●本館前広場の老桜樹に新入生桜
例年のように大岡山の東京工大キャンパスの桜見物に行ってきた。
去年も今年も大学キャンパスは花見客お断りであるが、そこを何食わぬ顔で花見散歩してきたのだ。毎年同期生たちとともに花見を楽しんでいたのに、去年も今年も単独行である、つまらない。
コロナが来ようと花はいつものように咲くから、花の報告は定点写真だけにする。
だが今年は、桜につていは大きな変化が生じつつあったのは、老いさらばえた桜の木の更新を始めていたことだった。一部は切り倒して植え替え、更に今の桜樹木の列の隣に、わたしが学生であった60数年前のような細い桜の樹を、もう一列植えている。
これら桜の新入生たちが咲くころ、老樹列を切り倒すのだろう。桜の成長は早いから、2,3年もすれば花が盛んに咲くし、既に咲いている進入生桜もいた。
●クマ建築が入り口真正面に出現
さて桜も変わりつつあるが、今年のキャンパスに大変貌があったので特筆しておく。
大岡山の校門を入って右に百年館があるが、左にそれと向かい合って(昔々テニスコートがあったところ)新しい建築ができていた。
「Hisao & Hiroko Taki Plaza」という名称の国際交流拠点らしい。設計した建築家は隈研吾で、例の国立競技場(ヘタ)の設計者である。ぐるなび創業者の滝久雄氏の寄付によるので、この名称らしい(長いので「瀧プラザ」と書く)。
去年までは校門を入ると桜の向こうに本館の塔が見えていたが、この新建築により桜は見えなくなり、わずかに党の頭だけを見えるようになった。
この建築の詳しいことは知らないが、なんだその見た目がヘンなのである。
校門側から見る立面を低くおさええて、3階建ての屋上までを緩い勾配屋根にしている。その屋根には隈さんお得意の板張り簀の子を階段状に取り付けて段々畑というか棚田にしてある。低木も植えるらしいが、その上に登れるのだろうか、単に格好だけだろうか。
つまり瀧プラザの百年館側の姿は、篠原一男の前衛的幾何学的立面と対峙するのを避け、身を低くしかも棚田に区切って、逃げを打ったらしい。ふむ、それも方法か、でも、あちこち全体にこなれの悪い姿。
3面とも裏路地に面しているのではない、桜の咲きほこる本館前の広場に面しているのだから、ひどい。もちろん隈さんはこれが良い、いや、これで良いとデザインなさったのだろう。わからん。
対面する裏返しカマボコ百年館やチーズケーキ図書館との対峙を避けたとしても、そこまで卑屈に逃げなくてもよろしいでしょ、下手とはいえあの巨大大競技場設計の著名建築家なんだから。いや、谷口門下東工大閥建築群に東大閥から鈍刀一太刀か。
特に坂下の運動場や学食あるいは緑が丘方面トンネルから登ってくる道路の正面に、まともに面してアイストップになっているのだが、それをみて苦笑してしまった。なんとかならなかったものか、計画設計時に学内での景観チェック体制はなかったのか。
できるだけ早く周りに樹木を植えて隠してほしい。百年館の前衛幾何学的立面が樹木の葉張りによって和らいで見えるが、こちらは葉張りの中に隠してほしい。
クマ建築悪口がけっこう長くて、ヒマつぶしになった。なお、大岡山キャンパスの建築については、こんなこと↓を書いているのでご参照を。
・東京工大プロフェッサーアーキテクトたち競作名建築群
(20210323記)
2 件のコメント:
こんにちはお邪魔します。東工大のあれはクマの作だったんですね。やっつけ仕事でやった学生の課題みたい。なるほど篠原作品から逃げているのか。ちなみに東工大の建物で、私が一番好きだったのは水力実験棟でした。
ところで新府の桃の花見は今年も行かれるのですか。我々軟式山岳部も、毎年、新府花見ウォーキングを企画してますが、ここ数年は天候やCOVID19で実現しておりません。
八木さん 20210410 伊達美徳より
駄文をお読みいただき感謝、コメントありがとうございます。
あの不格好にはまことにどうもクマったもんですね。
新府への桃の花見は、ホスト役の現地住まいの寮同期生が、
毎年に野外花見宴会を主査しいてくれていたのですが、
さすがにコロナではそれも叶いません。
花のないズームで乾杯だけの同期生宴会です。
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