2023/12/22

1767【健康保険証消滅】めったに医者にかからぬし近いうちそれも不要になるから平気だな

 

 日本政府が発行する「個人番号カード」というものがあるが、ご存じだろうか。そのためのれっきとした法律がある。「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」と言う長たらしい名前だ。

 その法の第16条にこうある。「機構は、政令で定めるところにより、住民基本台帳に記録されている者の申請に基づき、その者に係る個人番号カードを発行するものとする」

 で、この個人番号カードを「マイナンバーカード」とか「マイナカード」とかいうことにしたのは、総務省である。要するに「個人番号カード」では、国民に背番号をつけて徹底管理しようとする政府の意図が丸見えなので抵抗が多かろうと、勝手にマイナカードなんてニックネームというか、芸名を付けたのである。

 それにしてもだよ、自らの名を「マイナカード」と言うなんて、そんなにへりくだることはあるまいと思うのだ。国民みんなに持たせようっていうのだから、たぶん何百億円も費用がかかる、つまり巨額税金を投入する大仕事だろうから、これは「メジャーカード」と言うべきである。それを「マイナー」なんて国民をバカにしている、と思う。
 
 さて、その「個人番号カード」(これも略称として「個番カード」と言おう)を、健康保険証にしてしまおうという政府プロジェクトが問題をはらみつつ進んでいる。その略称をマイナ保険証と言うらしい。
 つまりマイナーな保険のカードであるのかと言うと、いやいや健康保険こそはメジャーである。政府はどうやら健康保険をマイナーなものにしたいらしい、その意図がカードの名付け方で判明する。でも、わたしはめったに医者にかからないからマイナーカードである。

 で、個番カード(政府が言うマイナーカードのこと)に健康保険証を合体させて、健康保険証を廃止するという政府作戦が着々と進みつつある。ところが、主として高齢者層から大反対の声が大きい。
 そもそも個番カード(マイナーカード)を持っていない老人がが多いのである。今更そのカード取得手続きなんて面倒くさいことをやりたくない、そんなもの無くても今の紙の保険証のままで何の不都合もない、これが大方の理由であろう。

 わたしも高齢者であるから、その言うところがよく分かる。でも、実はわたしはその個番カードを、政府発行の最初の頃に取得しているのだ。その動機は、どこにも所属していないし、旅券も切れたし、今や自分が何者であるか他人にむけて証明するものががない。
 健康保険証だけが頼りだが、なくしたり忘れたりする恐れがある高齢者には、もうひとつ身分証明を持っておきたかった。そのためだけに個番カードを取得したのだ。

 その取得のため区役所での手続きが実に面倒であった。それを聞いた妻は取得しなかった。ところが、うやって取得した個番カードの出番はほとんどないままである。毎年使うのは所得税確定申告書にコピーを貼り付けるくらいなものである。これも必須とは言えない。
 そのほかで何かに身分証明として使った記憶があるが、ほとんど覚えていないほどに、どうでもよいことだった。つまり自分がそれほどにも社会とかかわりがないということだ。

 あ、そうだ、最も有効に使ったことが一度だけあった。最近になって取得すると政府が5000円くれるのだが、わたしが取得したころはくれなかった。そこで区役所に不公平だから俺にも5000円よこせと言いに行ったら、後追いでも呉れるという。当たり前だ。
 そこでまためんどくさいこと極まる手続きをやって、ようやくくれることになったが、実際に手に入ったのは、手続きから半年ほど後だった。バカにするな。

 その5000円手続き時に、銀行口座とか保険証とかも個番カードにリンクさせる(これを紐付けと言うらしいが紐はない)と、更にいくばくか呉れるという。金で釣ろうとするのが気に食わない、またまた面倒なPCいじりをするのがもっと気に食わない、もともと原資は税金だから素直によこせ、なんてことで、それらはやっていない。

 だがさて、来年末から健康保険証紙カードがなくすると言うから、それまでに何とかするべきか、わたしはできたとしても妻は身体を運びあれこれ手続き不可能な状況である。区役所にうち迄やって来てもらう方法があるのかしら、あるいは代理手続き可能なのか。

 考えているうちに、もうどうでもいいや、そうだ、健康保険証が無くてもいいのだ、と思いついた。その理由は簡単なことで、健康保険証廃止になった頃にはわたしも妻もこの世にいないから、どんなカードも全く不要になるのだ。ああ、気楽なものだ。ああ、よかった。

 あ、まてよ、政府はそれを狙っているのかもしれない。ごちゃごちゃ言う年寄りどもはバタバタと死んでいくから、個番+保険カードに問題提起して反対する奴らは、自然淘汰で来年末迄にはほとんど消え去る、政府はそう考えているに違いない。
 その手に乗るのは癪だが、乗らざるを得ないのも事実である。年を取るとはそういうことであるのか、そう思うことが近頃どんどんと増えていく。

(2023/12/22記)

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