男の日傘が売れているそうである。世の中の話題らしい。
えっ、今ごろ、どうして?
わたしなんぞ、ずっと昔から、暑い日照りの時は、雨傘を日傘にして歩いていたぞ。
男が日傘をさすのがおかしいなんて、ちっとも思っていなかったぞ。
てことは、わたし以外の男はそう思っていたのかあ、知らなかったなあ。
でも、それがなにか?
どうも、これって、傘屋の宣伝にひっかかっているような気がする。
あれでしょ、透明100円傘ばかり売れるもんだから、干上がった傘屋が、それじゃあ日傘になりませんよ、こっちをお買いなさいって、反撃作戦でしょ。
そこでまた、年寄りの昔の思い出噺になる。
わたしが小学生だから大昔のこと、父が出先で急な雨になって借りてきた傘を、おつかいで返しに行かされた。
それは立派な和傘で、暗緑色に塗ってあり、なにか金線模様もあった記憶がある。
道々、開いたり閉じたりして遊びながら歩いていて、なにかに当ってバリッと大穴があいた。
アッ、どうしよう、これ持って引き返すと大目玉だなあ、しょうがない、キレイに折りたたんでお返しすれば、先方はその場で開いて見はしないだろうってことで、こわごわと返してきた。
その返した先の家は、映画「男はつらいよ」シリーズに出てくる、武家屋敷町の旧家だったような記憶がある。寅さんの妹の夫、つまり義弟の生家という設定である。
その後、びくびくしていたが、いまだに何もないから、先方が泣き寝入りしたのであろう。ゴメンナサイ。
いまも蛇の目の和傘ってあるのだろうか、あっても高いだろうなあ。100円じゃないよな。
あれを男の日傘にすると格好いいよなあ。
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