2019/04/15

1397【甲府盆地の桃源郷で花見・2】鉄塔が月見草よりよく似合う富士をみつけて甲州花見


ご隠居:この甲州の桃源郷の風景には、実はもうひとつの大きなノイズ、というより大きすぎて風景の破れがあるんだよ。
熊五郎:なんです、それは。
:それはこの桃源郷の桃畑に立ち並ぶ高圧送電鉄塔と送電線だよ。風景を縦にビリビリと破る高圧線鉄塔が立ち並び、さらにそれらをつないで風景を横に何枚にもスライスする送電線が空中を走る。
:ということは、桃の花の向こうに見える富士や八ヶ岳や南アルプスの雪の山を鉄塔と電線が横切るんですね。で、なんとも無粋と言いたいんでしょ、ご隠居は。
穴山桃源郷の玄関の穴山駅の風景 南アルプス連峰と送電鉄塔と送電線
:それに加えてね、普通の電柱と電線もたくさんある。桃の花を観てると必ずと言ってよいほどそれらも眼に入るけど、もちろんここは果実生産工場だから、電線があるのがあたりまえだろうなあ、けど、これをどう観るかねえ。
:せっかく富士山を写真撮るのに、どうしても鉄塔を避けるのが難しい、カメラ好きたちは邪魔ものを避けて撮ろうとして、妙に這いつくばったり、変なところに入り込んだりしますよね。
:わたしもはじめはそうやってたけど、なんともバカバカしくってねえ、もう堂々と鉄塔と富士山を積極的に一緒に撮ることにしたんだよ。
:ほう、居直りましたか。
:うん、現実に見える風景を撮らなくて、特別な風景を探して撮るっておかしいよな。だって、ここは果実工場なんだから工場としてエネルギー供給の鉄塔や電線が通るのがあたりまえだな。

:そうそう、ご隠居も分ってきましたね、存在するものを存在するように眺める、先ほどのパイプのある風景もそうですよ。でも、それでよい写真になりますか。
:まあ、見ようによるだろうね。この話って、なんだかヘアヌード写真を撮るみたいに思えて来るね。陰毛や性器を隠すように撮るか、そのまま撮るか、、。
:ワハハ、パイプや針金は女性ヌード、鉄塔は男性ヌードって、ハハハ。
:まあ、鉄塔の無い風景の写真が欲しいなら、デジタル写真技術で鉄塔を消せばいい、簡単なことさ。
:あ、そうだ、それやって見ましょうか、ほれ、こうですよ。
:う~ん、なんだか鉄塔がある方が、風景に奥行きがでるし、構図がひきしまる感じがするなあ。
:まあ、写真好き観光客には、どこか鉄塔が見えなくて富士山と花がだけが見えるところを作っておいて宣伝すれば、みんなそこへ写真を撮りにゆきますよね。
花と八ヶ岳がよく見える観光客人気スポットがあった
:あのなあ、そんな誰もが同じ風景を見させられて、なにが面白いんだよ、わたしは私独自の眼で鑑賞する風景を見たくて花見に行くんだよ。
:ほほう、へそ曲がり花見ご隠居らしい。
:うん、発見したんだよ、富士には鉄塔がよく似合う、ってね。
:え~っと、それってなにかを真似してるでしょ、そうだ、太宰治のあれは月見草が似合う、だったような。
:ハハ、まあ、なんでもよろしい。だからね、そうおもうとだな、季節限定の花よりも、いつも立ってる鉄塔と富士の取り合いが、どうやれば美しくなるか、その構図を考えて撮るようになる。
:どうやったら電線が美しく富士山を横切るとか、いかにたくさんの電線と鉄塔が八ヶ岳を美しく飾るか、、とか、、ワハハ。
富士には鉄塔がよく似合う
甲斐駒にも鉄塔がよく似合う
八ヶ岳にも鉄塔がよく似合う
:そうそう、まだまだ鉄塔富士撮影の名人の境地には至らないけどね、ワハハ、そうやっているうちに分ってきた、もしかしたら甲府盆地には鉄塔電線山岳風景形成促進政策があるのかもしれないってね。
:積極的に鉄塔を建てる政策ですか、プッ、まさかねえ、そうじゃなくて、毎日、富士山やら南アルプスやら八ヶ岳を見てると眼が無頓着になり、富士鉄塔風景を平気になったんでしょ。
:いやいやその証拠にはだね、去年の春に甲府城の天守台に登って驚いたよ、そこから富士山を見ると、その手前に立つ大きな髙い電波用鉄塔がピッタリ重なるんだよ、これって、どうも意識的にそこに鉄塔を建てたとしか思えない。
甲府城址天守台から眺める鉄塔と富士
甲府城鉄塔富士
:う~ん、すごい、富士山を直接に見たら罰が当たるとかって、何か言い伝えがあるかもなあ、それでわざわざ鉄塔を建ててる、まさか、、ハハ。
:常識的に考えたら、甲州の至宝たる富士を邪魔する鉄塔とか超高層建築とか建てさせないような景観計画を行政政策としてやるだろうに、スゴイだろ。
:やっぱりなにか曰くがありそうですね、甲府は面白い。
:もうひとつ思い出したけど、以前に中央高速道路から、鉄塔にみごとに串刺しにされた富士山を観たことがあるよ。
:これは見事ですねえ、しかも赤白だんだら鉄塔だ、もうアートのレベルですよ、田楽富士と名付けて広重に描かせたい、いや、いまじゃあ山口晃か会田誠がいいですねえ、ハハ。
:花と山と鉄塔をそうやって眺めて、多面的に愉しんできたけど、ちょっと気になる現象が甲府盆地の桃源郷のあちこちで起きつつあるのを発見したんだよ。
:またまた、なにかイチャモンですか。
つづく

参照
【甲府盆地桃源郷で花見】(1)(2)(3)、(4)

・2018年4月 甲州の桃源郷へ
https://datey.blogspot.com/2018/04/1328.html
・2014年4月 桃源郷で徘徊新府城天麩羅会
https://datey.blogspot.com/2014/04/919.html
・2010年4月 甲州は桃源郷
http://datey.blogspot.com/2010/04/260.html

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