福島第1原発の事故以来、なんだかよく分からない言葉がマスメディアに登場するのだが、どうも間違って使っているような気がするので、ここであげつらうことにする。
●「放射ナントカ」がわからん
放射線、放射能、放射性物質など、どう違うの? 新聞に書いてある解説をたまには読むが、すぐに忘れる。
専門的な用語はおいといて、要するに問題は「核毒」のことでしょ。「核毒」とはわたしの造語である。
放射ナントカが人体に毒があることに要点があるのだから、そこのところをわかるような言葉遣いにしてもらいたいので、「核毒」といってしまってはどうだというのが、わたしの提案である。
「人体に直ちには影響がない放射ナントカ…」といわれてもピンとこない。「直ちには影響がない核毒…」といってもらいたい。そのうちに毒が回ってくるってわかるからね。
ついでに、原子力発電は核分裂によって出る熱でお湯を沸かし、その水蒸気で発電機を回すんですってね。意外に原始的な原子力である。
で、なんでも核融合ってのもあるらしいが、分裂で熱が出るならその反対の融合は冷却するんでしょうね。核融合で瞬間冷凍原子爆弾ができるのだろうか。
●「除染」じゃなくて「汚除」でしょ?
この事件ではじめて「除染」なる言葉を知った。長い人生ではじめてであったので、手元の広辞苑をひいたが、載っていない。もしかしてこれは造語なのだろうか。
造語なら仕方ないにしても、読んだだけでは意味が分からないどころか、間違っている。
汚染は「汚く染まる」のだから、その汚れをとり除くのなら「汚除」(漢文風に「汚を除す」ならば「除汚」か)であるはずだ。誰かが「汚染」から類推して「除染」と言い出したのだろうと、わたしは類推する。
さらに問題なのは、核毒の汚れはとり除くことが不可能ということである。何かに着いた核毒を雑巾で拭いてそこからとり除いても、毒は雑巾に映っただけ、その雑巾を水洗いすると水に毒が映る、水を流すと下水道に映る、そして処理場にどんどんと蓄積されて、毒はどんどんと毒性を増してくる。
汚除して汚除しても、汚移するだけで、ますます汚増、汚貯する始末である。
除染なんていい加減な言葉は、誤解を招くだけのような気がする。明快に「除毒」といってほしい。
●「電源喪失」って「童貞喪失」みたいなものなの?
福島第1原発が事故を起こしたのは「電源喪失」によるのだそうだ。要するに事故を防ぐ電力がこなくなったってことらしい。
わたしがひっかるのは、まず「電源」である。電源とは「電源開発」というように、発電所のことだろう。福島原発は確かに電源だが、電源喪失の電源は他の発電所から来る電力のことを言っているようだ。
それなら他の発電所が地震で消え去ったのかと読んでみたら、それは無事で、要するに電力が来る電線が切れたってことらしい。
じゃあ、電源喪失じゃなくて電線喪失でしょ。
さらに「喪失」がおかしい、ヘンである。
普通は喪失ってのは、処女(童貞)喪失とか記憶喪失とか権威喪失とか気力喪失とかって、どんと心に響く属人的な状況に使うのである。
電気なんて物理的なことには使わないもので、金銭喪失で貧乏とか、食料喪失で腹ペコとか、あなた、言いますか?
ここは「電力遮断」なんでしょ。
なお、本当の電源喪失とは、発電能力を失った福島第1原発がまさにそうである。いまや「強力核毒大型ゴミ」であるが。
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