2011/07/08

447判官びいき

 マスコミの報道を見ていると、首相の菅さんはまるでいじめられっ子みたいだよなあ。
 なにが本当なのかさっぱり分らないが、自民党や民主党の誰からも嫌われてやめろといわれているそうだし、その上にマスコミも政治家達の尻馬にのってやめろやめろと書いている。
 あ、紙は朝日新聞しか読んでいないが、ネットでは他紙も読む。でもTVは7時のNHKニュースしか見ない。
 先日までは、菅さんはリーダシップを発揮しないからケシカランと書いていたのに、原発のストレス検査をせよというと、突然に方針を変えてケシカラン、と書くのがマスコミである。
 コチトラ天邪鬼だから、菅さんはかわいそうになあ、がんばってくれよ、と言いたくなってくる。
 四面楚歌だろうが、それは原発存続派の陰謀だからね、どんどん方針を変えて脱原発、廃原発の方向にリーダーシップを発揮してねって、言うのである。
 もうこれは判官びいきである。

参照→441総理大臣が毎年変わる事情
参照→428年替り首相手続き開始

●地震津波火事原発記2011年3月分
http://sites.google.com/site/dandysworldg/higasinihon-sinsai3
●地震津波火事原発記2011年4・5・6月分
http://sites.google.com/site/dandysworldg/higasinihon-sinsai456

2011/07/06

446原発文化人と原発労働者

 中曽根康弘、梅原猛、班目春樹、吉本隆明、渡部恒三、ビートたけし、大前研一、堺屋太一、清水正孝、弘兼憲司、与謝野馨、幸田真音、勝間和代、星野仙一、小沢遼子、蟹瀬誠一、山折哲雄、小佐古敏壮、岡江久美子、浅草キッド、茂木健一郎、中畑清、大熊由紀子、田原総一郎、アントニオ猪木、金美齢、田中知、荻野アンナ、薬丸裕英、福澤明、松本零士、藤沢久美、関村直人、大宅映子、草野仁、養老孟司、福島敦子、北野大、三宅久之、木場弘子、岸本葉子、中島健、豊田有恒、鈴木篤之、住田裕子、西山英彦、渡瀬恒彦、吉村作治、近藤駿介、小宮山宏

 これは佐高信著「原発文化人50人斬り」(毎日新聞社2011)の表紙に載っている名前である。わたしが聞いたことがある名前はこのうち30人。
 どこまで本当か知らないが、それぞれ、大なり小なり原発を推進、賞賛、宣伝をしてきた人たちだそうだ。
 ふ~ん、大熊由紀子もそうなのか、養老孟司もか、え、吉本隆明もかあ。

 わたしは時流のキワモノ本はきらいで、いつもは買わないのだが、さすがに原発問題が深刻になってきてついに3冊買ってきた。
 そのひとつが上の佐高本、それから堀江邦夫著「原発労働記」(講談社文庫2011)、もう一冊が佐野真一著「津波と原発」(講談社2011)。

「原発労働記」は著者が福島第1、美浜、敦賀の各原発での労働者として、実際に働いた体験を書いたノンフィクションである。
 いやあ、すごいすごい、なにがすごいって、あまりにもいい加減な放射線対策の原発現場で、過酷な労働をしている、下請け、孫請け、ひ孫受けの労働者たちの実態である。
 記述が実に淡々としているのだが、起っていることは読んでいて気持ちが悪くなる。

 ある一定以上の線量を浴びるとその労働者はふたたび原発で仕事はできないから、労働者は使い捨てである。
 労働者は危険なところで長時間働かざるを得ない設計であるらしい。だから、使い捨て労働者が増える。
 そこで、原発仕事専門のピンハネ手配師、ピンハネ親方たちがいて、次々と交替の労働者を全国から集めてきては、原発現場に送り込む。
 人手が足りないから、ときにはその労働者の浴びた放射線量のごまかしもする。
 1979年に刊行されたものの再刊であるから、現在の原発での労働環境とは違うのかもしれない。
 
 いや、そうではないな、考えてみると、原子炉周りはいったん作ったら放射線だらけだから、たとえ改良したくても一部を壊したり変更する工事は簡単ではないはずである。
 著者の堀江が書いた原発のなかの放射線の危険のある労働区域であればあるほど、手がつけられないだろう。
 原発労働者がはたらくのは、13ヵ月ごとに発電を停めて検査のときだが、そのときにも原子炉から放射線がじゃんじゃん出ている。そんなところで働くのである。
 それも改良工事で働くのではなくて、部品の取替えや設備の掃除であるから、毎回の定期検査の度におなじことをやっているのだろう。

 東電の社員は使い捨てにできないからだろうが、いつも安全なところで働く。危険仕事は、下請け、孫請け、ひ孫受けの使い捨て労働者達である。
 福島第1原発事故の現場では、緊急対策に走り回った人たちは、大量の放射線を浴びたに違いない。
 そのとき走り回ったのは、これも使い捨て労働者たちだったのだろうか。
 原発は地域に雇用を生み出しているというが、その内実はいったいどんな雇用なんだなろうか。

2011/07/03

445一億総節電陰謀時代

 なんともはや、年寄りには辛い夏である。とくに世の中の節電による被害がつらい。
 7月1日、T電K支社を訪ねる用事があった。あ、いや、いま評判?の事件とは何の関係もない、学術的な調査での打ち合わせであった。そのことはまたあらためて書く。

 その支社のビルの姿からして暗い。やっぱりなあ、どことなく暗いイメージだよなあ、いやイメージじゃなくて、照明の電灯が暗いのである。
 玄関ホールも暗いなあ、廊下は特に暗くてケつまづきそうだなあ、会議室は暑いなあ、暗いなあ。なんだか社員の顔も暗そうだが、これは思いすぎか。

 歳をとると、体温と外気温との調節機能が衰えてくる。
 冷房が効いていない室内に入っても、しばらくは身体に貯まった外の暑さを放出できなくて汗がだらだらと続く。ハンカチでたびたび拭き、出された冷たい麦茶をがぶがぶ飲む。
 視力も衰えているから、暗い室内では小さな字は読めなくて、書類を見るのが面倒だからいい加減な話になる。
 ついでに言えば,耳も遠くなるからついつい大声で身振りもつけて話すから、体内から熱が発生する。
 年寄りにはつらい夏である
 
 ははん、さすがに原発事故の家元だけあって、暗く暑くしっかり節電していらっしゃる、と思ったのだった。
 ところが実は、その日から東京電力と東北電力のエリアでは、「電力使用制限令」なる経済産業大臣の命令が出て、大口需要者はみんな暗く暑い夏になってしまったらしい。
 なんだT電だけじゃないのか。
 
 で、その物々しい「制限令」なる戒厳令はどこから出たのか調べると、電気事業法第27条だそうだ。
第27条 経済産業大臣は、電気の需給の調整を行わなければ電気の供給の不足が国民経済及び国民生活に悪影響を及ぼし、公共の利益を阻害するおそれがあると認められるときは、その事態を克服するため必要な限度において、政令で定めるところにより、使用電力量の限度、使用最大電力の限度、用途若しくは使用を停止すべき日時を定めて、一般電気事業者、特定電気事業者若しくは特定規模電気事業者の供給する電気の使用を制限し、又は受電電力の容量の限度を定めて、一般電気事業者からの受電を制限することができる。
 ふ~ん、電気を止めないと公共の利益を害する状態なんだ、今は。

 じゃあ、その逆に、電気を止めると公共の利益を害するって状態はどうなんだろう。
 電気を止められて、公共公益施設ではではエスカレーター・エレベーターが止まり、執務室は暗く暑いし、街灯が消えて夜道は怖いし、電車の運行本数が減って不便だが、こういうのは公共の利益を害してるって言わないのかしら。
第15条(略)経済産業大臣は、(略)電気事業者がこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反した場合において、公共の利益を阻害すると認めるときは、第3条第1項の許可を取り消すことができる。
 つまり公共の利益を阻害した電力屋さんは、営業許可の取り消しになるんだな。

 では営業許可条件はどうなんだろう。
第5条 経済産業大臣は、第3条第1項の許可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
1.その電気事業の開始が一般の需要、一般電気事業の需要又は供給地点における需要に適合すること。
2.その電気事業を適確に遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力があること。
3.その電気事業の計画が確実であること。
4.一般電気事業又は特定電気事業にあつては、その事業の用に供する電気工作物の能力がその供給区域又は供給地点における電気の需要に応ずることができるものであること。
 さてこの項目の中で、こんどの原発事故について考え見ると、第2項の「技術的能力」があったのかしら
 あるいは3項に照らして原発は「計画が確実」であったのかしら

 どこもかしこも節電、何でもかんでも節電の世の中になってきた。
 でも貧乏人のわたしは、エコ電器製品なるものに買い換えるお金がないのだ。
 ところで、そのエコ電器製品を生産したり、買い換えた元の古いやつを処分したり、それらの流通や搬送をするだろう。
 それに要るエネルギーはどう計算するのかしら、エコ買い替えなんて単なる無駄遣いであるとしか思えない。わたしにはどうも不思議である。

 一億総懺悔ならぬ一億総節電で、なんだか東電の責任が東日本ばかりか日本全国民の責任に、どんどん薄まってくる感じである。
 これだけ暑いのに節電で暑く暗い日々を過ごす羽目になって、横浜住いのわたしもとうとう原発被災者の片割れになった。ようやく震災が身に沁みてきた。
 もしかしたら原発事故補償金がもらえるかと、下種な考えをしたのだが、どうもその方向じゃなくて、発災責任者が不在となりつつある方向だ。
 もしかして、それはどこかの陰謀だろうか。
   ◆◆
 陰謀といえば、フランス大統領の有力候補らしいIMF専務理事が、婦女暴行事件でNY警察に拘束されたけど、昨日のニュースではどうも自称被害女の美人局事件のような気配もあるとのこと。
 これってなんか三文国際サスペンス小説じみてるなあ。
 大統領候補を引きず下ろす被害女側の陰謀か、あるいはそう思わせておいて逆転勝ちで人気を博する加害男側の陰謀か、IMF内部の抗争で猿居士とか小浜とかが絡む国際的陰謀か、。
 ここはフォーサイスさんかフォレットさんにでも書いてもらいたいなあ。

2011/07/02

444公園と緑とホームレスと

 横浜都心には大通り公園という、昔の川をつぶして作ったひょろ長い公園がある。都心部に帯状に緑と広場を設けるのはのはなかなかよろしい。
 この地下には地下鉄が走っている。
 その公園の市役所の前はクスノキ広場といって、タイルやレンガで硬い舗装の地面から、くすのきの大木が何本も立ち並ぶ。
 レンガやタイルの下は地下鉄だから、固いコンクリートだろう。
 とすると、クスノキはコンクリートの土の上の薄い土に根を張って上に幹と枝は葉を繁らせているのだ。

 そう思って楠木の根元を見たら、幹の回りに土が見えていて、周りを円形にレンガが囲んでいる。
 その根はもちろん地中にあるのだろうが、狭い土の上にも周りのレンガに沿って丸く、蛇のごとくトグロを巻いて盛り上げている。
 レンガをいくぶん押し上げつつも懸命にとぐろを巻いているのは、大きな幹や枝が風で揺れるのを支えるための努力の表現であろう。
 こんな狭い土からあの大きな枝葉を広げているが、この舗装の下はどんな根があるのだろうか、それは地下鉄のコンクリート枠にしっかりと抱きついているのだろうか。
 人工物と自然との日常のせめぎあいが見える。
   
 クスノキ広場から鉄道効果をくぐって、石の広場になる。
 周りのイチョウの並木に囲まれて、気持ちの良い石の舗装空間がひろがる。いまどきは暑くていられたものではない。
 そこに小高く石の舞台があって、長い公園のランドマークおなるデザインで、なかなかよかったのだが、今はきれいに取り払われて舞台跡が芝生になった。
 この盛り上がっていた舞台の下は公衆便所であったが、どうもホームレスの住処になっていた気配がある。それが取り払いの原因かもしれない。
 若干緑の空間が多くなったが、ホームレスの人たちはどこに行ったのだろうか。
   
 JR根岸線の高架の下は、ホームレスの人たちと公共施設の管理者との攻防の場所となっている。
 高架下の植え込みには、青シートにくるんだダンボールハウス部品が昼間は並んでいる。夜になるとこれらが組み立てられてハウスになるのであろう。
 その位置は、安泰ではない。緑地に金網が張られて追い立てをくう、別の場所に移ればまた同じ追いたてと、年とともに移動しているようだ。
   
 先日のこと、思い立って渋谷の宮下公園に行ってみた。
 ここはホームレスたちの有名な居場所だったが、今は上の公園から完全に追いたてられて、下の駐車場と道路との間に降り、道沿いにきちんと並び立っているのであった。
 こうもきれいに青シートダンボールハウスが道沿いに並び建つと、これはいったいなんだろうか。
 秩序あるホームレスダンボールハウスというトートロジーの風景にたじろいでしまった。

2011/07/01

443マンション推進政策をやめよ

「マンション」とは。庭園もある邸宅のことである。典型例はUSA大統領がいるホワイトハウス。
 日本のマンションとは、不動産屋がニセ宣伝で勝手つけたいい加減な名称である。わたしは使わない。
 ではなんというか、「区分所有共同住宅ビル」ということにしている。
 金持ちも貧乏人も堅気もヤクザも若者も年よりも所有者も借家人もいるのだが、切って切り離せない運命共同体の呉越同舟の建物であるから、無理なことがいっぱいある。

 東日本大震災では津波被害での街の壊滅が喧伝されているが、阪神淡路大震災のようなビルの被災についての報道は見ない。
 今度の地震では壊れたビルはなかったのかと思っていたら、今朝の朝日新聞東京版に「被災マンション解体できない」との見出しで、「仙台市内では少なくとも60棟が「全壊」とされる」とある。
 やっぱりあるんだ。今後、これらの建て替えが大問題になるはずだ。

 大問題は既におきているとある。
 全壊建物の解体のために法的に必要な、区分所有者全員の同意がとれなくて、困っているそうだ。
 解体だけじゃなくてこれからの建て直しだって、同意をとるのは大変である。
 他人に貸して外国に住んでいる区分所有者だっているだろうし、なんだかわけの分らない人もいるだろう。
 規模が大きくなると同意はますます大変だ。

 建替えるには巨大な資金の負担が、区分所有者それぞれにかかってくる。
 それをすぐ出せる金持ちもいれば、二重ローンになってしまうので不可能な貧乏人もいるだろう。
 それらが同じ権利で建て替えというひとつの舟に乗ろうとしても、無理なことだらけは当然である。
 はじめに呉越同舟と書いたのはこのことである。
  
 阪神淡路大震災の後でこの困難さが身に沁みたはずなのに、あい変らずマンションという区分所有共同住宅ビルの建設は続く。
 売るほうは知っていて頬かむりだろうが、買うほうも忘れているらしくて、けっこうな市場である。
 行政の側でも、公的賃貸住宅の建設はどんどん縮小して、区分所有住宅ビル建設に支援をする制度ばかりをつくる。
 なんだかおかしい。原発村の原発事故と同じくらいヘンである。マンション村(建設業界+不動産業界+金融業界)の政治的陰謀じゃないかしら。

 賃貸住宅なら区分所有のような問題はないのだが、どういうわけか賃借住宅を嫌がる人が多い。戦前は都市の中で住むのは借家が当たり前だったのになあ、。
 低金利ローンで借金まみれの不動産でも資産を持つと保守層となるだろうという、保守派の55年体制確立のための国民総中流意識植え付け作戦が成功したらしい。
 東日本大震災の居住復興政策には、ぜひとも公的賃貸住宅の供給を重点的にやるべきだとおもっている。
 民主党だからそのような政策が出るかと思っているのだが、どうも二重ローン対策ばかりである。
 またもや金を貸して借金まみれの持家政策推進であるらしいのが、がっかりである。

●参照→くたばれマンション
http://datey.blogspot.com/search/label/%E3%81%8F%E3%81%9F%E3%81%B0%E3%82%8C%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3

2011/06/30

442怖いなあ、原子力という魔物は

 環境経済学の観点からエネルギー政策の研究者、大島堅一さん(立命館大学教授)の語る
実は誰も分かっていない原発のコスト
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/report/20110608/106639/?P=1

 まえからなんかヘンだなと思っていた。
 ・155電気のウンコ
   http://datey.blogspot.com/2009/07/155.html
 ・自動車社会を衝く
   http://homepage2.nifty.com/datey/jidosya-syakai.htm
 やっぱり、原発ってのはこんなに金がかかってるんだ。
 わたしでも原発のためにこんなに負担させられているんだ。
 後の世代はもっともっと負担するんだなあ。先が全然見えない。
 原子力というものは、金と命を食い物にして巨大化し、もう暴れても退治しようもなくなった、人間が作り出した魔物だと、貧乏人のわたしには思えてくる。
 怖いなあ。
 
 大島さんの話を要約するとこういうことになる。
   ◆◆◆
●政府発表の原発発電コストは最低額
・一般に発電コストは、2004年に政府が公表したが試算値が根拠
・液化天然ガスが5.7円/kWh、石炭火力が6.2円/kWh、石油火力が10.7円/kWh、一般水力が11.9円/kWh
・これに対して原発は5.3円/kWhと一番安い
・これには研究開発や立地対策に投入している財政はこの数字に反映されていない。

●現実に近い計算をすると原発発電コストが最高額
・年度ごとに『有価証券報告書総覧』で公表のデータを元に原発を持つ電力9社の発電原価を電源別に、設備の稼働率や減価償却などを含めた実態を反映して、可能な限り抽出して、総発電量で割り算すると
・1970~2007年の平均で、原子力8.64円/kWh、火力9.80円/kWh、一般水力3.88円/kWh
・原発とセットの揚水発電は原発の電力なので両者を平均して原発発電単価は10.13円/kWh

●実は更に高くなる原発発電コスト
・原発発電コストには(税金を投入する技術開発費と立地対策費年間約4000億円)が含まれていないが、これを含めるといくらになるか
・電源ごとの発電量当たり財政支出単価(1970~2007年平均)は、火力と一般水力がともに0.1円/kWh、原子力は2.05円/kWh
・財政支出を加えた総合の発電コスト(1970~2007年平均)は、一般水力3.98円/kWh、火力9.9円/kWh、原子力10.68円/kWh。
・揚水発電とのセットで考えると原発発電は12.23円/kWh

●どうしようもない原発廃棄物処理コスト
・原発発電コストには、莫大な使用済み燃料の取り扱い費用(バックエンド)が含まれていない
・六ヶ所再処理工場で40年間に使用済み燃料3万2000tを再処理するのに11兆円試算、MOX燃料加工に1兆1900億円、処置費用計12兆円以上
・そうして獲得できるMOX燃料をウラン資源換算で価格9000億円程度
・11兆円の大赤字

●そして大島さんはこう結ぶ
・バックエンド事業は数十~数百年、後世に負担だけを押しつけることになりかねない。
・それができない原発のコスト構造が本当の問題
仮に今すぐ原発をすべて廃止しても大量に蓄積された廃棄物の問題から逃げることはできない
   ◆◆◆
 今、起きている福島第1原発事故に対する補償やもろもろの復旧費用を入れたら、いったいどれくらい原発はコストがかかるものだろうか。
 長崎では昨日、経済産業大臣が「安全の責任は国が持ちます」って大見得きって、原発再開せよと自治体に首長たちにいったそうだ。
国が責任を持つ」の意味はどういうことなんだろうか。事故が絶対おきないってことはありえないと、現今の状況で証明されたのだから、この責任とは大臣の首を貰ってもしょうがないから、事故がおきたら国が補償するってことだろう。
 ということは、税金を投入するってことである。
 わたしは嫌だね。  
 怖いなあ、あと20年くらいで巨大な難問題に直面するのだろうが、わたしはその頃はこの世にいないから、シ~ラナイッ…。

2011/06/29

441総理大臣が毎年交替する事情

 新聞社のネットにこうある。
『菅直人首相は6月27日、首相官邸で記者会見し、自らの辞任条件として「今年度第2次補正予算案の成立、再生可能エネルギー特別措置法案の成立、特例公債法案の成立が一つのめどになる」と明言した』

 政治のことはよく分らんが、補正予算てのは総理大臣が自らのクビをかけるほどの議案なのかしら。
 ということは、毎年補正予算があるけど、その都度クビをかけているんだね。
 だから、日本では首相が毎年変わるんだな、やっとその事情がわかったぞ。

 だけど、ヘンだなあ。これらの議案は、みんなびっくりするほどの特殊な、菅さん独特のものなんだろうか。
 再生可能エネルギーとか特例公債とかも、今、どれも必要な、あたりまえの法案じゃんかよ、それとも何かわたしが理解できないイデオロギー問題が裏にあるのかしら?

 当たり前のことにクビを掛けなけりゃならん政治の状況って、選挙民にとってはヘンな人たちを選んだもんだと思うのだろうなあ、、、わたしは選挙に行かないけどね。

440原発事故の株主責任は?

 東京電力の株主総会で、一部株主による脱原発提案は圧倒的多数の反対で否決されたそうだ。ほかの電力会社も同様であった。
 株の数と株主の数は一致しないから、株主の頭数による差ではないだろうが、それにしてもこれだけ事故が拡大して恐怖を世界に与えていて、東電の責任であることが明白になっている状況でも、株主たちは責任をとろうとしない。
 
 株主ってのは、投資したさきが何やろうと、責任がないものなの?
 株主たちは東電に投資して配当を受けてきているから、その利益のなかには原子力発電による分がかなり入っているだろう。
 株主たちは東電に金を与えて原子力発電をさせ、それによって利益を得てきたし、それによって現在の被災者を生み出しているのだから、株主は東電と肩を並べる加害者のはずだ。
 それなのに圧倒的多数で原発を支持するとは、いったいどういうことなんだろうか。
 そういうことで、この世の中は良いもんだろうか?

 そりゃまあ、投資した株が紙切れになるのが、原発の放射能よりも怖いのでしょうがねえ、。
 もともと株式投資とはそういうリスクを背負ってやるもんでしょう、ってことで、またこれからも放射能リスクを背負って行こうって、金持ちの強欲には負けるなあ。
 紙切れになるの嫌だから、原発の責任は知らない、もっと原発作れよ、利益のために投資してるんだから、ってのかしら。
 これって、どう考えても、被災者たちへの冒涜であるとしか思えないなんだよなあ。

 信念として原発反対運動のために、まえまえから株主となって発言しているかたたちへの敬意は表するのだが、株主とは社会的にはいったいなんだろうか。
 儲かるなら死の商人へだって投資するのが株主だって、そういうものであったか、怖いなあ。
 蕪には縁があっても、株にはまったく縁のないわたしには、株主たちの態度は不可解きわまるのである。

2011/06/28

439シンポジウム横浜の都市デザイン

このシンポジウムは面白そうだ。

シンポジウム
横浜の都市デザイン活動の40年とこれから
2011年7月30日(土) 13時00分~16時30分
(受付開始12時30分)
ヨコハマ創造都市センター 3F(事前申込必要・参加無料)
横浜市中区本町6-50-1
みなとみらい線「馬車道駅」1b出口[野毛・桜木町口(アイランドタワー連絡口)]
主催:横浜市都市整備局
共催:大学まちづくりコンソーシアム横浜


【プログラム】
挨拶 小松崎 隆/横浜市副市長
第1部|講演+鼎談 「都市デザインの40年を振り返る」
講師 国吉 直行/横浜市立大学特別契約教授
コメンテーター 佐藤  滋/早稲田大学教授
  西村 幸夫/東京大学教授
第2部|ラウンドテーブルディスカッション
「これからの都市デザインが目指す方向」
ミニレクチャー1 50年後の横浜の姿
 鈴木 伸治/横浜市立大学准教授
ミニレクチャー2 モビリティデザイン
 羽藤 英二/東京大学准教授
ミニレクチャー3 コミュニティデザイン
 山崎 亮/studio-L代表、京都造形芸術大学教授
スピーカー
 佐藤  滋/早稲田大学教授
 西村 幸夫/東京大学教授
 鈴木 伸治/横浜市立大学准教授
 羽藤 英二/東京大学准教授
 山崎 亮/studio-L代表、京都造形芸術大学教授
 大学まちづくりコンソーシアム横浜委員
  ・横浜国立大学/北山 恒・野原 卓、
  ・神奈川大学/曽我部 昌史、
  ・関東学院大学/中津 秀之 ほか
 特定非営利活動法人 横浜プランナーズネットワーク
   (山路清貴、菅孝能)
ファシリテーター
  国吉 直行/横浜市立大学特別契約教授
*終了後、大学まちづくりコンソーシアム横浜による交流会
 (事前申込み 要・会費制1000円/人 当日支払い)を予定しています。
   
申込方法
件名に「都市デザインシンポジウム参加」と明記の上、
(1)住所(2)参加者全員の氏名(3)所属(4)交流会の参加・不参加を記入し
電子メールまたはファクシミリにて申し込みを行ってください。
電話でのお申込は受付けていません。
○電子メール:tb-udsympo@city.yokohama.jpあてに送信してください。
○FAX:次に示す案内チラシのFAX申込フォームに記入のうえ、
045-663-8641あてに送信してください。
○【シンポジウム案内チラシ】(PDF形式、208KB)
http://www.city.yokohama.lg.jp/toshi/design/pdf/sympo.pdf
※定員に達した時点で受付を終了します。(定員150名)
その際は、ホームページにてお知らせします。
http://www.city.yokohama.lg.jp/toshi/design/

●関連→大震災に都市デザインは無力か

2011/06/27

438ミサイルと原発

 数日前の新聞に、福島第1原発から降ってくる放射能を避けるために、葛尾村では「外国からのミサイル攻撃に対処する避難計画」によって村民が疎開をした、とあった。
 えっ、そんな計画がそんな田舎の町にもあるのか、ギョッとして不気味な気持ちになった。
 それからその不気味さが、心の中に広がるばかりである。

 で、ネットでそのキイワードで調べたら、なんと「国民保護法」なるものがあって、これに外国から攻撃を受けたときの対処方法があり、そこに避難のことが書いてあるのだ。
●参照→国民保護法サイト
http://www.kokuminhogo.go.jp/arekore/shikumi/hinan.html
 あの村の人たちもそれによって避難したのかあ、知らなかったなあ、平和ボケになっているのかなあ。
 わたしの住む横浜市でもやっているんだろうか。
 なにか国家的・国際的陰謀が裏にあるのだろうか、なんだか怖くなってきた。
 
 考えてみれば津波がなくても、どこかからミサイルが飛んできて原子力発電所にドッカーン、今度のようなことは起きるんだろうな。
 核弾頭が乗っていなくても、原発を狙えば原爆を落とすのと同じ効果になるんだなあ.
 ならばミサイルはどこへでも飛んで来るだろうから、日本列島は原爆列島なんだよなあ。
 原発のない沖縄だけが安心だ。
 と思ったけど、ミサイルが狙うのは軍事基地だろうから、あそこも安全じゃないなあ。
 あ、ミサイルじゃなくても飛行機が事故で墜落してきたら、これはどうなるんだ。
 もう考えるのが嫌になってしまう。

 まさか、それは杞憂です、とは言われないだろうなあ。
 杞の国の人たちは、天がおちてくると心配して笑われたが、福島原発には本当に天が落ちてきたのであった
 これはやっぱりミサイルを打ってくる外国をやっつけようって、そう思うものだろうか。
 それとも原発をやめようと思うものだろうか。
 福島以外の原発のある市町村では、目先の金ほしさに原発廃止に抵抗しているようだが、そういうものでよいのだろうか。

 戦争、核兵器、兵器産業、原子力業界、原発、これらがつながっていて、国民保護の建前で大震災対応と戦争対応とが巨大収益事業として連動しているとしたら、これほど不気味で怖いことはない。
 エネルギー革命を言う菅直人さんが、総理大臣の座から無理矢理引きずりおろされようとしている現在進行の政治劇は、じつは裏にはそんなことがあるのかと、勘ぐってしまう。

 浜岡原発停止の要請をするにあたって、事前にこれがもれると絶対に反対されて出来なくなるから突然にやったのだと、菅さんがあのときにいったと、その当時の新聞記事に載っていて、こんな正論に一体誰が反対するのだろうと不思議に思った。
 ところが、そのころから急に新聞論調が「菅やめろ」の雰囲気になってきたので、変だなあ、何か裏がありそうだと勘ぐっていたのだ。
 それは、そういうことなのかあ、あ、いや、考えすぎなんだろうか。

(追記 110731)
 今朝の朝日新聞に、「原発への攻撃、極秘に被害予測 1984年に外務省」の見出しで、もしも日本国内の原発が攻撃を受けて、原子炉や格納容器が破壊され全電源喪失で大量の放射性物質が流出したら、最大1万8千人が急性死亡するという研究していたが、反原発運動の拡大を恐れて、報告書を公表しなかった、と書いている。
 やっぱりなあ、日本は原爆はないというが、原発はいつでも原爆に化けることができるんだなあ。