能登地震の被害は次第に判明してくると、ますます増大拡大する。昨日も大きな余震が佐渡の沖であったから、能登から佐渡へ越後へと広がるのだろうか。となると、志賀と柏崎刈羽の二つの原子力発電所を心配になってくる。
気象庁のサイトに、これまで群発している能登地震のそれぞれの震央の位置を示すマップがある。今年の1月から今日までの期間の、それらを分布地図を取り出して、原発の位置との関係を見た。
2024年1月1日15時から10日9時半までの発生地震の震央分布と二つの原子力発電所 |
能登の志賀町西海岸に建つ志賀原発については、外部電源のひとつが切れているが大丈夫
とか、高さ3mの津波が来たと後でわかったが大丈夫、なんて情報が五月雨的に出てきている。そんな情報の出し方が、本当に大丈夫かしら、と思わせるのだ。
で、マップを見ると、う~む、素人にはよくわからないがという言い訳けつきだが、志賀原発はなんだか実に危うい位置にあるのだなあ。すぐそばに震央がある。地震の大軍隊がじわじわと志賀原発めがけて押し寄せてきているようだ。
見ようによっては、志賀原発は実にうまい立地に建っている、能登の地震の巣からちょうど外れた位置を探して建てたのだなあ、よくまあそんなきわどい立地を探し出したものだ。
2007年の夏、上の地図にもある柏崎刈羽原発の、北方16kmほどの海中が震源の「中越沖地震」があった。この時はこの原発は火災を起こした。さらにその3年前の2004年の秋、この原発から東20kmほどの内陸で「中越地震」があった。
中越地震時にたまたま輪島の宿にいて大揺れに遭遇(参照→奥能登100キロウォーク)、その翌年からわたしはNPOスタッフの一人として、被災山村集落の復興支援のお手伝いに10年ばかり通った経験がある。参照→法末集落復興日録
その時に入った集落の位置が、柏崎刈羽原発から20キロ圏にある。地震の程度によっては原発事故となれば逃げ出さねばならない距離だ。福島で起きたように核の毒が降り注ぐ被害の地に自分はいるのだと、身に染みて怖いと思った。
そのころボランティア拠点として取得した民家の電気代を支払う銀行口座に、柏崎刈羽原発事故による迷惑料のような性質の金が、東電から振り込まれていた記憶がある。
もしも志賀原発がフクイチ並みに事故となったらどうなるのだろうか。今の伝わる交通状況では、半島から避難することがかなり困難であるようだ。道路は地震で寸断、港湾施設は津波で壊されたり、海岸は土地隆起で陸地になったりで、陸も海も逃げようがない。
さらに問題は、志賀原発は半島の首のあたりに立地しているから、風向きによっては半島脱出の逃げ道をふさがれてしまう。参考のために、能登半島と福島第1原発事故の時に核の毒が降り注いだ地図とを、同じ縮尺で並べてみよう。能登半島はすっぽり入る大きさであることが分かる。さて、どこにどうやって逃げるのか?
能登半島と志賀原発 福島原発事故の核の毒が降り注ぐ図 (同縮尺) |
3・11のフクイチ事故の時は、内陸へと逃げるいくつかの道はあったが、その重要な道のひとつが核の毒の放射性物質が降りそそぐ方向が一致していた。それに気が付かずに、飯館村へと多くの人たちが逃げてゆき、多くの被爆者が出た。ふさぐべき道がふさがれず、被災の道になった。
その教訓は能登の場合はどう生きるのか。柏崎刈羽と志賀との両方の原発で事故が起きたらどうなるのか。杞憂か?
さらに気になるのは、朝鮮半島の北部から日本海へ飛んでくるミサイルなどがしばしばあるが、間違って(故意にでも)こちらに飛び込んでくることは、絶対にないのか。もしか日本政府はすでに仰撃ミサイルとかの配置をしているのかもしれない。そうなると志賀原発があることが能登に戦争を招く可能性になる、なんてことまで思ってしまう。杞憂か?
こんどの災害救助で能登半島に大量の自衛隊員の投入があるらしいが、もしかしてそれはそのまま北辺の守りと称して居つき、能登は軍都になるのかもしれない。これこそは半島の北の国への挑発となることだろう。怖い怖い、杞憂でありますように。
そうか、わかった、能登半島は日本列島の縮図なのだ、と。
(20240110記)
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伊達美徳=まちもり散人
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