文化庁は近いうちに、鎌倉は富士山と一緒に世界文化遺産登録の推薦書をユネスコに出して、審査を受ける段取りに入るそうだ。
鎌倉は日本の世界遺産登録の最初の推薦暫定リストに入ったのだが、いまだに本推薦に入れない状態にある。それはどうしてかはここでは書かない。
世界文化遺産はコアとなる施設やエリアが登録対象資産となるが、その周辺地区を登録資産と調和する景観域(バッファーゾーン)として設定することが求められる。
分かりやすく言えばバッファゾーンには超高層ビルとか真っ赤な看板とかは禁止である。
鎌倉市のいわゆる旧鎌倉と呼ばれるエリア内に登録候補資産はあり、バッファゾーンは旧鎌倉エリアのほとんどとなる。
さて、そのバッファーゾーンに「元治苑」という邸宅がある。そこには立派な庭園があり、移築してきた江戸時代の茅葺屋根民家がある。
そしてお決まりのように、ここを住宅開発事業者が買って、分譲共同住宅(いわゆるマンション)を建てることになった。
そしてまたお決まりのように、近隣住民たちから反対運動がおきた。
わたしは詳しいことは分からないが、反対運動の理由はこうらしい。
まず、世界遺産登録候補資産のバッファーゾーンに共同住宅に建てることは、世界遺産登録を目指すまちづくりにはふさわしくない。
そして、歴史的建築物と庭園を調査をきちんとして評価し、歴史的な施設として保存するべきである。
そしてまた、地中には鎌倉幕府の遺跡がある可能性が高いので、その調査をして遺跡保存するべきである。
鎌倉にお住まいのジャーナリストの知人から、この件についてアンケートで回答を求められたので、回答した。
その方のブログにわたしの回答が載せられている。
http://blog.livedoor.jp/kikurotakagi/archives/3503280.html
そしてほんの少しだが反論があった。
http://blog.livedoor.jp/kikurotakagi/archives/3506583.html
「世界遺産帝国主義」なる刺激的にも読める言葉をあえて使ったので、反論がものすごくあると期待したのだが、それほどでもなくて、期待はずれだった。
世界遺産帝国主義でなにが悪いって、そんな反論をわたしが書きたい。
わたしはレーニンも秋水も読んだことはないのだが、「**帝国主義」なる言葉は、社会学者の上野千鶴子が建築家の山本理顕のことを「空間帝国主義者」と言ったのを読んで、なるほどこれは面白いと、適当に応用しているのだ。**原理主義も使える。
そういえば、世界遺産登録ってのは、どこか西欧による文化帝国主義の臭いがする。
●参照→景観帝国主義
http://datey.blogspot.com/2009/01/blog-post_30.html
鎌倉の世界遺産
http://datey.blogspot.com/2009/12/210.html
世界遺産談義
http://homepage2.nifty.com/datey/kamakura-sekaiisan2010.htm
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