2010/03/07

246【くたばれ乗用車】轢き殺される側

 世界一に成り上がった自動車メーカーのトヨタが、なんだか知らないが欠陥車を売ったとて、アメリカから叱られているらしい記事が新聞に載っている。
 運転していると突然スピードが出るとか、ブレーキが利かなくて暴走するとからしい。それで欠陥商品だ、いや運転が悪い、とか言い争っていて、アメリカの国会からお呼びだし食らった社長が、とうとう「謝罪」したとある。
 謝「罪」だから犯「罪」行為だったということなんだろうなあ。なんでもアメリカあたりじゃあ、謝ったほうが悪いって習慣らしいよ。
 あれ?、日本の国会はどうして呼ばないのかしら。
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 で、気に入らないのが、車を買った客に謝っただけらしいってことだ。新聞論調も、消費者の立場で作ってるのかって口調であるのも気にくわない。あまりに一面的だぞ、その暴走車に轢き殺される側の身にもなってみろってんだ。
 何の関係も無い歩行者が、道端で突然に襲ってくる車に殺されることは、日常茶飯事で起きている。それが運転過誤で起きている現状に加えて、運転者も知らない原因での襲撃も加わってきたとなると、そんな通り魔型大量殺人機械に進化されては、こちとらはどうしようもないぞ。
 ついでに言えば、排気ガスによる長期的殺人装置でもあるし、騒音による慢性痴呆化促進装置でもあるぞ。 
 こんな殺人機が、日常的にそこいらじゅうを走り回っているのが不思議である。
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 もしもこれまでに世の中に自動車がなかったとする。そこに突然、こんなものを発明しました、超便利だがこんな害毒もあるってわかって売り出すとなると、はたして世のに受け入れられるだろうか。
 自動車は長い年月をかけて徐々に既成事実を積み上げ、素人も使うことができる殺人機であることをデファクトスタンダードとして世に公認させた稀有な商品である。
 それには戦争という天下公認の殺人ごっこが、大きなドライブとなったことを忘れてはならない。特に第1次世界大戦(1914~18)では、自動車が兵器として大きな役割を果たし、その後の普及を促進した。
 殺人機であるからこそ、厳重な法的規制がかかっている。運転免許という国家が運転を許す仕組みがその最たるものである。
 とにかく、わたしもあなたも、この殺人機に、今日か明日には轢き殺されるか、廃ガスで喘息窒息死するかもしれない運命にあるのだ。
 メーカーもマスメディアも、轢き殺される側の視点が欠けている。
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 とりあえずやるべきことは、法律を変えて運転免許を厳格なる審査を経たプロフェショナルにしか交付しないこととせよ。ド素人でも殺人機を運転できる今の制度は間違っている。これじゃピストル売買自由と同じだ。
 2つ目は、自動車は何か異常があると、とにかく停止するフェイルセイフ設計とすること。例えば50キロ以上の速度が出たら自動的に停まるのだ。
 3つ目は運転者が最も衝突リスクを負う設計にせよ。運転者がまず安全とする設計にするからスピード出すのだ。ぶつかって一番先に死ぬのは運転者にせよ。ぶつかられたこちらが安全な設計にせよ。
 
●参照→くたばれ自動車

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