2009/06/24

146裁判の誤判事件にわが身に起きた誤診事件を思った 

 誤判事件が今話題となっている。
 DNA鑑定の結果で有罪判決を受けて服役してしまった人が、そのDNA鑑定が間違っていたとなって、再審裁判で無罪になる予定だそうだ。
 名誉は挽回しても、服役した17年の人生は絶対に戻ってこない。国家賠償金もあるだろうが、時間は不可逆だから購いようがない。生物である人間の宿命である。

 わたしにも似たような?ことがありえた事件があった。いや、犯罪じゃないんだけどね。
 誤判ではなくて誤診である。
 2002年から2004年にかけて、左股関節に異常が起きて、医者が言うには
「大腿骨頭壊死症といって、治療方法のない絶対に治らない国指定の難病である、悪くなった骨を切り取って人工関節に取り替える手術しかない」
と診断された。
 その経緯は「にわかハンディキャッパーは誤診だったに書いているから、ここには詳しいことは繰り返さない。

 わたしの場合はさいわいに、手術の前に自然治癒したから誤診とわかったのだが、どうせ手術するなら体力のある今のうちにやろうとも思っていたので、
「先生、チタン製人工関節に取り替えて、わたしを鉄人にしてください」
なんて早とちり手術していたら、あとで誤診とわかっても人間の身体は不可逆だから、もう取り返しがつかなかったのである。
 誤診のままに手術をするということは、誤判のままに刑に服することである。さて、上の誤判のように、後で誤診とわかるものかどうか、そこが大問題である。

 医療行為は、裁判のように公判、つまり公けに証拠が維持されていなくて、全くのブラックボックスであるから、どうやっったら誤診だったと見抜くことができるのだろうか。
 実はそのような誤診・手術・不可逆被害の事例はあるかもしれないと思うと怖い。
 昨年、母を送って焼骨を拾うとき、人工関節のセラミック製ボールがきれいな形のままにあった。みょうに生々しかった。

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