2019/12/28

1434【年忘れ雑言】男女両性原理表現が真正面衝突した国立競技場騒ぎも今となれば懐かしや

 年の暮になると、世間ではこの1年を振り返る。わたしは振り返るべきことがなにもないから、春頃に仲間内の会誌に書いていた悪口雑文を引っ張り出しておこう。
 おりしも神宮外苑隣の国立競技場の建て替えが終って新建築が登場したので、その祝賀の意味も含めて、これを載せておこう。
 元原稿のタイトルは「老いのクリゴト酔いのクダマキ」であるから、そんな口調になっている。

●どろり生ガキ女に大あぐら男が襲われた国立競技場騒ぎ
 無駄なカネって言えば、2020年開催のオリンピックとかいう世界運動会もヒドイねえ、わたしはああいう見るスポーツを大嫌い、世界運動会には全く興味ないけど、それに関連して起きるゴタゴタ騒ぎには野次馬興味、なかでも2015年に起きた例の新国立競技場騒動、これは実に面白い暇つぶしになった、
現在は明治神宮外苑の隣りに巨大な洗濯盥か寿司桶みたいな新競技場が姿を現しつつあるらしいが、あれって本当は全然違う形で建つはずだったんだよ、思い出すとあれは実にヘンな事件だった、2012年に国際デザインコンペで女流建築家ザハ・ハディドが堂々の一等賞、そのデザインは時代の最先端を行く建築だったのを、運動会ボス森喜郎ってわたしと同年ジジイが、「どろり生ガキみたいでいやだ」と言ったけど、ホントはオマ■コみたいと言いたかったはず、生ガキが聞いたら怒るよ、庶民も大好きなオリンピック物件だけに、神宮外苑に似合わないとか、ガラが大きすぎるとか、公園を潰してケシカランとか、あれこれ四面楚歌のうちに、工事費を計算したら膨大過ぎると分って、そうなるとドロリ××デザインのことをすっかり忘れて、もっぱらカネメばかりで悪口雑言、マスメディアもデザイン論より分りやすいから煽り立て、一方では実施設計まで終っていて既にかかったカネが60億円、あとは工事費調達だけになっていた2015年、どういうわけか一競技場ごときに時の総理大臣がシャシャリでて、60億円捨てて白紙やり直し命令、オジャ~ン、国内設計施工コンペやったけど、あれって業界では大成建設物件とお決まりで、実は一部工事に着手していて、出直しコンペもやっぱり大成組一等賞、騒ぎに懲りてデザインじゃなくて早い工期と安いカネメで決めたのが今の寿司桶競技場、なんとも発展途上の開発独裁国みたいで国際的大恥かいちゃった。実はこれには東京都市再開発奇々怪々利権が潜んでいて、オリンピック後に世間が知るその話はまた別のときに。
白紙出直しコンペ当選は早い安いマズイ案
どろり生ガキ露骨な女性原理表現のザハ・ハディド当選案


大あぐら露骨な男性原理表現の神宮絵画館
  
 わたしはザハ・ハディド案で建てばいいなあと期待していた、その建つ位置がなんと明治神宮外苑聖徳絵画館という外苑心臓部の隣なんだからすごい、その姿と言ったら、石造どっしり大胡坐の真ん中に四角な包茎に●頭を覗かせた男性原理も露わな太く短いチン■コ建築だよ、その隣に曲面うねり流れパックリ割れて女性原理も露わなドロリ生ガキ建築だよ、見ようによっては絶好のコンビだけど、実は女が巨大すぎて男が呑まれそう、これでは保守派にとっては明治王権を汚す不埒不届不敬者だと言いたかろう、だってそもそも明治神宮ってのは、明治政府が新統治体制のために京の都から拉致してきた貴族トップ雲上人を、近代統治機構のカリスマ王権に改造育て上げたけれどのに、その死後の後継者が脳の病でカリスマ性皆無、困った政府は死せるカリスマを神に祀るべしとて全国総動員体制で造営したのだからね、その内苑は日本的に森の奥深く隠れる宮とし、外苑は西欧的に視覚に訴える権威的表現とし、合せて王権カリスマ賛美装置、外苑銀杏並木の透視景観の焦点に男性原理建築の明治大帝聖徳記念絵画館、並べて建てようとしたのが女性原理建築の新国立競技場、完成したら明治王権呪縛景観をザハ・ハディド流テロ爆弾で文明批評建築になり得ただろうに、惜しかったなあ、惜しかったと言えば騒動最中にザハ・ハディド急死、世界の建築界に新デザイン潮流を巻き起こしたバグダッド出身の天才建築家は、日本のドタバタ騒ぎで魔女殺しに遭ったのかも。 

 ことのついでに言うけど、カネがかかると言えば、なんと言っても原子力発電所が王者ですね、わたしはどうもこの原子力って言葉がうさん臭くて、ホントは核力でショ、原子力発電技術って核兵器開発と隣合わせなので、わざと言い換えているのかなあ、水力やら火力とおなじように核力って言いなさいよ、その原発じゃなくて「核発」が津波で大事故の事件、あの福島核発事故処理にかかる費用が2016年経産省試算では核廃炉8兆円、
ヒロシマとフクシマ
核毒被害賠償7・9兆円、核毒除染4兆円、核毒物質中間貯蔵施設1・6兆億円、なんと合計21・5兆円!だそうで、最初の想定が2011年で6兆円だったそうだからものすごい膨れ様で、そんなカネって1万円札でどれくらいの厚さか見当つかないけどもっと膨らむかもしれない、だって今までやったことないことやるんだからね、それでね、もっと驚くのはそれを負担するのは事故責任者じゃなくて日本国に住む者たちってこと、つまりみんなが払う税金と電気代なんだってさ、そうすると廃炉事業費が不足すると政府は税を上げるし、発電屋は電気代を値上げすればいいって、なんとまあ気楽な商売なんでしょね、打出の小槌ってこのことだな、これから福島以外の廃炉がどんどん起きてくると、もうとんでもない費用負担がわたしたち、いやわたしはもうすぐ死ぬ年寄りだから知ったことじゃないけど、次の世代もその次もその次もホントに大変だねえ、これって戦後高度成長時代を築いてきたわたしの世代がバカだったんだ、ほんとにお詫びするしかないですねえ、なのに次世代人がやってる今の政治は今後も核発電所を作り続ける政策だって、どうも分らぬこの世から、もうおさらばしたいものだ。
   (以上は、Q人会誌2019掲載:20190505)

 新国立競技場に関する孤乱夢は、竣工したそれを観てからまた書きたいとも思うが、どうせ分かっていることだからもう見に行かないことにして、その悪口雑言はこれで終わりとする。なお、神宮外苑再開発に関してはまだまだ興味が尽きないので、随時イチャモンを書き続けたい。

新国立競技場や神宮外苑再開発の孤乱夢一覧(まちもり散人筆)
https://datey.blogspot.com/p/866-httpdatey.html

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