2026/09/14

1974【能楽見物】横浜能楽堂再開祝いの舞台は獅子2頭が牡丹の花に舞い遊ぶ「石橋」(しゃっきょう)

 横浜能楽堂に2年ぶりに能楽見物に行ってきた。工事で休館していて、このほど再開したのだ。コロナ中もそれが終わっても能見物に行けない日々は、30年以上も見てきた能楽好きには、禁断症状が出そうだった。  

 見所(客席)はほぼ満員だった。演目狂言「鍋八撥」と能「石橋」で、どちらも再開場お祝いにふさわしい演目らしい。だが、内容はそれほど面白いものではない。ただし、「石橋」の後場の獅子の舞いが、お祝いにはふさわしいのだろう。

 能「石橋」(しゃっきょう)では、2頭の獅子がボタンに花にのもとに舞い遊ぶ勇壮な相舞も、甲高い音で弾み響く笛も、実に楽しかった。能にはよくあることだが、前場の眠くなるつまらなさを我慢する甲斐がある。

 これが歌舞伎舞踊に翻案されて、派手に頭を振り回す連獅子になっている。歌舞伎狂言の「勧進帳」も能「安宅」からの翻案だが、武士の能と庶民の歌舞伎との基本的違いがよくわかって面白い。 

 出演は、狂言が大蔵流山本東次郎家、能は観世流梅若家で、もう30年以上も能を見てきたわたしも、能役者も囃子方も見たことがない人ばかりだ。コロナ中から始まり、横浜能楽堂休館による、能楽見物から強制的に遠ざけられた期間が長かった。

 唯一の例外は、能ワキ方の宝生常三だった。パンフにあるこの名を知らなかったが、舞台上には昔からよく見てきた森常好出てきた。ネットで調べたら、祖父が宝生家の能役者であり、最近その名を継いだそうだ。わたしよりも若いのに舞台上の所作があやしい、老いたか。

 一応出演者の名を書いておく。
・狂言「鍋八撥」(大蔵流)
 シテ(鍋売り)  山本則重、アド(鞨鼓売り) 山本則秀、
 アド(目代) 若松隆、後見   水木 武郎

能「石橋 大獅子(観世流)
 シテ(童子・白獅子) 梅若紀彰、ツレ(赤獅子)梅若景英、ワキ(寂昭法師) 宝生常三、
 アイ(せがれ仙人) 山本則秀
 笛:杉信太朗、小鼓:飯田清一、大鼓:柿原光博、 太鼓:林雄一郎、
 地謡:山崎正道、馬野正基、伊藤嘉章、角当直隆、松山隆之、谷本健吾、川口晃平、土田英貴

 能楽堂は2年間も工事をしたというのに、見たところではどこも変わっていないのは、耐震補強工事だったかららしい。ついでに内装もどこか変えたのだろうか。ここの一階メイン客席、が床が緩やかな勾配だから年寄りには安心だ。これを変更していなくて安心した。
 ついでに書くと、この隣にある県立施設の二つのホールは、階段だらけで実に使いにくいので近頃は敬遠している。改装して階段に手すりを付けてほしいものだ。
 能楽堂の話に戻ると、いまどきだから女性便所の便器数増加をすればよかったろうに、相変わらず女便所だけが長蛇の列だったのは残念だ。

横浜能楽堂


(20260914記)
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