2009/06/10

140【老い行く自分】死ぬ前に買えとか経験せよとか年寄り脅迫市場に乗せられつつある

 モデルチェンジを次々とやって新製品を出しては売りつける、そんな商売人に乗せられないぞって抵抗してきているが、実は好奇心旺盛な新し物好き人間だから、大人の玩具にはあれこれと結構ひっかって無駄にしている。ワードプロセサー、パソコン通信、マイクロレコーダー、iPodなどである。
 若いときはあれこれ好奇心はあれども金はなしで、でもいつかはそいつをに入れるさと気長に構えて、モデルチェンジで初期故障がなくなった頃に目的を達成していた。

 ところが自分が高齢者になった今は、好奇心と寿命とが競合を起こしつつあることに気がついた。
 気長に構えていたら自分の命が尽きて、物もよくなり金もあっても、手に入れることが絶対に不可能になるのだと気がついた。まったくもって今頃になって、である。

 これから高齢者が数が多くなるから高齢者市場が有望であると、だいぶ前から世の中は言っているが、そうなのか、高齢者になにかを売りつけるには、そういう脅迫を裏に含ませれば容易に市場は広がるのだ。
 われとわが命に急きたてられて生じる脅迫観念が、要りもしないものを求めるようになる。

 新製品やモデルチェンジの製品のキャッチフレーズは、「熟年のあなたに、今だからこそこれがお役に立ちます、後でよいと言っていると遅いですよ」と言えば売れるのだ。
 そういえば旅行だって、高齢者というか中高年オバサンが特に多いのも、今のうちに行かないと、亭主がボケたら行けなくなる、自分が足腰立たなくなる、目が見えなくなる、ボケる、今のうちに行っとこう、てなことである。
 どうもこの年寄り脅迫市場にひっかりそうである、あぶない。

 ただ、コンピューターの類は、アメリカから来たらしく若い者を相手にしている風潮であるが、これだっていずれは老人市場に入ってくるだろう。
 そのときにはどう脅迫するのか興味があるが、その頃こちらは脅迫されても、もうなんのことかわからぬ歳だろうなあ。残念。

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