2026/08/23

1971【くたばれマンション】今や億円単位だからオクションと呼称を変更するべきだ

●今やマンションは詐称になっている

 東京23区内では、今年7月の新築マンション一戸当たり平均価格が2.6億円以上だったそうだ。なんという高額だ、これはマンションではなくなって、オクションになったぞ、早急に改称すべきだ、これでは詐称だ。

 ところが実はマンションという外来語らしい呼称そのものも、かつては詐称らしきことから始まったらしい。日本の戦後のようやく復興期のころ、、このようなコンクリ中高層共同住宅を売り出し始めた不動産屋がマンションと言い出した。

 それは、その戦後すぐの日本は住宅不足時代に対応して民間で流行したのが、木造2階建てアパートだった。アパートという名称は貧困住宅イメージになっていた。これと差別化を図ってマンションという外来語をとりいれた。

●誇大宣伝広告から始まったマンション呼称

 そのマンションなる呼称は、わたしはどうも誇大宣伝文句と思うのだが、そのことは、それ言い出した不動産事業会社のWEBSITEに、堂々と書いてある。

 中銀は、共同住宅に『マンシオン』(フランス語でいう“大邸宅”)という呼称を日本で初めて使用した会社です。その後、マンシオンは一般的に「マンション」と呼ばれるようになり、広く日本に浸透しました。中銀インテグレーション株式会社)

 フランス語ならAppartement(アパルトマン)だろうに、わざと大邸宅のmancionマンシオンを外来語にしたところが、先行の木造アパートと差別化しての売り出し作戦だったのだろう。いわばその誇大広告宣伝文句が成功して、庶民の人口に膾炙して戦後のコンクリアパートをマンションと言うようになり、木造アパートを見下すようになった。

●戦前日本ではアパートは高級住宅だった

 しかし、日本では戦前からアパートメントハウスという高級共同住宅があった。公的な事業としての同潤会の先進的なアパート群がそうだった。建築家山口文象の1936年作品に「アパートメントハウス青雲荘」というモダンデザイン共同住宅がある。有名映画俳優が住んでいた。

 アパートは高級共同住宅のイメージを持っていたのだった。著名人たちが住んだことでも知られる。戦後住宅難時代にそのイメージが継承されないで、零細木造2階建て共同住宅がアパートのイメージになったのが、日本の共同住宅の悲劇である。

同潤会代官山アパート(1927年)  (撮影1957年伊達美徳)

山口文象設計 アパートメントハウス青雲荘

 マンション言い出しっぺ企業のサイトに「フランス語でいう”大邸宅”」とあるが、その虚実は不明だが、英語におけるマンションとは、広大な敷地豪華な建築歴史と格式など備えた豪邸のことらしい。その典型はワシントンのUSA大統領邸ホワイトハウスだそうだ。

 これを日本語が意味する言葉で言うならば「御殿」であろう。そう、日本なら東京千代田区の皇居とか、皇室型の屋敷がある赤坂御用地などが典型的なマンションだろう。皇族たちが住むと屋敷こそマンションで、ウサギ小屋をマンションとは詐称おびただしい。

 どこか外国には、日本流のマンションウサギ小屋をGOTENと名付けて売り出している不動産屋がいるかもしれない。あるいは外国人が日本のマンションと称する住宅を、豪邸とか御殿と勘違いして買うなんてことをやっているかもしれない。

●法律でいうマンションとは

 さてそのいっぽうで、「マンション管理適正化法」なる法律の題名にあるように、マンションという言葉は法律用語になってもいる。この法では『マンションとは「2以上の区分所有者がいる建物で、人が住むための専有部分があるもの(およびその敷地や付属施設)』をいう。

 つまりマンションとは区分所有法でいうところの、複数の持ち主がいる住宅のある建物のことだ。建築基準法ではこのような建物を「共同住宅」という。だから共同住宅ビルに多くの住宅などがあっても、そのビルの持ち主が一人であるときはマンションとは言わない。

 ということで、法的には上に書いたようになるが、世の中一般ではそんなことはお構いなく、共同住宅ビルにある住戸はどれもマンションと思っているらしい。現にわたしが住む共同住宅ビルは、土地も建物も神奈川県住宅供給公社が所有して、賃貸事業をしているから、マンションではない。

 それなのに「このマンションにお住まいの方へ」などと書いた、勧誘チラシが入ってくるのは、世間ではここもマンションを思っているらしい。もちろん、とても「御殿」と呼ばれるような住まいではない。

●マンション記事を英訳させると

 新聞にこんな記事があったのを、ネット翻訳ツールで英文にさせてみた。ごらんのとおり、どこにもmansionは登場しない。

 新築マンション1.6億円:首都圏の7月の新築のマンションの平均価格が1億6493万円で、過去最高になった。都心での大規模なタワーマンションの新規発売が価格を押し上げた。

  “New Condominiums: 160 Million Yen”:The average price of new condominiums in the Tokyo metropolitan area in July reached 164.93 million yen, a record high. New releases of large-scale tower condominiums in central Tokyo drove up prices.

●横浜中古オクション広告

 わたしは日本式マンションなるものを大嫌いだから、買おうと思うこともなければ寛太こともない。ところが昨日たまたま、新聞は挟み込み広告にオクションがあることに気が付いた。横浜新都心みなとみらい地区にある横浜オクションを見よう。


 価格は1億3380万円、2003年1月建築の30階建て超高層共同住宅ビル(業界用語ではタワーマンションというらしい)の中の5階で、床面積79㎡、3LDKである。どうしてこれがオクションになるのか知らないが、内装は分からないが、環境が良いのかもしれないと、グーグルマップを見た。どうやら超高層共同住宅ビル群の中にあるらしい。
横浜みなとみらい地区での位置(赤丸の超高層共同住宅ビル)

超高層共同住宅ビル群の中の位置
 この横浜オクションの立地は、海近く新開発都心地区のなかにあり、生活圏としての立地条件はなかなかよろしい。その住戸は住みやすいのだろうか。30階建ての超高層共同度住宅(いわゆるタワマン)が林立する中の、低層部の5階西向きである。

 ケチをつけるつもりはないが、まわりは超高層ビルに囲まれいるし、住戸は低層部だからそこからの景色は広がるとは思えない。日当たりもかなり制限されそうだ。この住戸がオクションとして売り出される由縁は、ひとえにその横浜新都心に立地する点にあるだろう。

●首都圏はどこもかしこもオクションだらけ
 
 朝日新聞に今年7月の首都圏マンション平均価格は1.6億円だったとある。東京都心部ばかりか、首都圏でもオクションである。上記の横浜中古オクションが出てくるのも無理はないのであろう。それにしても、名称だけでもマンションという詐称をやめてほしいものだ。

(2026/08/23記)

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