●横浜都心のめでたい地名
横浜都心部は、19世紀半ばの日本開国から生まれた市街地である。海を埋め立て、山を崩して、人々が活動し暮らすための平地をつくりだした。吉田町とか山田町等の地名が付いているのは、そこを開発した人の姓によるのだろう。
あるいは、寿町、真金町、黄金町などの地名は、その土地での人々の繁栄を期待したのであろう。
その寿町一帯は、戦後はドヤ街として名が高いし、真金町一帯は戦前は遊郭として戦後は赤線街として繁栄したし、黄金町一帯は戦後から21世紀の初めまで青線街として栄えた。
それらは付けられた名の期待に背かずであったかどうかはともかく、それぞれに繁栄をしたことは間違いない。だがとうぜんのことに、時代の大きな変化の中で、繁栄と凋落の波間に浮き沈みの変転をしてきた。
●黄金町青線跡の街でモダンアート展
いま横浜トリエンナーレの一環で、黄金町の赤線街跡一帯で「黄金町バザール」と名付けて、アートイベントが開催中(11月5日まで)である。これが実に面白いので、わたしはちょっとハマっているのだ。3回も観に行った。