2019/12/08

1430【東京徘徊】大変化中の渋谷駅をちょっと見てヘタクソぶりを面白がるイチャモン

 一昨日(2019年12月6日)のこと、渋谷駅の外に出た。1年2か月ぶりである。

●このヘタクソ建築家は誰だ
 東急東館のあったところには、スクランブルスクエアなる名前の超高層ビルが建っていた。東横線地下駅を出て、地上に出てから銀座線に乗るには、このスクランブルスクエアを通り抜ける。(上図の赤丸の現在地表示のあたりから上方へ)
 このときにJR線渋谷駅を乗り越えるために、スクランブルスクエアのエスカレーターや階段のホールを通りぬける。ところが、このホールあたりの建築的処理のあまりのヘタクソさに、しげしげと見入ったのだった。
 これはインスタレーションかしら?
キモチ悪い

不器用を建築にしたような

オサマリ悪いなあ

 ヘタクソさを口で言うのは難しいが、縦横斜め上へ下へと部材が交叉していて、構造的にも意匠的にもいかにも現場当りやっつけ出たとこ勝負の仕事なのである。現場でツギハギするのを、木切れじゃなくてサッシとガラスと鉄骨でやった、としかみえない。
 いや、今どきだからコンピューター使って、あの複雑珍妙なデザインを克服したのだろうが、口では言い難いがどう見ても素人が増築した家にしか見えない。
 インスタレーションならテンポラリーなものだろうが、これはしっかり建築らしい。
なんじゃコレ
建築家と言うものは、このような複雑な空間でも、スマートに解決して納めて見せるのが腕前であるはずだがなあ、
どうなってんだろ、今どきの建築家は? 
このデザインした建築家は誰なんだろうか、あのヘタクソ建築家クマさんだって、もうちょっと上手にやるだろうになあ。
 デタラメに行き交う部材を眺めて、しばらく楽しんだ。

追記20100109
 この建築の名前が「Scramble Square」と言うのだが、建築意匠は上に見たようにデタラメだし、電車乗換径路は何が何だかわからない迷路だし、たしかに上手い名前を付けたというか、名前に合わせて設計したのか、「ゴッチャゴチャの2乗」とのネーミングに感心するばかりである。

●ボケ防止には渋谷駅へ
 渋谷駅はこのところ数年がかりの大普請中で、シッチャカメッチャカのヤッチャ場だから、1年余り敬遠していた。
 うっかり駅の外に出て電車を乗り換えようとすると、行くたびに通路が変るし、階段やら昇降機の位置がわからず、ウロウロウロウロ。
 足の運動にはなるのだが、どこに拉致されるか分からない。
 
 地下深く潜った東横線渋谷駅から、地上髙くにある地下鉄銀座線に乗り換えるためには、右や左や上へ下へと移動して、山岳冒険の森と言うか、立体迷宮というか、探検状態となり、実はけっこう楽しい。
 渋谷駅で乗り換えようとするヒマな年寄りには、電車賃だけの低価格で、ボケ進行遅延アスレチックステーションなので、なんともはやありがたいことだ。
 
 渋谷駅に大きな変化が起きていることは、SNS情報でそれなりに刻々と知っているのだが、3年ほど前に地上に出て乗り換えの超面倒くささを経験してから、地上に出るのを敬遠して、このところ地下で乗換ばかりやってきている。
 でもそれだと、なんだか地上の世界から取り残される浦島気分になってきたので、14か月ぶりに冬眠から覚めた蛙のように、こわごわと渋谷駅の地上外界を見てきた。

●土木と建築のデザイン競争はどちらが勝つか
 乗り換えで30分ほど観ただけだが、総じてJR渋谷駅の東側が大変化したが、その西側はまだらしい。
 東横百貨店の西館の建物はまだ建っていて、地下鉄銀座線渋谷駅を支えているが、店舗営業はやめたらしい。
東横西館は健在、右下は銀座線渋谷駅移転先工事中の屋根
あの面倒くさいJR線上空東西山越えルートはまだ健在で、東横西館からの銀座線への乗り換え階段の、バリアだらけの風景がなつかしかった。

銀座線駅ホームも移転改造が迫ってきているようなので、今のあの太い柱が邪魔な狭いホームに黄色電車風景も、もうすぐなくなるだろうと写真を撮った。でもわたしは鉄チャンではないよ。
今の銀座線渋谷駅ホーム
現銀座線渋谷駅ホームの移転先の屋根



現銀座線渋谷駅ホームとその上の東横西館

 今渋谷駅は建設工事を眺めるには面白そうなところである。大きな土木の構造物のデザインと、超高層建築のデザインとの競演を見ることができる。
 渋谷駅で土木構造物は、なんといっても空中を飛んでいる高速道路だろう。これができてもう30年くらいたつだろうか、ディビダーク工法とかって、左右から長大キャンティレバーで構築する様子が面白かったし、できあがった姿もダイナミックで美しい。
 ところがある時、そのダイナミックなコンクリート構造物に、ギンギラのステンレスを貼りつけるバカなことをやったのが、今の姿である。
左の高速道路構造物脇腹にギンギラ銀紙
ダイナミックな高速道路と繊細な歩道橋のとりあい


その高架の下にある、歩道橋がすっかり姿を変えてできていた。
 以前は、必要なところに必要な形で作りましたって、なんとも不細工なツギハギ姿だった歩道橋が、サークル状に結ばれてスマートな橋となっている。
 なかなかよろしいのであるが、頭上の高速道路の高架がダイナミックだが、チトうっとおしい。

 そういえばこのデッキから駅につながる一部に、かつての東横線駅構内のような空間を作ってあった。あの丸っこい菱形が並ぶ壁面、鉄骨アーチが連なる天井、鉄道レールを埋め込んだ床など、再現とも言えないがそれらしいつくりである。でももうちょっと何とかならないかなあ、なんとなく遠慮デザイン、まあよいか、、。
旧東横線渋谷駅ホームと線路のイメージ継承のつもりらしい

床にレールを埋め込んでいる ちょっとおざなりだよなあ

 渋谷駅東駅前広場の上空を跨いで駅とヒカリエを結ぶ歩行者デッキは、東急文化会館時代からなかなかに良いものだったが、今回はすっかり架け替えられていた。これもなかなかによろしい。
 土木構造としてはどうなっているのか、しげしげと見たがよく分らない。どうやら大スパンを天井の上にある大梁一本で飛ばしていて、そこから歩行床を吊っているらしい。やるものだなあ。
通路天井を縦に貫通する大桁から床を吊っているのかしら

 この歩廊の北に見える銀座線駅の土木的デザインも、まだ囲いがあって良く見えないが、なんだかダイナミックのようで期待する。
 東駅広場上空を飛ぶ高速道路、歩道橋、鉄道高架、そして駅前広場などの土木デザインがこれから完成形を表すと、どんなダイナミックな風景になるのか楽しみである。

 総じて建築はたいしたことないようだが、土木は面白そうだ。これまでは敬遠していたが、これからはちょくちょく外に出て乗り換えして探検もよいなあ、と思った。
 
参照:これまでの渋谷の記事
●2018/10/09 https://datey.blogspot.com/2018/10/1165.html
1165【渋谷アスレチックステーション】久しぶりに渋谷駅から外にでてみれば高齢者の足腰を鍛えるサービス充実を再確認
●2016/11/18  https://datey.blogspot.com/2016/11/1133.html
【東京・渋谷駅定点観測】日夜どんどん変わりゆく渋谷駅で老人はウロウロ、立体迷路のどこかから三途の川と黄泉の国へつながってるかも
●2015/03/12 http://datey.blogspot.com/2015/03/1066.html
ただいま渋谷駅は巨大な立体迷路遊園地かつ健康ウォーキングランドでバリアフリーくそくらえ
●2013/03/28 https://datey.blogspot.com/2013/03/746.html
玉久三角ビルから東横デパートへと渋谷の変わりゆく姿を追う
●2012/05/08 http://sites.google.com/site/dandysworldg/sibuya20120508
渋谷駅20世紀開発の再開発時代

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