2013/06/11

792【横浜ご近所探検】神奈川県庁舎屋上から港を眺めて歴史を生かすまちシンポでお勉強して収穫あり

 空梅雨で天気が良いし、暑くもなくて気持ちよい初夏である。ご近所探検隊も出動回数が多い。
 いつもの関内地区ぶらぶらで、神奈川県庁舎の前に来たら、今日は公開日ですと書いてある。

 え、公開?、昔、仕事してた頃は、県庁に用事あってしょっちゅう来たこともあるが、普通には入れたけどなあ。県庁は県民が用のあるオフィスだから、いつだって公開してるはずだよなあ。
 わざわざ公開しますなんてもったいぶっているのは、今は非公開にしたのかしら、おかしいよなあ。ああ、休日なのに公開しているという意味だろうなあ、それならわかる。

 まあ、よろしい、このところ県庁に用がないので長らく入ったことがなかったので、入ってみることにした。
 屋上に登って景色を見るのと、県知事の部屋を覗き込むのがちょっと面白いくらいで、ほかには特に面白くもない。廊下を歩き回るだけなら、平日に用ありげにやってくる方が立ち入り制限が少ない。

 この神奈川県庁の本庁舎の建物は、1938年にできた建物で登録文化財となっている。
 その姿は、いかにも権威主義的な帝冠様式といわれたデザインで、その当時のはやりの官庁建築である。戦前お役所建築の典型で、愛知県庁舎名古屋市庁舎静岡県庁舎も似たようなものである。

 これをつくる前に、公開競技設計をやって案を募集したとて、その応募案の絵が展示してあったのが面白かった。
 一等当選案もその他も、ほとんど同じように見える。まったく独創性のがないのが、時代の様相を見せていて、面白くもあるがなんだか怖くもある。
 

 屋上にのぼったのは初めてである。新館のほうはよく行っていたので、展望レストランから港を見ていたものだが、こちらの屋上は視野が広くてよい。
 真ん前に「象の鼻」が見えて、開港当時の港の風景をしのばせる。
 左前に見える塔が、「ジャックの塔」よばれる横浜税関である。

 この県庁舎の屋上に建つ塔が「キングの塔」で、近く開港記念館には「クイーンの塔」がある。

 3階の大会議室では、「明日の歴史を生かしたまちづくり」なるシンポジウムがあるとて、野次馬気分で出席、けっこう大勢の参加者であるが、見渡せば、横浜歴史まちづくりフリーク感のある仲間内的顔ぶれの感もある。

 わたしのこのシンポでの収穫は、発言された横浜の歴史的建造物の権威者たちの中のおふたりから、「歴史的建造物として、戦後復興期の防火帯建築をどう考えるか」という趣旨のおことばが、ほんのちょっとだけだが、とにかく発言があったことである。

 ようやく、すこし日が当たりそうかなあ、ぜひ歴史的建造物の仲間に、群としての防火建築帯も入れてやってくださいませ。
 わたしは保存原理主義者ではないが、せめて今のうちに何らかの評価をしてあげてほしい。一顧もされずに消えていくのは、さびしい。
 なお、「防火建築」という方が横浜には多いようだが、その街並みを作った根拠法の耐火建築促進法には「防火建築」と書いてある。

◆横浜都心戦災復興まちづくりをどう評価するか
http://sites.google.com/site/matimorig2x/matimori-hukei/yokohama-sensai-fukko
 

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