2010/03/05

244【怪しいハイテク】ローテク掃除

 3月になった朝から体調が悪い。排水装置のあたりに故障があるらしい。2日に専門医に診てもらうと雑菌で錆付いているとて、薬を貰って飲んだら少しは排水機能回復したが、まだ錆排水で不調である。
 微熱があるらしく、コンピューターいじりも気分が乗らない。毎日かわいがっているうちのPCに触らないのもかわいそうである。
 そうだ、まわらぬ微熱頭を使わないいじり方がある。キーボードの掃除をすることにした。これまでやったことが無い。刷毛でささっとそよがせるくらいだ。
 この刷毛は製図用刷毛である。製図版で設計製図をやったことある人は、アレだっ、そんなものまだ持ってるのかって懐かしがるだろう。消しゴムかすを掃き落とすヤツで、KENTのブランド品である。製図版は7年前の引越しで捨てたけどこれはもっている。そういえば製図版を蕎麦打ち板にして再利用している知人がいる。ちょうどよいとか。
 あ、製図の話じゃなくてキイボードである。もう7年も使っている。
 しげしげと見ると、茶色のものがあちこちについてる。たぶん蜜柑の汁が飛んだのだな。
 キイの間には綿埃がたまっている。ためしに中央あたりのキイを3つはずす。ありゃ、埃モワモワの中にクッキーのかけらがある。
 3つ分くらいの大きさのENTERキイをとる。ウワッ、ゴキブリの巣か、埃の山に煎餅のかけらもある。
 こうなったらしょうがない、徹底的にやるぞ、気分はすぐれないが、なんだかファイトが沸いてきた。どうもお安いファイトである。
 かたはしからはずしていく。問題はそれらがどこにあったのか分からなくなることだ。慎重にもとの配置のように別のところにおいていく。
 綿ぼこり、煎餅かけら、クッキーかけら、ステップラー針、そして茶色のこびりつき、まったくもう机上の魔窟である。
 ミニ掃除機、刷毛、濡れ布巾、爪楊枝、塵取りをもって、ボードとキイとを徹底的にほじくり、吸い、吹き、掃き、拭う。
 さて、キイを戻していく。これって、ジグソウパズルか、いや、なんだか少年時のラジオキットの組立みたい。
 あれ、こんなキイあったのか、一度もたたいたことないぞてのがいくつもある。だいたい辺境の地にいる奴らである。
 北極のあたりにいるF1からF12の流氷キイ群に触ったことあるかしら。PCのやつからなにかで押せと命令されたことがあった様な気がするだけだ。
 アラスカのもっと北東カナダ奥地にいるエスキモーキイ群のなかではDeleteはよく使う。Insertはまれに使うが、それはDeleteと間違えて押したときに元に戻すために過ぎない。PrtSc--SysRqなるわけの分からんキイは、画面コピーでたまに使う。ダウンロード禁止措置をしているページの盗撮である。これを知らないころは、カメラで写すとモワレがでて困っていたが、このキイではそんなことはない。Pause--Breakってなんのことだか。
 辺境にありながらよく使うのは、Enter、BackSpace、半角/全角‐漢字である。これらやDeleteが、有用なる能力を持ちながら、なぜ辺境配流の気の毒な境遇にあるのだろうか。
 未利用キイはほかにもあるけど、使ってないってことはいらないってことだろう。そのうちに何かで使うようになるかもしれない。
 そうやってPCのほうの魔窟はローテクノロジーでもって撲滅したのだが、体内の魔窟はどうなるのか。いや、医者は魔窟ってほどじゃなくてすぐ治るといっている。そうだ、ちょうど「父の十五年戦争」を1年ほどかかって書き上げたので、気と体が緩んだのであろう、、なんて、いかにも作家みたいで格好よろしい、はは。

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