2010/08/02

299【怪しいハイテク】机上の地球goole earthにはまる

 マニアではないが地図や航空写真が好きである。都市計画をやっていたから、仕事としても好きを生かすことができた。
 インターネットに、地図のウェブサイトが沢山できている。あれこれ情報が入っているのはよいが、いらない商売情報が多い。
 その一方で、地形や土地利用という地図としての基本的な情報が欠けているのが、気に入らない。
 やたらに道路ばかり出てくるのだが、そのくせ細い歩けるだけの道になるとほとんど登場しない。要するの自動車でなにかにアクセスするために使うようにできているらしい。
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 カーナビゲーションの地図がまさにこれである。あそうか、あの地図屋がカーナビゲーションをやっているのだから当りまえか。
 カーナビゲーションの普及で、運転人間はだんだんとバカになる。カーナビゲーションの中のオバサンの声に導かれて目的地に着くから、途中のことは何も知らなくても良いことになってしまったのだ。
 それまでは運転する人は地図を自分の頭に読みこんで、方向感覚とか地形の目印とかを覚えていたのだが、もうそんなことは不要になった。
 もしも災害かなにかで車を使えなくなったら、迷子だらけになるだろう。
 地図はやっぱり国土地理院のものがいちばんすばらしい。
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 航空写真は地図とは異なる情報が満載されていて、どこのでも見飽きない。
 古いものは国土地理院のサイトの空中写真だが、新しいものはいまやgoogle earthの衛星写真である。
 google earthサイトはわたしにとっては机上の地球である。世界のどこにでも一気に飛んで行ける。
 海外旅行で訪問した街に、空から懐かしい訪問もできる。そこにgoogle streetがあれば、街並み歩きもできる。
 故郷の生家の前にも、中国での父の戦場跡(1933年)にも、アイガー北壁の途中にも、フィリピンでの叔父の戦場跡(1945年)でも、、、、いや、まったくすごいもんである。
 そのうちに弱ってきて動けなくなったら、これで旅行三昧の徘徊老人に浸ろう。
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 でも喜んでばかりいられないことに気がついた。
 ところどころ、妙に塗りつぶしてあるようなところがある。どうも軍事施設らしい。その筋からイチャモンが入って墨塗りしたらしい。
 ということは、もしかしたら写真自体に偽造がされているところもあるに違いない。本当は陸なのに海になっていたり、建物があるのに山の緑になっているとか、、。
 景観戯造はわたしの遊びだが、これはまさに景観偽造である。
 衛星写真だから真実を写しているなんて、うっかり信じてはいけないのだ。
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 日本が中国やアメリカを相手に戦争していた頃、軍事施設のある町の風景写真絵葉書には、軍のお達しで手を入れて一部偽造していたことがあった。例えば、横須賀のその頃の写真を見ると、あるはずの山がないとか、奇妙なところがある。
 もちろん地図も軍事施設のあたりは偽造していた。
 そういうことがgoole earthにも行なわれていることは、十分に考えられる。
 それも怖いことだが、写真の精度が上がってくると、青空の下ではうっかり変な真似はできなくなる日常の怖さがある。立ちシ●●ベンは、木の下でやりましょう。
 この衛星写真といい、街にはびこる監視カメラといい、どこでもいつでも監視されて、住みにくいケチな世の中になったものである。気をつけなくっちゃ。

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