アメリカ航空宇宙局(NASA)は、月ロケットを飛ばしたアメリカ合衆国(USA)政府の宇宙開発機関であることくらいは、わたしでも知っている。いまどきは子どもでも知っているだろう。
そこにわたしの大学同期生がいて、そのプロジェクトのマネージメントをやっていた。といっても、わたしには何のことかわからない。
まあ、あんなものに人間を載せて、月まで送って、また戻ってこさせるには、なみたいていじゃない複雑極まるあれやこれやがあるに違いないから、その運営のマネージメントなんてものは、どえらい幅の広い積み重ねのある多様な技術や多様な人々がかかわっていて、どえらく大変なことだろうと思う。
月に行く途中で故障して、月を回るだけで引き返した失敗のアポロ13号事件のことは、本で読み映画でも見たが、よくまあここまでやったものだと思った。
それは、月往復の成功のための方法はどんどん積み上げていても、まさかの中途故障の場合の対策はできていないはずなのに、あの超難しい帰還を成功させたのは、そのまさかの「想定外」の場合(Crisis)への対応策があったからだろうかしら、と思ったからだ。
そこで「福島原発事件」である。まさかの想定外への対応がなかったことが如実になった事件である。これがNASAだったらどうしていたのだろうか。
そんなところに、冒頭に書いたNASAをリタイアした大竹博氏が、日本の国会と政府とのふたつの原発事故調査委会報告を読んで、その論評をくれた。彼は、プロジェクト・マネジメントの専門家として太平洋をまたいで仕事をしている。
それらの報告書を読んで、彼は、大きく3つの問題点を指摘する。
(1)RiskとCrisisを管理する問題
(2)Responsibility(直接責任)とAccountability(最終責任)の違いと使い分けの問題
(3)リーダーとリーダーシップの問題
なお、ここで指摘する問題点とは、原発そのものへの直接的な問題ではなく、事故調査会の報告の態度や内容への問題点であって、日本と欧米との巨大プロジェクトへの対応の違いをみることができる。
ここに掲載したので、読んでほしい。
国会及び政府の原発事故調報告に対する論評 著:大竹 博Ph. D.
http://goo.gl/tNjHV
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