2022/07/14

1632 【安倍晋三暗殺事件3】誤解殺人で犬死か政治テロで栄誉死か国葬は暗殺犯の思う壺かも

 なんとまあ、惨殺された安倍晋三氏を、国葬に付するそうだ。

岸田文雄首相は14日の記者会見で、参院選の街頭演説中に銃撃され死亡した安倍晋三元首相を追悼するため、今秋に「国葬」を行うと表明した。戦後、首相経験者の国葬は1967年の吉田茂元首相の死去時にしか営まれたことがなく、安倍氏は2例目となる。閣議で実施を決定する。(NHKWEBニュース20220714/20:35)

 これで明白になった。安倍氏の死は、国家がその葬儀を司るほどの、大いなる政治的テロの犠牲であった、栄誉の死であったと、少なくとも政府はそう判断したからこそ、国葬にするのであろう。

 安倍晋三氏の死は、狂気の中年男の誤解殺人の犠牲となった犬死ではなかったのだ。つまり、ある特定宗教による家庭破壊を、その宗教団体を安倍氏が支援したことによると勘違いして怨恨を抱いた中年男の狂気の行動に、安倍晋三氏が巻き込まれて殺された、ということではなかったのだ。

 政治的テロの犠牲者となると、その暗殺に至る原因究明が徹底的になされなけrばならない。安倍氏の政治的言説や言動のなかでも、事件に直接関係すると暗殺犯人が供述するところの、統一教会と安倍氏との関係である。

 実は、安倍晋三氏と統一教会との関係の深いことは、彼の祖父の岸信介氏の時代に始まっているのだ。その因縁の深いことは、ネット上に過去の映像や画像あるいは言説が、無数に登場している。常識として私もいくぶんか知っていた。

 統一教会はずいぶん前に犯罪や奇矯で新聞沙汰になったが、数年前には統一教会系系団体の会議に、安倍さんがトランプとともにビデオメッセージを寄せたことが、その映像とともにスキャンダルニュースになった。
 あるいは統一教会系の出版社がが出す情宣活動の雑誌の表紙に、安倍晋三氏の大きな写真が飾ってもいる。

 つまり暗殺が政治的テロとするのならば、これらの安倍氏の言動は政治的なつながりがある行為であったことになる。どうも安倍氏には気の毒な用か気もするが、国葬にするほどの事件ならば、そういうことだろう。

 さらにまた有田芳生氏や多くのジャーナリスト弁護士たちが、出版物等でこれまでも公にしてきた、政治家と統一教会の関係についても、公判の場に持ち出されることにならざるを得ないだろう。

 となると、これから関係政治家たちの言い逃れれや裏工作が横行するだろう。すでに起きつつあることがネット社会には出ている。ある政治家は、「講演したことがあるが、知らなかった」とtwitterにつぶやいている。

 一番怖くてありうると危惧するのは、暗殺犯の口封じである。彼の身柄が今の検察からいずれ司法へと移って言うだろうが、その間に彼に物言わせないような何かが起きると思うのは、私だけではなかろう。劇画ならゴルゴ13の登場である。

 なにしろ安倍晋三氏が偉大な死を迎えたという神話に仕立てるのは、これを政治テロにしないと話が成り立たない。だが政治問題にしたくないなら、勘違い殺人に仕立て上げ、安倍氏には犬死してもらうしかない。

 さてこの栄誉死と犬死の間で、政府は、政治家は、あるいは社会はどこれから動くのか、誠に興味深いことである。
 それにしてももったいない気がする。安倍晋三氏を国葬とするとは、彼の右翼思想を称える国家になってしまった、そんな気がしてならない。国葬とはいくら税金を投入するのだろうか。統一教会や生長の家や創価学会や日本会議から多額の香典が来るだろうから、それをここに入れると投じた税金以上になるという計算か。

  国葬とすれば、その生と死を国家としてたたえるのだから、その暗殺にも意義を与えざるを得ないことになる。これはとりもなおさず暗殺犯にとっては、まことに都合がよいことになる。暗殺犯が目的とした統一教会への恨みは、国家によって認知されることになる。すでに社会の関心はそちらに傾きつつあり、国家もそれに加担して、今や暗殺犯の思い通り、いやそれ以上になりつつある。

(2022/07/14記)

参照:安倍晋三暗殺事件その1その2その3その4

   伊達の眼鏡まちもり瓢論




2022/07/13

1631【安倍晋三暗殺事件2】どうやら政治的テロになる気配あり心配な暗殺犯の保護

  1630【安倍晋三氏暗殺事件1】からつづく

 この暗殺事件事件が、次第に政治テロの様相を帯びつつある。
 安倍晋三氏が「特定の宗教団体」への怨恨を持つ男に勘違いで殺されたという筋書きは、大きく変わりそうだ。

左は統一教会関係団体への安倍晋三氏のビデオメッセージの一場面
右は安倍晋三氏暗殺現場で矢印下に見えるマスク男が暗殺犯人

 特定の宗教団体が「統一教会」であると、朝日新聞が書いたのは7月12日の朝刊である。その他の主要メディアもこの日かららしい。
 実のところはネット社会では9日からその名が流布していたのだから、大手メディアだけ報じないこと自体が何かおかしいとのコメントがたくさんネットに流れていきた。そして安倍晋三氏と統一教会の関係する情報がどんどんとネットに流れるようになった。

 それらのかつての報道のコピーが次々と出てくると、私もいくつかは記憶にあることだった。もちろんいずれも不愉快な事件であった。
 それらは安倍晋三氏やら自民党やら野党も含めて政治と統一教会のなんとも言えない汚らしいような怖いような関係である。

 となると、マスメディアが宗教団体の名を報道しないのは、何か政治的な裏があるからではないかとのコメントが次々とネットに流れる。どこかからの圧力下、あるいは報道側の誰かへの忖度かと。
 それに対抗するように12日に、当の統一教会の認本の幹部が記者会見して、暗殺犯の母親との関係は潔白なることを述べるという珍しいことも起きた。ネット時代はそれが公開されていつでもだれもが見ることができる。

 それに対抗するように、12日には統一教会による被害者を救済する弁護団の記者会見があった。これもネットに公開されている。統一教会の記者会見発言は嘘であるという。
 暗殺犯の家庭が献金で破綻したことが動機とのことだが、そのような宗教団体に親がのめり込んで、子や孫や親せきが被害を受ける事件が、実は世の中に多いことを知った。
 そして政治家と統一教会の深い付き合いの闇もわかった。多くの弁護士が登場して多くの記者の前で話したのだから、こちらは本当のことだろう。

 ここまで知ると、どうやら単純に暗殺犯の勘違い恨みで安倍晋三氏が殺されたと思うのは、早計な感がしてきた。マスメディアが統一教会との報道を控えたのも、政治の側からの圧力下、あるいは政治家への忖度によるものだろかと、思わせるのである。

 今後の裁判において、安倍晋三と統一教会との親密な関係が公開され、政治家たちとの関係も公になるとすれば、個人的恨みの犯行は政治的怨恨へと転換するだろう。そうすれば関係政治家が暴露される不都合が生じるだろう。ならば今、何らからの圧力が報道界に及ぼされるのはありうるだろう。

安倍晋三氏が表紙を何度も飾った統一教会系出版社発行の雑誌

 そればかりか、政界に根強くはびこっている「特定の宗教団体」は統一教会のほかに私が思いつくだけでも、創価学会と公明党、生長の家、幸福実現党がある。特に公明党は政権党であるだけに、今回の暗殺事件で安倍晋三氏と統一教会の親密な関係が公判等にあぶりだされると、都合のわるいことになるだろう。
 これに関しては有田芳生氏のこの話が実に興味深い。
  https://www.youtube.com/watch?v=UgWax1jLy6E

 ここで気になるのは、暗殺犯が裁判になる前に暗殺される恐れがあることだ。口封じ、裁判封じである。ケネディ暗殺犯が暗殺されたことを記憶しているが、世の中にはそのような事件は多くありうるだろう。
 今回の事件に関しては、暗殺現場警備上の欠陥があったと警察庁長官でさえも示唆しているが、同様に暗殺犯保護に欠陥があったとする事件発生がありうるかも知れない。

 さて、安倍晋三氏を政治的テロの犠牲者として、ある種の英雄扱いして死んでもらうのがよいと思う人々が一方にいるだろう。これは政治的ないろいろな軋轢生み出すだろう。
 また一方では、個人的勘違い怨恨による犠牲者として、いわば犬死してもらうほうが良いと思う人たちもいるだろう。これなら政治方面へのとばっちりは少なくて済むだろう。

 この二つの間で、いろいろな人たちのいろいろな思惑が行き交い、どのように今後展開するのかどのように収束するのか、社会的に興味深いことだ。
 わたしとしては勘違い殺人事件として安倍晋三氏には、その言動からして犬死してほしい。いっぽうでは政界と右翼オカルト宗教団体の関係を断ち切る裁判になって、暗殺犯がそうは思わなかった政治テロ化を期待する。
 なんだか肝心の暗殺犯が置き去りにされそうな世相である。(202220713記)

参照:安倍晋三暗殺事件その1その2その3その4

   伊達の眼鏡まちもり瓢論

2022/07/10

1630【安倍晋三暗殺事件1】どうやら政治的テロではなさそうだが気になる右つながり

  安倍晋三氏が暗殺された。奈良の大和西大寺駅前の街頭で選挙応援演説中に、背後から近づいた中年男の銃撃を受けて死亡した。7月8日の昼間のことである。

安倍晋三暗殺犯と自作銃砲

 殺された人物が人物だけに、すわ政治テロかと思った。わたしがこれまで(7月10日20時)に、ネットと朝日新聞とNHKFMラジオニュースから得てきた各種情報(わたしはTVを見ない)で、この段階で思いつくいちゃもんを書いておくことにする。

 その銃撃犯は奈良市内に住む40歳の男で、母親が統一教会なる宗教に入れ込んで、財産をつぎ込み破産となり家庭も崩壊して困窮した。その宗教団体に恨みを持って幹部殺害を企てていたが警備が厳しく不可能と知りあきらめた。安倍晋三氏がその宗教団体と深い関係にあることを知り、彼の暗殺をしたということらしい。

 つまり、安倍晋三氏の政治信条棟には直接的には無関係とのことで、個人的怨恨のとばっちりで安倍氏は殺されたのだ。政治テロではないのであった。浅沼稲次郎暗殺とは違う。
 銃撃が日常茶飯事のUSAとちがって、銃規制の厳しい日本で銃撃が可能だったのは、その銃が手製であったということ。それにしも公衆の面前で選挙演説中という状況で、よくもまあ近寄って撃つことができたものだ、警備に穴があったのだろうか。

 このニュースのマスメディアの扱いで、ちょっとお妙なことがある。
 そのひとつに事件の動機とも思われる犯人が恨む宗教団体の名前である。事件の次の日9日朝刊には「特定の宗教団体」とあるが、その固有名詞を書いていない。
 その日のわたしのネット徘徊でもいろいろな人が、どのマスメディアも「特定の宗教団体」がどこか言わないがなぜか、との疑問が登場していた。もしかして「創価学会」かなと一時は思った。

 10日の朝日新聞朝刊にもない。その名が「統一教会」であるとの情報が私にわかったのは、ツイッターの誰かの書き込みである。なるほどそうかと思った。統一教会には安倍晋三氏が先ごろその会議だったかに、ビデオメッセージを送ったことがニュースにあった。
 マスメディアはこの団体名を知っていたのに報道しなかったのか、それとも捜査当局から知らされなかったのだろうか。

 だが報道関係者は犯人の住まいの近所への聞き込みで家庭事情が分かったらしく、破産とかの事情まで書いていれば、当然にその原因たる宗教団体名をも聞いているに違いない。
 何らかの事情で報道しなかったのだろうが、どのマスメディアも一様に隠したのは、その裏に何があったのかといぶかしく思う。

 統一教会と分かれば、何か困ることがあるのだろうか。もしかして統一教会が岸信介以来の自民党支援団体であることを隠したかったのか。何だかきな臭い。
 今日は夕刊が無いが明日の朝刊は選挙で塗りつぶされるだろうから、果たして統一教会が安倍晋三暗殺事件のキイとしてマスメディアに登場するだろうか。

 もうひとつのおかしなことは、人間は特に非業の死であると、それまでの毀誉褒貶が一変して毀と貶が消えて、誉と褒ばかりの偉大な人となるコメントが横行することである。
 死者をを鞭打つなという日本的美風が世の中にはあるが、特に安倍晋三氏のような人の場合にそれでよいのか。

 マスメディアからコメント求められた多くの識者たちが、政治テロで暗殺されたと思い込んだらしく、民主主義への挑戦などと大仰な言説と、死者への哀悼のついでにその業績称揚をのべるのだった。そのように報じるマスメディアの一方的傾きに違和感がある。

 政治テロかと思ったら、実は貧困生活困窮者の破れかぶれ勘違い殺人だったのだから、殺されたほうは救われない。あの右翼宗教団体とかかわったことが犯人側の暗殺動機らしいから、無理に広く考えると政治テロであるかもしれないが、どうも本質からは大きく外れる。
 右翼言動の権化だった安倍晋三氏から見れば、犯人の器量に大いに不足があるだろうと、それを気の毒に思う。浅沼稲次郎の場合とは被害者も加害者も格が違うのだ。

 今考えてみると、安倍晋三氏は首相として何か目覚ましい業績があっただろうか。モリカケサクラなんてしょうもないドジ事件ばかり出てくる。
 しょうもなくない重大な業績はただひとつ、これまでの憲法解釈を大逆転して、戦争ができるようにしたことである。このあまりにも困った業績こそが、安倍晋三氏の政治信条に沿う仕事だった。
 首相であった安倍晋三氏も棺を蓋いて事定まるだろうが、その事定めるための評価を、その死に方の非業さによって、早とちりして目を曇らせてはならない。

 また、統一教会が隣国コリアを拠点とすることをもって、隣国を非難する風潮が起きることが心配である。えてしてそのように言う輩がネットに出現する。
 あるいは、統一教会と日本の右寄り勢力との関係に関して、これからどんな報道が出てくるのか、これは心配というより楽しみである。もっとも、そのような報道自体が出てこないような状況が起きるかもしれないと、むしろそちらが心配である。

 でも、本当に犯人は個人家庭的的動機だったのだろうか、もしかして犯人は政治的動機と言っているのにそうは発表させないとか、、まさかね、疑い深く生きる世の中を嫌になってきた。
 最後に一言、これがプーチン暗殺事件なら、世界が喜んだか、いやいや、う~ん。

   (20220710記)

20220711追記)今朝の朝日新聞にも、統一教会の名は登場していない。

参照:安倍晋三暗殺事件その1その2その3その4

   伊達の眼鏡まちもり瓢論

1629【参議院議員選挙投票】一人一党派の時代が来たらしい零細党派乱立参院選挙

  参議院議員選挙の投票に行ってきた。2022年7月10日神奈川県選挙区。

 ちょうど右足が故障して昨日まではヨチヨチ歩きしていたが、今日はビッコ気味で歩けるようになったので、買い物にも行く必要があるのでついでに投票もしてきた。

 まずは個別候補者の名前を書く。え~と、どんな人が立候補しているのかと一覧表を見る。おお、大勢いるなあ、え、漢字とローマ字にいちいち振り仮名がある。こういう仮名の振り方には規則があるんだろうなあ。
 前提として、平かなとカタカナを誰もが読むことができるとして、読めない人は投票資格がないのだろうか。候補者名もかな書きが多いのに驚いた。もとは外国人名のカタカナがあるのも新鮮だ。

 こうもどこもかしこも丁寧に振り仮名があるところを見ると、投票者対応ばかりでなく、開票を行う選挙管理委員会関係者に漢字を読めない人がいる可能性があると推測させる。そこっで投票用紙の候補者名にも政党名にも仮名を振っておいたぞよ。

 妙な振り仮名がある。「氏名」に「ふりがな」と振り仮名があるが、これもとうぜんに規則なのだろうね。この歳まで「しめい」と読んできたのが間違いとは、おおいに驚いた。


 こうやって並べると、日本には民主党が4つもあるのだ、立憲、自由、社会、国民の各民主党である。
 これまでの選挙では見たことがない党名もある。NHK、くにもり、日本第一、女性天皇とともに明るい日本を実現、日本維新、共和、新風、参政の各党である。

 ついでに新聞で見た東京選挙区の珍しい党名を書くと、れいわ、沖縄の米軍基地を東京に引き取る、ファースト、炭で全国をつくる、日本改革、核融合、天命、メタバース、自由共和、こども、平和の各党である。
 このほかに前に見たことがある党名は、日本共産、公明、幸福実現、スマイルの各党である。

 全国を調べるほどのバカではないので、ほかにもあるのだろうが、まさに一人一党、零細党乱立の感がある。よくまあ選挙費用があるものだ。
 良くは知らないが少なくとも立候補のためには供託金一人300万円(比例代表は600万)が必要があり、あまりに得票数が少ないと没収されるらしい。
 納税者の一人としては、できるだけ多くが立候補して、できるだけ票を集めないで落選してくれると、国庫にお金が入るのでまことによいことと思う。


 ところで、前回の選挙の時に投票所で笑ったのだが、今回も笑わせてくれた。比例代表投票の記入机の前に貼ってある党派名の略称(「略称」も「ふりがな」と読むらしい)欄に、民主党が二つもあるのだ。単にこれだけだと、開票において実効得票数で比例配分するのだな。

 実は上記のように民主党はこのほかにも2党あるが、それらは民主党とは言わない。多分、立憲と国民の2党の本家争いがこうさせたのだろう。何だかバカに思えて笑うよりも嗤って予定を変更して別の民主党を書いてきた。
 あ、そうだ、だれか例えば日本民主党で立候補して、略称民主党にすれば、3党が同名で競うことになる、面白い。

 それにしてもコロナ禍のなかでの投票所は、それ相応の対策をして面倒なことで、余計な費用も掛かるだろう。
 密になる場面はないとしても、日本全国で何千万人もが諸所に集まる大イベントだから、折から第7波の気配のコロナ君は感染機会増加と喜んでいることだろう。(20220710記)


2022/07/08

1628【痛風かしら】突然の右足親指付け根あたり痛み、久しぶりに病院で3時間半を過ごしてきた

  病院とはなんと時間を食うところか、足が痛いだけで入って出るまで3時間もかかった。

●右足付け根あたりが痛い
 5日前から急に右足親指の付け根あたりの左側が痛くなってきた。赤くむくんでいて触ると痛い。右足裏の内側を床につけると痛いので、外側だけを使うのだがそれでも痛いし、力が入らない。親指を使うことができないと力が入らなくて不便なことが分かった。ビッコ歩きである。

 右足に力が入らないので、立ち上がるときに左足だけに頼るのだが、左足だけでは立ち上がることができなくなっていることに気が付いた。老化である。あたりにすがってよろよろ立ち上がる。
 こんなことは初めてだが、体験的にはこの痛みは、転んで腕骨にヒビが入った時の患部とと同じ感じである。でも、ひびが入るほどの衝撃を右足親指近くに与えた記憶が全くない。

2番目の関節が痛い
 すぐ治るだろうと放っていたがだんだん痛くなる。これは医者に見せるのがいいなと思い、どこに行けばよいかネットで調べる。「右足親指付け根が痛い」で検索したら、いきなりこれが出てきた『足の親指の付け根が痛い強剛母趾』。おおこれだ、書いてある症状が私にピッタリ、これならば整形外科に行けと書いてある。

 そうか、寝てるだけでも痛いから、明日は近所の掖済会病院に行こうと決意する。掖済会病院の整形外科には、20年前にここに移転した時も右足股関節が痛くて診察してもらったのが初めて(2003年)、その次は自転車から落ちて腰椎圧迫骨折の時(2015年)、それ以来である。

●久しぶりに病院に
 ということで2022年7月8日、うちから50mほどの病院に、杖ついて15分くらいかけてよちよちと歩いた。7年ぶりに掖済会病院の整形外科で、8時半受付開始、9時診察開始とて、8時40分に入った。出てきたのが12時だったから3時間20分もいたことになる。

 診察は予約者が先らしく、1時間も待った。読むべき本を持ち込んで読むべきところを読み終えた。若い男性医師(釜田祥史)の診察は足の状態をちょっと触ってみて「痛風かもしれません」とて、血液検査、尿検査、X線撮影に回された。

 採決する女性看護師が私の腕の静脈を探しあぐねて、「いつもどのあたりで採りますか」と聞く。「いつもといわれても、めったに採られないので分かりません」、しばらく探してようやく見つけたらしく無事採血完了。X線はさすがに全身ではなくて、右足首から下だけ撮影だった。近頃はX線も当然デジタルでフィルムレスと、後で見た診療明細に書いてあった。

 それらの結果が出るには1時間かかり、それからようやくまた釜田医師の診断に戻る。
 モニターに血液検査の数字が並んでいるのを見せながら、
「いくつかにエンショウがあります。これは痛風ですね」
「エンショウって何のことですか」
 答えてくれたが実は覚えていない。延焼か円生でもないな、まさか艶笑でもないな、なんて考えていたら、左耳から右耳へ頭を通り抜けた。

●痛風の診断
 要するに痛風なんだろ、友人に多くいるよ、数字を見てもなんだかわからないよ。要するにたくさんの検査項目の中に何か不都合な数値があるのだろう。

 だが整形外科に来ることにしたネットページ「強剛母趾」とは異なるのが解せない。
「先生、ちょっと立ち入って伺いますが、どの医科に診てもらうかネットで見たら、わたしとピッタリの症状の足の骨の病気が乗っており、その病名は忘れましたが、そこには整形外科に行けとあり、だからここに来ました。でも、今お聞きすると痛風とのことですが、そのネットにある骨の病気ではないのですね。では内科に行くべきでしたか」

「痛風は整形外科でも内科でもどちらでもよいのです。X線撮影写真でご覧のように骨に異常はありません。痛風の痛み止め薬を1週間分出しますので、また来週に状況を見ましょう」
「おお、これが私の足の骨ですか、へ~、面白いなあ、ちょっと写真撮らせてください」、足の骨写真を見ているうちに、何しに来たのか忘れた。

 ということで、こちらの都合を聞かずに一方的に1週間後の「次回予約票」を渡された。こいつは全く予定のないやつだと見破られたらしい。
 診療費は1320円、処方箋薬は痛み止めとその薬用の胃薬1週間分で180円、3時間半でこの値段なら映画見るよりも安いヒマツブシだった。

 ●本当に通風だろうか 
 でも本当に通風かなあ、だって痛風って贅沢病というよなあ、わたしは何の贅沢なものも食ってないよ、グルメ好きじゃないし、そもそも食べ物に興味ないしなあ、それにコロナ禍以来誰も付き合ってくれないから酒もめったに飲まないしなあ。友人たちの中に痛風の奴がいて、プリン体がドートカコートカ言いつつ酒を選ぶのを変な奴と思ってたけど、わたしもそれやるのかなあ。 

 実はこの病院の整形外科で誤診された経験がある。2003年に初めて来て、股関節の痛み神経痛と診断された。でも、その治療してたけど、ちっとも治らない。
 そこでセカンドオピニオンを市大の市民総合医療センターでやったら、不治の病の大腿骨骨頭壊死症と診断されて治療方法なし、定期検査だけ。
 ところが不治の病のはずが半年後に自然治癒した。つまりこれも誤診で、実は大腿骨骨頭萎縮症であったとの診断(詳しくはこちら)、以後は医師を懐疑の目で見る。

 今回のように近頃の患者は、あらかじめネットで自分の症状を自己診察してきて、素人考えをあれこれ知ったかぶりで喋るから、医者はやりにくいだろう。しかし、今回のようにこちらにその件では一言も対応してくれないのもどんなもんだろうかと思う。
 その逆に、医者のほうは初めて出会う症例でも、その場でネット検索して関連情報を得ることができるから、対応しやすいだろう。

 というわけで久しぶりの病だが、このままではわたしの唯一の能力である歩行がなくなって、生きている甲斐がない。とりあえず1週間後に薬が効いて治っているか、それともまたもや不治の病か、はたまた誤診か興味深いことである。  (20220708記)

腫れも赤みも引かない
(20220710追記)
 毎食後の痛み止め薬が効いたのか、痛みは9割がた消えたので、歩行が楽になった。しかしまだ右足親指第2関節あたり甲と裏の腫れが引かないので、歩行時に違和感がありかばうのでビッコ歩きになる。指に触ってもなんともないが、腫れのあたりに触ると痛くはないが違和感がある。

 贅沢病といわれる痛風にかかるとは、平素は粗食だし酒もコロナでの飲み会禁止だし、徘徊で適宜運動しているから、私に覚えがない。ちかごろ何か特殊なものを食ったに違いない。考えていて思いついたのは、7月2日午後に昔山岳部仲間7人との会合あり、とんかつパクパクビールガブガブ、これだな、7月4日午後から痛くなったということは、痛風毒が足まで回るのに2日かかったのか、そうに違いない。

(20220712追記)
 10日の症状とあまり変わりないが、また痛くなるという恐怖からは逃れている。
 同年輩の友人たちに「貧乏な俺だって贅沢病になったぞ」と自慢メールを出したら、数名から先輩として返信があった。
 「贅沢病にようこそ」と歓迎をされ、とにかく水を飲んで痛風毒を流し出せとの助言も有り難く嬉しい、水ならば薬と違って貧乏人向きだ。
 ゆっくりと近所買い物往復を復活したが、徘徊はまだ怖い

(20220715追記)
 予約していたこの日に診療に行った。医師が見て触り聞き、治りつつあるとのこと。
 「もしもかかりつけ内科に行きたいならそうしてください」というのは、「前回に私が痛憤なら外科じゃなくてないかでしょ」と聞いたことを覚えていたのだろう。
 「いや、かかりつけって無いし、そもそもめったに医者にかからない。今更どこかのないかを探すのも面倒なので、続けてよろしく」
 塗り薬と尿素退治の飲み薬を1か月分処方、診療代200円、薬代250円。所要時間は受付から支払いまで30分で、前回の3時間と大きな違い。



2022/07/01

1627【地球三大危機時代】コロナ危機プーチン危機も大変だが気候変動危機はもっと大変

 昨日で6月が終了つまり2022年の前半が終わったということ。6月の世界危機状況を書いておく。早いことこんあわだいをまいつきかかなくてもよくなってくれよ~。

●地球には気候変動危機があることを忘れていた

 暑い、暑い、実は先月まではコロナ禍とプーチン禍を現在の世界2大危機と思い込んでいた。ところが、このところ6月というのに梅雨ジメジメがないどころか、日本列島は猛烈な暑さが続いており、毎日気象観測始まって以来の暑さとかのニュース。
 あ、そうだった、コロナ危機プーチン危機に気を取られていたが、それより前に地球の気候変動という大先輩格の地球大危機だったと思い出したのだ。
 なんだか恥ずかしい。身体に迫らぬと感じないのだ。

 毎日暑い暑いのニュースだが、毎年言っているのに「ついに危機的状況に至った」といわねばならぬようになったとすれば、気候変動こそはコロナよりもプーチンよりもずっとずっと恐ろしい危機である。こればっかりはマスクでもワクチンでも戦車でもミサイルでも、一向に予防する能力がない。

 多分コロナを凌駕する死者が世界中で発生するのだろう。考えようでは、冷房機器がワクチンだろうが、折からの電力逼迫で電力屋は節電せよと言っているが、それじゃあ老人が死ぬと世間から言われたのか、今度は政府のどこかの筋からか適切に冷房を使えなんて、ニュースで説教されている。

 さて、どっちにつくべきかといえば、れっきとした終末期超高齢者のわたしは冷房に住む資格があるのだろう。適切に冷房を使えと言われても、その適切とは何を意味するのか分からない。何か冷房使用秘術でもあるのかしら。実はわたしの部屋は今年になって一度も冷房にしたことはない。天然暖房である。

 わたしの住まいは地上20mの空中陋屋だから、それなりに風が通るので裸で暮らせば機械で寒くしなくても、なんとかなる。特別に我慢比べをやっているつもりはない。
 部屋には冷房装置があるのだから、いざというときはお世話になればよいのだ。昨年の夏は冷房にしたのは3~4回ほどだった。
 電力のことだけなら、核発電復帰なんて言わずに、いっそのこと毎日計画停電したらどうだ。11年前に行ったネパールでは計画停電を普通のこととして毎日やっていた。

 ということで大先輩格の気候変動から書き始めたが、これ以上はどうするのかどうなるのかさっぱり分からないのが情けない。いや、分かってもどうしようもない。
 気候変動こそが最も身にしみる地球危機であることは確かだが、今ちょうど参議院議員選挙運動中だが、候補者の誰も気候変動問題を取り上げていないようだ。票にならないのか、困ったもんだ。

●コロナは尻つぼみだろうか

 6月ころから急にコロナがニュースランキングから脱落の傾向にある。
 今年前半での日本と世界の感染者数死亡者数の遷移を見ると、山がだらだらしており、なんだかコロナ君に居つかれてしまっている感じである。
 極端に患者や死者を出さないが、毎日的確に感染者死者を獲得している様子で、これは人間と共存なのかしら。共存したくないよ~。

日本のコロナ新規感染者数の推移 2022年前半

日本のコロナ新規死亡者数の推移 2022年前半

世界のコロナ新規感染者数の推移 2022年前半

世界のコロナ新規死亡者数の推移 2022年前半

世界国別コロナランキング

日本地域別コロナランキング

朝日新聞東京版2022年7月1日朝刊

 政府筋からの情報かどうか知らないが、ニュースではマスク着用も緩和傾向にあるらしく、街に出ると10人1人くらいは覆面していない人に出会うようになった。わたしも徘徊中にはできるだけ外して歩く。でも先日、そのまま図書館に入って警備員にマスクせよと注意された。

 まあこうやってマスクともコロナとも適当に折り合いつけて生きていくのだろうな。コロナにしても宿主がいなくなると困るから、あちらも折り合いつけたいと思っていることだろう。困ったもんだ。

●プーチン戦争は日中戦争並みの泥沼化か

 ウクライナではプーチンロシア軍攻撃が続いているが、かなり局地戦になっているようだ。東南部の拠点都市掌握に作戦を絞ったらしいが、その一方で長距離ミサイルを内陸都市に打ち込んで、無差別攻撃もしているとのこと。1945年のアメリカ軍空襲下の日本みたいである。

NATOの方針転換でロシアとチャイナを明確に敵視


朝日新聞東京版朝刊 2022年7月1日
 アメリカを中心とする西側はウクライナに武器供与をしているが、戦争そのものへの手出しはしないで自制している。
 だが、ウクライナの次はこちらだと、北欧のフィンランドとスウェーデンのNATO加盟が確実になった。これはプーチンの作戦にあったのだろうか。

 先日はNATO首脳会議に日本・コーリア・オーストラリア・ニュージーランドが参加したとか、ロシアとチャイナを両側からはさみ囲む軍事同盟が成立する時代が来たのだろうか。どうにも心が寒くなるばかりだ。

 プーチン戦争は直接的に身に迫ってこないことと思っていたが、このところの物価高騰にはプーチン戦争が大きく響いているという。食糧危機が来るかもなあ、困ったもんだ。早くおさらばしたいもんだ。

狂歌<NATO拡大>
国境に納豆カーテン引き回し ネバネバネバーネバーニエット

(20220701記)


2022/06/30

1626【建築家名の図書館】前川國男館という設計者個人名がついた神奈川県立図書館

●神奈川県立図書館に新しい本館登場

 横浜の紅葉坂上にある神奈川県立図書館に、その設計者の固有名詞がついた「前川國男館」が登場した。この図書館は県立音楽堂とともに、まだ太平洋戦争の傷が癒えない1954年の横浜に初登場した、名作建築である。食べることから文化にようやくに目が向く、まだまだ戦後を引きずっている時代だった。
 日本でも建築家の固有名詞が、一般的な公共施設に名付けられれる時代が、ようやく来たのか。

県立図書館の新しい本館前の案内版

 その図書館がその後の時代の変化に対応する機能更新のために、隣接してすでにかなり前に新館が建っており、当初のこの棟は本館と言っていた。それでも時代要請に対応できなかったので、本館と新館共に建て替え案や図書館全体の他地区移転案もあったようだ。

 結局は本館を歴史的建築としてリニューアル保全して、隣の街区に本館を建てることにしたらしく、それがこのほど完成したようだ。これら3棟をどう機能分担して使うのか知らないが、先日前を通りかかったら隣の街区に新しい図書館建築が建っていて、まだ開館していない状況だった。

●設計者名が命名された建築

 案内板を見ると、新築のこれを本館とし、これまでの本館を「前川國男館」と名付けたらしい。まさか前川國男関係だけの図書館にするのではあるまいに、設計者の固有名詞を公共建築に名付けるのは珍しい。特定建築家の作品展示のミュージアムならば、伊藤豊雄建築ミュージアムや谷口吉郎・吉生記念金沢建築館のように公共建築でも個人名を付けたものもあるが、それは当然である。

 あ、そうか、これはもしかしたら、その館だけが前川國男を軸として、日本の近代建築史関係の図書に特化した図書館にリニューアルするのだろうか。そして前川作品の図面や模型の常設展示室もある、なんてあるかな、そうか、それなら納得できる。そうに違いない、いいことだ。神奈川県はなかなかやるよなあ、再開を待ち遠しい。

 とすると、これまでの新館はなんと名付けたのか、それは書いていない。その新館の設計者は前川でないことは、その姿を見ただけでわかる。本館をそう名付けたら、新館もその設計者の名をつけるべきだろうが、そうは案内に書いてない。差別である。

 で、「前川國男館」の後継者となった新しい本館建築の姿は、どうかと眺める。
 う~む、これは、この設計者は誰だろうか、まさか前川設計事務所ではないだろう。

新しい図書館本館
 現新館といい、これといい、名作といわれる前川國男館にそれなりい敬意を払い、それなりに景観的な連携を図ってもよさそうなものだが、まるで関係がないのはどういうわけか。

●建築と建築家

 ところで、日本の通常の公共建築にその設計者名を付けた例があるのだろうか。そもそも日本では建築が新たに建っても、それが誰の設計によるのか、専門家は別にして一般に興味を持たれることはめったにあるまい。
 例えば新国立競技場の場合のように、それについて事件があったとか、あまりに奇妙な恰好とか、そのような場合だけマスメディアに建築家の名が出るが、それもすぐ忘れられる。

 今回の県立図書館のような設計者名の命名は、建築家にとっては喜ばしいことであろうが、さてこれが世の一般の風潮になるだろうか、かなり怪しい気もする。
 何しろ「建築」は建物であり建屋とか物件とも呼ばれるし、「設計者」は設計士とか建築屋とか言われても「建築家」と呼ばれることはめったにない風土なのだから。

 新しい建築どころか、歴史的建築でさえもその設計者をマスメディアが伝えるどころか、その現場の案内に記されることもめったにない。そういえば欧米の外国で都市を観光旅行すると、ガイドが名所建築説明に必ずその建築家の名前を言うが、日本では聞いたことがない(めったに観光旅行しないが)。

 そうはいっても、建築家はまだよいほうである。わたしのような都市計画家は、ほとんど世に知られることはない。それはいずれ知られるのか、それとも永遠にないのか。
 例えば、新国立競技場が話題になり建築家の名が出たけど、都市計画家の名は一度も登場しなかったよね。

●復元して悪くなった広場環境
 

 さて、その新命名の前川國男館の前にやってきて、音楽堂そしてこれも後年の前川設計の青少年会館とともに形成する広場から眺める。
 この姿は一昨年にリニューアルされた。広場のリニューアルの方針は、当初の姿に復元であると、広報されていた。1954年の当初はこの広場は砂利敷きであったが、できがったのはコンクリート敷きだった。

  わたしは2019年にその工事中にここに来て、掲示と現場を見てこう書いた(2019/06/27)。

広場整備の方針
「あの広場には樹木がたった一本しかなくて、全部が駐車場に占められているし、広場から昔は海が見えたろうけど、今じゃあ周りは高層共同住宅でその上から超高層ビルに見下ろされて、なんとも鬱陶しいねえ。広場はクルマに占拠されてるし、夏は暑くてたまんない、だから緑を植えて木陰のある庭にして人が集まるようにするのかと思ったら、この絵を見るとやっぱり駐車広場ですよ、写真見ると砂利敷きだから、水の浸透性をよくするように砂利を復活するのかな。https://datey.blogspot.com/2019/06/1406.html

 さらに去年春にきてみて、こう書いた(2021/03/22)

この文化ゾーン施設を県が再整備してのが1昨年、けっこう繁っていた樹木をり倒した。管理上それは仕方ないとも思うが、この音楽堂前の殺風景広場をなんとかしてほしかった。
 広いコンクリート駐車場にタブノキがたったの一本だけ、夏はとてもいられたものではない。駐車場が必要なのはわかる、駐車場でよいからその中に樹木を植えてはどうか、復元的整備とてこのようにしたのなら、それが間違っている。
 これが建った頃はまわりには樹木の多かったし、広場は砂利敷きだったし、音楽堂には楽屋がなかった。そう復元するのでないなら、現代に対応する復元をするべきである。東京駅のように復元さえすればよいとの考え方は間違っている。
https://datey.blogspot.com/2021/03/1523.html

 そしてこの暑い暑い夏の日に、またここにやってきた(目的は横浜能楽堂であったが)。

左に「前川國男館」、正面「音楽堂」
気温35度の夏の日、広場にある唯一のタブの木陰から撮影した

 広場はカンカン照りの太陽で暑いのなんの、予想通りでとてもいられるものではない。
 それでもこの広場に憩う5人の姿があったが、それらは当然のことに唯一のタブの木陰に座っていた。今からでも遅くないから、数十本のタブの木を植えてほしいものだ。

 折からこんなニュースもある。6月22日ニューヨークタイムズ記事に、パリのノートルダム寺院の火災からの修復工事に関して、その広場に植栽をして、歩行者に快適にするとともに気温上昇から守る、というのである。あれもこれも歴史的空間の復元ならば、見習ってはどうか。
再整備計画の鳥観図

現況 グーグルマップより

参照:2019/06/271406【1950年代モダニズム建築の再生】3:神奈川県立図書館・音楽堂は本当に保存に値する名建築か

(2022/06/30記)

2022/06/18

1625【核毒被害に国家は無責任】核毒が降る日々十年コロナ来てはや二年余こんどは戦争

●国家に賠償責任はない核発電核毒加害

 日本の核発電施設の事故による核毒被災について、国に加害責任がないから損害賠償は加害者の電力会社だけで負担せよとの最高裁判決が出た。3・11の福島核毒被害者からの賠償請求が却下されたのだ。

 この判決については、諸問題を含むようだがそれはさておき(いや、さて置くのはおかしいが論ずる能力がないので)、では、われら庶民はこれからどう対処するべきか、それが気になる。

狂歌<庶民の心得>
国家さえ責任無いと言う核発電  覚悟してスマフォ炊飯洗濯

 とにかく核発電所の事故で周辺住民などが核毒被災しても、その発電事業者に補償させるしかないとなると、その額があまりにも莫大で大変、それは現在も続く裁判が示している。 電力事業者は賠償能力を備えなければならないとなると、事業的に成り立つのか。もしもこれから核発電事業を始めようと考えるものがいるだろうか。

 もちろんその補償金となる原資を、電力使用料金に含めて広くから徴収して超足するのだろうが、当然に料金値上げがものすごいことになるだろう。それが企業や生活者などの電力使用者に負担可能なのだろうか。
 国が保証金負担しないとなったからには、電力事業者の責任が膨大に重くなったことになる。事業者はその責任に耐えられるのか。
 東京電力が現在の当事者だが、使用料金を大値上げするだろう。東電の電力を使っているところは、どこもその値上げ重圧に耐えなければならない。

●どこか核発電所の無いところに移住するか

 耐えられないとなると、東電管内から逃げ出して別のところに移住するしかない。でも行く先でも核発電所があるから、同様の事故は起きて、同様な値上げになる可能性は十分にある。逃げ場はないのか。

 核発電所からはるか遠くに住んでいれば、その事故の影響を受けないかと言えば、電力使用料金でしっかりと影響を受ける。
 となると核発電所を持っていない沖縄電力の管内だけが安全なのだろう。沖縄に移住しようかな。

日本列島とその周りの核発電施設分布状況

 あるいは核発電でない発電施設をもって供給する電力事業者と契約するのがいいのだろうか。再生エネルギ発電が良いのかしら。安定供給できるのかしら。よく分らない。
 自家発電という方法もあるか。屋根の上に太陽光発電設備を載せるのは昔からあるが、その発電量はどれくらいだろうか。
 敷地内を川が流れる土地を買ってそこに水力発電施設のある住宅を建てる。小さな水力発電設備があるらしい。
 いろいろ考えるが、分からないことばかりだ。

 ウクライナのプーチン戦争によって、チェルノブイリとかザポリージャとかの核発電所が戦場となったニュースがある。
 チェルノブイリでは敷地内に塹壕を掘っていたロシア戦闘員が放射線障害で倒れたらしい。核発電施設の管理は、ウクライナ側の専門家に保たれているらしいが、戦争激化すればそのまま核兵器になる可能性は高い。

 日本でも核発電所が無いのは沖縄電力のみだから、九州から北海道まで核兵器配備の列島である。怖いことである。
 でもそう考えると、日本の核発電施設に国として責任がない、と言いきってよいのだろうか。もっとも、責任持つからとてじゃんじゃん設置されるのは、もっと怖いけどね。

 これは3・11以前から考えていたが、核発電施設を地上に作るのではなくて、核発電船にすればよいのだ(参照:このブログの2008年9月記事。航空母艦のようなは巨大な船が核発電で動くのだから、民生用の巨大核発電船を作ることはできるだろう。
 船ならば事故があっても、海洋汚染はあるとしても、生活や生産の兄影響は少ないだろう。電力需給の地域的アンバランスにも、必要な地域に移動して電力供給すればよいだろう。地震で津波が来る前に、遠い海洋に移動して避難すればよろしい。あるいは津波を乗り切ることができるかもしれない。

 なんにしても、核発電施設の無いところに逃げ出したいものだ。簡単なことではないが、実はわたしには比較的簡単に逃げ出すところが用意してある。超高齢のわが身には遠くない時期にあの世が待っているのだ。
 だから、核毒・コロナ・戦争と続けさまにやって来るとは、地球は狂っているらしいが、どこか気楽であるのが、われながらオカシイ。

●コンテンポラリーアートとしての福島核発電所事故

 核施設事故で思い出したことがあるので、書いておく。
 先月末にChim↑Pom展を六本木の美術館で観て来た。福島核発電所事故がらみのコンテンポラリーアート2作品が展示されていて、どちらも興味深く観た。

 その一つは水素爆発直後の現地アート活動映像。水素爆発の直後のまだ立ち入り禁止措置が出されていないとき、近くの山上展望台に核毒の危険を冒して登り、そこに日の丸を模して作った真っ赤な核物質マークの旗を立てたのだった。すぐ近くに爆発で歪んだ核発電施設が見えており、強風に中の核毒が降り続くであろう現場、それは弾丸が降りくる戦場の旗のようだ。アーチストたちはもちろん真っ白な防護服である。
 その時の映像が出品されていた。社会問題に切り込む現代アート活動の神髄である。

 Chim↑Pom作品のもう一つ核関係展示は、まったく何も展示されていない大きな展示室である。そこは人の声だけが流れていて、いま、福島の帰還困難区域指定されて誰のいない集落の民家数軒に、数名の現代アーチストの作品(Chim↑Pom、艾未未など)の展覧会が行われてることを伝えている。ここに存在しない作品を展示しているのだ。


何も作品展示の無い展示室 Don't Follow the Wind(Chim↑Pom)

 その集落が指定解除になったら展覧会は公開されるそうだから、もしかしたらもう見ることができるのかもしれない。
 こうして、立ち入り禁止地域の中で、あえて展覧会を開催すると行為自体が、社会に深く介入し告発するコンテンポラリーアート作品である。面白い。
 真っ白な箱のままの部屋の大きな窓の外に東京の風景が広がる、その先に福島があるのだろうか。思いをはせるしかない。
 他にも面白いChim↑Pom作品を観て来た。

狂歌<ヤレヤレ、>
核毒が降る日々十年コロナ来てはや二年余こんどは戦争

 (20220618記)

2022/06/17

1624 【コロナとプーチン】コロナ規制も緩和のようで飲み会やるかな、プーチン戦争長引きそうで食糧危機かも

 2022年の6月半ば、定例の月半ば二つの戦争報告を書いておく。実情を書くと言うよりも、わたしの尋常を書いておくのである。

●コロナが緩んだのかしら

 このところウクライナのプーチン戦争に気を取られていて、新型コロナ戦争のことを忘れそうになる。政府もコロナ対策はどう緩めるかばかりやっているようだが、コロナはどんな具合なんだろうか。

日本コロナ最近半年間の感染者の発生状況

日本コロナ最近半年間の死亡者発生状況

 感染者も死者も第6波が下がってはいるが、ダラダラとロングテイルの蛇で、感染者は相変わらず毎日万を超す発生で、ちっとも消滅しないのだが、これって収まっていると言ってよいのかしら。

日本コロナの都道府県別感染者と死者状況

 こんな状態なのに、御上の言うことには、マスクは真面目につけなくてもいいよ、酒飲み会を少人数ならやっていいよ、旅行にも行っていいよ、外国からのツアー旅行者たち団体を入れてもいいよ、そしてどうやら7月からはまた強盗GOTO助成金復活らしい。
 沖縄では東京や大阪並みの感染発生が続くのに、観桜客入れてもいいのかねえ。島根県や鳥取県にも観光客が行っては、せっかくの日本の防疫先進県も感染先進県になるかも。

 2年以上もマスク強要日本だったから、今になって外していいよと言われても、戸惑いがある。では今日はマスク無しで遊びに行くぞと出かけたら、周りの他人はマスクしているし、みんあから睨まれているような気がするし、居心地が悪い。

  小学生が新聞投稿していたが、物心ついてずっとマスクしていたから、急に外してよしと言われても、外すと裸みたいで恥ずかしい、とのこと、ごもっともである。いっそのことマスクも学校制服にしてはどうか。マスク着けてて悪いことはあるまい。外す必要があっればその時だけはずせば宜しい。

 まあ、いずれにしても会食や飲み会してもよいと言うのだから、うれしいことはうれしい。この2年半も逼塞して、わずかにネットのメールとかZOOMだけでバーチャル顔合わせしてたのを解除して、さっそく死ぬ前に旧友たちと一杯やっておきたものだ。
 さあて飲み会段取りするぞーっ、と思ったら、今日、大学山岳文化魔だった男から飲み会野郎のメールが来た。同じこと考えるもんだ、大賛成。

 コロナで困った企業などに税金使って支援する助成金の制度が数多くあるが、このところそれを悪用して詐取する奴が多く出てきているようだ、やっぱりなア、そうなると思っていたものだ。

 支給する政府側も出だしは性善説に基づいてできるだけ早く支給しようとするのはよいのだが、大金が動けば必ず悪用が出る。しかも支給する政府や自治体の役人側にも、国会議員にも悪人が登場するのだから、世の中はやっぱり性悪説にならざるを得ないのだな、情けない。

全世界のこの半年間のコロナ感染者発生状況 ロングテイル

全世界のこの半年間のコロナ死亡者発生状況 これもロングテイル

●ウクライナ局地で長期戦か

 ウクライナのプーチン戦争は、東部の都市世ベロドネツクに集中してロシアによる攻撃がはげしいそうだ。ウクライナ側は西側諸国の兵器援助を求めて叫び、それに応えてたくさんの中古兵器が持ち込まれているらしい。

 ロシアとしては、西の国境に接する国々が、NATOやEUに加盟すると恐怖らしく、一皮の緩衝地帯となる国が欲しいらしいことが戦況図からよく分る。でも、その恐怖心からの行動が、東欧諸国はもちろん北欧スカンジナビア諸国もバルト三国そしてウクライナもNAOとEUを招き寄せてしまうのだから、政治的に稚拙としか思えない。

 ウクライナは劣勢ながらも持ちこたえているらしいが、いつまでこの状況が続くのだろうか。ロシア国内でのプーチン支持率は高いとの報道あり、日本の戦中と同じ様相らしい。ロシアはどれほどの国力があるのだろうか。国土は広いが実際の富は大国ではないらしい。それにしても西と東の違いが激しくて、ひとつの国になりうるのかと思う。たぶんに陽が足と西にと見の差が大きすぎて、西が東に従属せざるを得ないので一国になりえているのだろう。

 今朝の朝日新聞に、この戦争についてロシアの心情を解説している。
 ロシアとしては、西側諸国かからこれまで何回も何回も侵略されては跳ね返してきた。一度もこちらから侵略したことは無い。今回もアメリカがNATOを使ってウクライナ東部に侵略して来たので、国土防衛のために戦っている。第1次大戦から続く祖国戦争であり、今回も祖国を守っているのだから、国民の支持を得ている、というのだ。
 実際はロシア側からの侵略は、わたしの記憶の範囲でも、チェコやハンガリーあるいはアフガンなどで侵攻加害者になったことがあるのだが、国内では被害者意識ばかりらしい。

 国際関係についてはまったく事情を知らないのだが、戦中の日本もそうだったと思い出すことがきる。ロシアはこの戦争の後のことをどう考えているのだろうか。
 ある日、プーチンがコロナで死ぬとか、CIAかMI6に暗殺されるとかで、一気に終戦になるってことは、、、あるかなあ。

 それにしても、西側から兵器の供給がこうも続くと、兵器産業が栄えることだろう。その一方では、世界の小麦生産輸出国のロシアとウクライナからの輸出が止まって、これからの世界食糧事情がどうなるのか。ウクライナでは今年の小麦生産ができるのだろうか。
 わたしの戦争体験は、とにかく腹が減っていたことだから、これがいちばん気になる。

(2022/06/17記)


2022/06/01

1623【地球侵略病原体】昨夏はオリパラ第五波暑苦し今年はプーチン第六波の初夏


 いま地球を侵す2大病原体、コロナとプーチン、願わくはこの2病原体が合体してくれんことを、たぶん、毒を以て毒を制する結果になるだろう。クレムリン宮殿の一室をピンポイントで狙う生物兵器ってあるかしら。
 2022年も6月を迎えた。いつものように先月の状況まとめを書く。

●日本コロナ状況

 まずは先輩格のコロナの話からはじめよう。2020年正月に始まって以来2年5カ月、さすがに飽きたという感もあるが命にかかわるからそうもいかない。地球上どこでもそれなりに大変らしい。
 地球上の人間は生物としてはみな同じだから、命にかかわるとなると同じような行動をするものだと思っていたが、国家という囲い込みの中でそれぞれ異なるのが、面白いと言うかヘンだと言うかコワイというかバカというか。



 まず日本コロナは、第6波がピークを越えてから減衰するそぶりを見せながらも、ぶり返したりして、コロナのヤツはなかなかしぶとい。みんなしびれを切らして、とうとう堪忍袋の緒が切れた経済界の圧力で、政府は新たなコロナ対策を出さざるを得なくなった。

 要するに、マスクしなくていいよ、飲み会やってもいいよ、あちこち動いてもいいよ、外国からの観光客を呼び込んでもいいよ、緩和緩和また緩和である。要するにコロナ以前と同じってことである。

 ただし、さすがにまだコロナが居座っていて、日に万を超す感染者が出ている状況なので、なんだかへっぴり腰緩和で、段階的な緩和策を手探りで始めている。ぶり返したらまた緩和取りやめにするのだろう。臨機応変と言えばよいことだが、へっぴり腰と揶揄される。
 とにかく、コロナを克服したぞ、いや、克服しつつあるぞ、いや、克服したかもしれない、てなところが、政府も専門家もそして普通の人(わたしのこと)の思いである。

 わたしは5月中に東京の美術館へ1日だけ出かけた。飲み会に誘ってくれる人はいない。ましてや仕事のお誘いは皆無である。
 老人に残される社会はもうネット空間の中にしかない。少なくなるばかりの友人知人たちとの日常やり取りはSNSやEメール、年寄りの好きな同期会はZOOMでやる有様だ。
 これがコロナがもたらした高齢社会の現実である。

●隣国コロナ状況

 さて、海の向こうのお隣ではどうなのかと見れば、南コリアは感染数累計は、いつの間にかロシアを追い抜いて、世界ランキング7位に登場している。新大統領がつい先日に就任、さっそく腕前を試されるから大変だ。
 北コリアも突然に大感染とて、キムジョンウン親分さえもマスクして登場するくらい大変らしい。でも南コリアからのワクチン支援の申し出を断ったそうだから、コロナにも負けない親分だ。


 そしてチャイナでは大都市の上海で3月に突然大流行となり、そこは最初の武漢での封じ込め成功体験がある国家だから、上海でも強烈な都市封鎖で2500万人もの住民の外出禁止を約2カ月も続ける。シーチンピン親分が率いる強権国家ゼロコロナ政策はすごい。

 2ヶ月も封鎖すると、社会経済文化コミュニティー崩壊が起きてきて、さすがに市民や企業からおおいに不平が高まったらしい。だが、とうとう不平もコロナも押さえつけ成功、この6月1日ようやくロックダウン解除だそうだ。チャイナではそのロックダウンが都市崩壊ともいうべき数々の問題を、今後どう立て直すかが問われるのだろう。

 チャイナがゼロコロナ政策であるのに対し、日本も含めて世界各国が免疫論によってどちらかと言えば共生コロナ政策により、あいまいな動きでコロナ延命状況が続く。
 どちらが良いのかわからないが、もしもこれで強権国家賛美が起きると今後世界にどう影響するのか、考えるとコワイ。プーチン戦争が世界各国にもたらしている軍事国家賛美と通底するものがある。

 このところなんとなく感じるのは、地球はまた東西2陣営の対立時代になりそうなことだ。一方はロシア・チャイナを中心とする陣営、もう一方はアメリカ・EUを中心とする陣営である。東西冷戦時代の再来だろうか、よく分らない。

●プーチンは対西側兵糧攻め

 コロナウィルスと並ぶもう一つの地球病原体プ-チンロシアがやっているウクライナ侵略戦争は、2月下旬に始まって今やもう4カ月になったが、まだ止まない。1か月ほどで作戦変更して、ウクライナ全体制圧方針から、南部と東部を占領するらしくそちらへの侵攻が激しい。

 ウクライナも西側諸国から武器援助を受けて、果敢に抵抗しているが実際の戦況はそれほど良くもないようだ。だが、ここにきて世界への影響は一段と著しいものがある。地球上の各地区の経済はどこもかしこもネットワークして動いてるので、西側諸国がロシアを経済制裁すると、その跳ね返りがやってきているようだ。

 まずはロシアがガスエネルギー小麦の世界的な供給国であるので、制裁措置でそれらが途絶えると世界で物価上昇になる。ヨーロッパはエネルギーのロシアへの依存度が高いらしい。その点で、アメリカは平気なのだろう。

 ウクライナも実は小麦の輸出国なのだが、ロシアが侵攻してきて黒海の港の封鎖をして、輸出を邪魔している。ロシアからもウクライナからも小麦が輸出されないと、世界は食糧危機となる。港の封鎖を解くには経済制裁解除が条件だとプーチンは言う。ポーランド方面の陸続きで輸出する策が講じられるようだが、果たしてうまくいくのか。

 どうやら分ったのは世界を兵糧攻めする作戦である。プ-チンの側にはガスエネルギと小麦という人質があるのだった。更に言えばウクライナのザポリージャ核発電所も人質と言える。ロシアにある核兵器を使わなくても、それと同様の効果を持つのだから、始末に悪い。

 これらは西側諸国では分かっていたことだろうに、どうするのだろうか。わたしはコロナで世界各国がそれぞれ食料囲い込みに入るだろう、だから食糧危機が来る怖れがあると、去年中ごろに心配しだしたのだが、今になってプーチン戦争でそれが急に現実味を帯びるとは思わなかった。

●コロナにプーチン敗北の日を待つ

 ウクライナでのプーチン戦争は、2014年のクリミヤ半島侵略以来もう8年も続くが、コロナと合わせてどこまで地球の疲弊が進むのだろうか。厄病神プーチンがコロナに罹って倒れ敗北の日が来ることを期待するばかりの地球世界である。どうやらプーチンは基礎疾患があるらしいから、コロナに期待する価値は効果あるだろう。

 それにしてもプーチンさえ倒れれば解決するって、地球世界はそんなに簡単な原理で動くものなのか、どこか騙されているような、夢でも見ているような、SF世界に入り込んだような、何とも不思議な気分である。

 いまウハウハ儲かっているのは兵器産業と言われている。プ-チン戦争をやらているのは彼らだと言う陰謀論もあるようだ。



 ならばぜひとも開発してほしい兵器がある。クレムリン宮殿のある一室だけピンポイントで狙うことができる、コロナウィルス搭載の生物兵器である。できそうな気がするが、これができると戦争が終わるから、兵器屋さんが開発するってのは技術的に可能でも、まったくのおとぎ話であろう。

 コロナ後の世界を見たくて長生きしようかと思ったが、どうやら見える日はまだまだ遠いようである。日々のコロナと戦争のドタバタに好奇心を持って、野次馬根性だけで暇つぶしして生きているが、もう疲れて来た。
 去年夏はオリパラとコロナ第5波で大迷惑だったが、今年はオリパラなくて半分せいせいと思ったら、コロナ第6波ぐずつく間にプーチン戦争が来て、もう暑苦しい初夏である。

昨夏はオリパラ第五波暑苦し 今年はプーチン第六波の初夏

●「戦争プロパガンダ10の法則」

 こんな本を読んだ。原書が出版されたのは2002年、つまり例の9・11事件の後、USA軍が戦争を起こしたばかりの時に書かれたもの。


 内容は、それまでの数多くの戦争を振り返ると、戦争当事国の政府や国民たちは、戦争を正当化する宣伝文句をあれこれと声高く言うが、整理すると「十の法則」がある。その本の目次が法則項目なのでここに載せておく。今、ウクライナでプーチン戦争3か月目、この法則が当てはまるかしらと読むと、実に面白かった。
 その法則とはつぎのようである。(目次のページ)

 だが著者の前書きには、更にこれにもうひとつの法則を書き加えているので、そこのくだりもここに載せる。

(2022年6月1日記)