宇宙のお隣「イトカワ」さんちに行って、ジャガイモのかけらをもらってきてちょうだいって頼まれた「はやぶさ」くん。
はじめてのおつかいに張り切って出かけて、無事にイトカワさんちに着いたのはいいけど、庭先でこけてしまった。
泣き泣きようやく起き上がったのはいいけど、気が動転してかけらを拾うことを忘れてしまって帰途についちゃった。
帰り道で道草を食ったり、迷子になったり、転んで怪我したりして、おうちの人を心配させつづけたけど、4年で帰る筈を7年もかけて、ようやくおうちの地球に帰り着いた。
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宇宙飛行の現実に慣れてきて、もうロマンがなくなったと思っていたら、惑星探査機「はやぶさ」が話題になっている。
わたしも昨夜は、帰還場面のネット中継サイトに入ったけど、混んでいて全然つながらなかった。
わたしでさえもそうしたくらいの人気ぶりは、ひとえにその飛行のドジさ加減と、それを飛ばした宇宙屋サンたちの心配さ加減が、いかにも人間臭いからである。
宇宙でいっぱいのトラブルを乗り越えた有名な事件は、アポロ13号帰還劇であった。あの時は酸素飢餓になるので、人間の命がかかっていた。
こんどの「はやぶさ」は無人だったから、4年の予定が7年に延びても、人間が飢餓になることはなかった。もっともロケットは燃料切れで飢餓状態であったらしいが、なんとか食いつながせたのがロマンの出所である。
地球誕生の45億年前の何かを抱えている「イトカワ」への旅は、まさにタイムトラベルである。はたして45億年前まで行ってきた証拠物件を持って帰ったのかしら。
それにしても宇宙のジャガイモ、いやピーナツか、奇妙なもんである。
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旅の疲れに燃えつきた「はやぶさ」くんは、来年から東北新幹線の列車に生まれ変ってこの世に登場することになった。こんどは無事におつかいをやってくれるだろう。
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