珍しくTV番組を見た。長周期振動の地震波による建築物の倒壊の話を、昨夜のNHKでやっていた。
内容は高層ビルが長い波長の地震波で壊れるかもしれないが、対策はほとんどとられていないというのであった。そのことについてのコメントは「長周期地震波災害」を見ていただくとして、ここでは一般の建築を設計する専門家への見方のことである。
芝居仕立ての番組構成は、超高層ビル45階にあるバーのバーテンダーが狂言回しとなる。カウンターで男女の客が地震を怖がる話をしていると、やおら別の男が割り込んでくる。
何者かと聞くと「建設会社の建築設計士」と名乗るのであった。
ここでわたしは引っかかった、オカシイ、。え、どうして、と、オカシイと思うほうを世間の方はオカシイと思うだろうか。
◆長周期地震波災害-明日来る大地震に備えて借家へ(2010.03)
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実はこれまで多くの建築の設計を専門とする人に出会ったが、誰一人として自分のことを「設計士」といった人に出合ったことがない。自分が建築設計をしていた30年以上前でも、そういう職業名を考えたこともなかった。
でも、天下のNHKが設計士というのである。世間では建築士あるいは建築家のことをこう言っているのであろうか。
そういえば先般、文筆家の方から私の文の引用依頼があり、その引用の外の文章に知人のことを「建築設計士」と書かれていたので、専門の世界では使わないことを申上げたら、全く他意なく使っていたとのご返事であった。
そうか、世間では「建築設計士」というのか、。
◆
でも、本当は「士」がつくのは国家資格である。弁護士を筆頭に、公認会計士、司法書士、計理士、税理士、航空士、航海士などなど、はいて捨てるほどあるうちに、「建築士」もあるのだ。一級建築士資格はわたしも持っている。都市計画に関する資格の「技術士」ってのも持っている。どちらも持っているだけで何の役にもたっていないが、、。
世間にはナントカ士って勝手に資格を考え出して、金を取って売る商売もあるらしいから、ナントカ士の全部が国家資格でもないようだ。逆に国家資格のナントカ士を資格も無いのに詐称すると罰せられる。
とういうわけで、バーで自らを「建築の設計士」と名乗る人がいたら、これはほぼ間違いなく「建築士」と間違わせようって魂胆のある人、つまり偽専門家である。お気をつけ下さいませ。
●くたばれマンション
https://sites.google.com/site/machimorig0/datemegane-index#mancion
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