ザード一部保全工事部分はまだ梱包の中だが、上空にガラスのタワーが全部見えてきた。
おお、やっぱり、どうみても紙ヒコーキだよな、これは。あのガラス壁の折れ曲がりは、懐かしい折り紙だよ。
ほぼできあがったガラスのタワーを横から見たら、ガラス面は一枚の折紙のように、ビル表面に浮いてくっつくディテールである。
まさに巨大折り紙ヒコーキそのものである。
去年、この再開発プロジェクトの完成予想図が公表されたのを見て、はて、これはデザインソースは紙ヒコーキだよなあ、そう思ったのだが、現実にそうなっているのだ。
デザインを担当したという建築家ヘルムート・ヤーンはアメリカ人だが、これもよくあるガイジンが抱く日本イメージのひとつなんだろうなあ。
そして、アッと気がついたのは、これはまさに9.11のパロディだぞ、ってことだった。そう気がついてすぐにこんなことをわたしのサイトに書いた。
「その絵をしげしげと見ていて、はっと気がついたのだが、この上部構造の超高層建築のデザインは、折り紙飛行機なのである。
ガラス板で折ったヒコーキは今、下部構造たる中央郵便局舎に突っ込んできて、まっさかさまにブスリと突き刺さったのだ。
次の瞬間、、、なにもおこりはしないが、ある幻惑にかられるのだ。超高層部は立ち上がっているのではなく、天から舞い降り突入してきたのだ。
21世紀幕開けの年にニューヨークで起こったあの9.11事件、これはそのパロディにちがいない。
かの地の業務中枢のマンハッタンとこの地の丸の内、最高に高いWTCとJPタワー、そしてガラスに託したヒコーキのメタファー、これはパロディであるかもしれないが、むしろ真正面からの文明批評と言わねばなるまい。」
全文は→東京中央郵便局舎の改築と建築保存の諸問題
これは建築デザインによる文明批評に違いない。
USAではそんなパロディは袋叩きだろうが、遠い日本ならパロディでもよいだろう、はたしてパロディと気がつくかどうかが問題だが、とまあ、こんなふうにへルムート・ヤーンが考えたかどうか、もちろん知らない。
でもモダンアートは見るほうの心が決めることだから、ありうるのだ。
ところで、下半身のほうは梱包が解けたら、どう見えてくるだろうか楽しみである。
そのモダニズムデザインは、俗受けしないから東京駅ほどには保存運動は盛り上がらなかった。
当時の鳩山総務大臣(元総理大臣の弟)が口出しして、マスメディアが面白がった事件があった。ちょっとだけ盛り上がったが、結局は駅前広場に面する2スパン分の保全が決まった。
免震構造にするとかで、面倒な工事をしているらしい。
東京駅丸の内駅前広場を囲む建築は、三菱ビル・丸ビル・新丸ビル・オアゾは21世紀の新築だが、日本工業倶楽部会館は1920年と2003年の重層で完成、そして東京駅が1904年と2012年、中央郵便局が1931年と2012年のそれぞれ重層となってできあがるのである。
建築における歴史の重層的表現を、これからどのように評価するか、楽しみである。
と同時に、東京駅赤レンガ駅舎といい、三菱1号館美術館といい、大金をかけて昔の建築をコピー再現する見世物小屋をつくるという、奇妙な退廃的爛熟気味の時代の面白さも楽しみである。(2011.11.01)
USAではそんなパロディは袋叩きだろうが、遠い日本ならパロディでもよいだろう、はたしてパロディと気がつくかどうかが問題だが、とまあ、こんなふうにへルムート・ヤーンが考えたかどうか、もちろん知らない。
でもモダンアートは見るほうの心が決めることだから、ありうるのだ。
ところで、下半身のほうは梱包が解けたら、どう見えてくるだろうか楽しみである。
そのモダニズムデザインは、俗受けしないから東京駅ほどには保存運動は盛り上がらなかった。
当時の鳩山総務大臣(元総理大臣の弟)が口出しして、マスメディアが面白がった事件があった。ちょっとだけ盛り上がったが、結局は駅前広場に面する2スパン分の保全が決まった。
免震構造にするとかで、面倒な工事をしているらしい。
東京駅丸の内駅前広場を囲む建築は、三菱ビル・丸ビル・新丸ビル・オアゾは21世紀の新築だが、日本工業倶楽部会館は1920年と2003年の重層で完成、そして東京駅が1904年と2012年、中央郵便局が1931年と2012年のそれぞれ重層となってできあがるのである。
建築における歴史の重層的表現を、これからどのように評価するか、楽しみである。
と同時に、東京駅赤レンガ駅舎といい、三菱1号館美術館といい、大金をかけて昔の建築をコピー再現する見世物小屋をつくるという、奇妙な退廃的爛熟気味の時代の面白さも楽しみである。(2011.11.01)
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