緒的な被害があるときで、野良牛野良犬なら被害とは言わない。
人間がいるから災害が起きる。とにかく人間がいなけりゃ、災害は起きない。この世から一切の災害がなくなるのは、人間が途絶えるときである。
絶海の無人島で火山が爆発して溶岩がどんなに流れようと、災害は起きたとは言わないのは、いま小笠原の西の島で現に起きている現象である。
地震津波山崩れ洪水などを自然災害と言う。だが、自然の側からは、こう言うだろう。
「そりゃ違うでしょ、人間災害でしょ、こっちは自然の摂理で動いているだけだよ。
人間が、山を削るから、谷を埋めるから、海を埋め立てるから、それらが元の地形に戻るように身震いして動くのが、自然の摂理なんだよ。
人間が勝手にそこにいて災難に遭っているので、文句あるならよそに行きなさいよ。
地震が嫌なら地盤の良いところへ、津波が嫌なら山間部へ、山崩れが嫌なら山から離れて、洪水が嫌なら河川から離れて、そういうところに住みなさいよ。
そっちから飛んで灯にいる油虫どもが、何を言うか」
放火とか原発事故のような人為的な原因での「人為災害」と区別するために、自然の摂理がもとで起きた災害を「自然災害」と呼ぶのだろう。
そういう自然災害が起きそうなところは、その昔は人々の長い間の知恵で、住まないようにしてきたのに、人口増加時代には、そんな所は土地が安いので、開発して家をつくって住んでしまうことになった。
当然のことに、そこには災害が起きる。災害が起きると、ここは危険な区域だったのに、行政がそのことを知らせなかったのはけしからん、などという人が出てくる。
広島市南安佐区の土石流被災地の被災前の姿 住宅地が急斜面を登っていく 数字は標高 |
上の写真の被災中心部の被災前の風景 右が県営住宅 google street |
東日本大震災で、津波に襲われた沿岸各地では、都市計画でその被災地を原則的に住宅建設を禁止にしたところが多い。それらの地域では、津波被災は3・11が初めてではないにもかかわらず、被害に遭ってはじめて住宅禁止にできたのだ。
東南海トラフが暴れる大津波がやってくることが、そう遠くない時期らしいと、今では誰もが分っている。
それなのに、関東から九州にかけての太平洋沿岸の津波被災予想地域での、住宅禁止の都市計画の事例を知らない。みっしりと立ち並ぶ現在の住宅地を、今の段階で住宅禁止区域に指定するには、膨大なる抵抗があるだろう。
わたしたちは実際に被災を経験しないことには、災害予防の対応ができないのだ。
たぶん、東南海大地震に伴う大津波がやってきた後になれば、住宅禁止指定できるのだろう。
都市計画で自然災害を予防することは、どうも無理らしい。
(追記2014/08/24) 広島県が「土砂災害ポータルひろしま」として公開している災害危険地図サイトを知った。
http://www.sabo.pref.hiroshima.lg.jp/portal/map/kiken.aspx
今回の災害があったあたりの、土石流の巣のような地図が、以前から公開されてたようだ。下の画像はその中の安佐南区八木のあたりのコピー。
これと上の災害前の空中写真を見比べて、いやまったく、
土石流想定地域の真っただ中に人々は住んでいる現実は!?!
◆地震津波火事原発おろおろ日録
http://datey.blogspot.jp/p/blog-page_26.html
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