●コロナの現在状況
5月も半ば、陽気はすっかり夏をおもわせる日々になったが、コロナは一向に鎮まらないどころか、ますます隆盛を誇っている有様。第3波を超す勢いの感染者数増加ぶりである。
緊急事態とか蔓延防止とか、日本各地域に指定しても効果がないどころか、指定解除しようとしていた5月11日では解除不可能となり、むしろ指定拡大になってしまった。
狂歌<一握のメモ>
また出せどまたまた出せどわが宣言効き目あらざりぢっと手を見る
わたしには直接は関係ないと思っていたら、なんとまあ近くの図書館が休止してしまって、読みたい本の調達ができなくなり、先日は本屋で2冊買ってしまった。
もう本を買わないと自分自身に固く誓っているけれど、コロナだからしょうがない。買ったのは世界と日本のパンデミック史である。その歴史延長上に翻弄されているわが身のこととして読めばかなり面白い。
これはさて、公衆衛生防疫政策のミスなのか、心が緩んでいる国民性のせいなのか、両方だろう。日本での感染者数累計は67万人になろうとし、死者は1万人を超えてしまった。どちらも留まるところを誰も知らない。
東京の感染者累計な15万人でワーストトップは変わらない。大阪がこのところ騒ぎが大きいが、もうすぐ感染累計10万人になりそうだ。次いで神奈川、埼玉、愛知、兵庫、千葉、北海道、福岡、京都が、ワーストテンに入る。
ここまでは人口の多い順のようなものだから分るが、この後を追いかけるのが沖縄である。本土からコロナ連れで遊びに行くやつが多いに違いない。
ベスト3は島根、鳥取、秋田であるのは変わらないが、特に島根の死者ゼロが立派なものである。
世界では、今、いちばんの話題はインドのものすごい状況である。医療崩壊らしい。死者のグラフを見ると、急カーブで死者が増加していて、毎日4000人が死んでいる。
国際協力が難しいパンデミックの特徴といえばそうだろうが、国際化が進展したという21世紀でもこの程度かと、肌寒くなる。
USAでは世界一の感染と死者を積み重ねたトランプ時代が去って、ワクチン接種が進んでおり、ニューヨークでも次第に平常に戻しつつあるとか。
とにかくUSA,インド、ブラジルがとびぬけたワースト3である。そして西欧先進諸国で死者が多いのが特徴的であろう。いまやUKで生じた変異ウィルス時代に入り、次はインド株の変異が来るらしい。
全世界で頼るには数社しかないワクチン製造企業である。当然に国際間での獲得競争になるし、その前に生産国で囲い込みになる。ここで仁義なき戦いらしくて、日本でさえただいま四苦八苦している最中だから、弱小国にはいつワクチンが来るのやらであるのだろう。国際化時代というが、実は底が浅いものである。
●コロナ下のオリパラ大会本当にやるのか
狂歌<7月東京五輪開催>
7月には当然コロナ根絶済みそれまで待てばワクチン不要
先日の国会での総理大臣の菅さんの、どんな質問にも同じことばかり繰り返すという、珍妙な答弁態度をネットで見たが、怒るよりも気の毒になってしまった。おつむの調子は大丈夫なんだろうか。
そりゃまあパンデミックなんて、だれも予測できない超大変な事態にいるのだからしょうがないけど、会話にならない質疑応答を平気で繰り返す。それもただただ「オリンピックは安全にやります」一本やり、現実にどうするのか答えない、神経が壊れているに違いない、気の毒だ。
ここは病気引退して、あとはもう誰でもいいから代わってあげてくださいな。老人いじめみたいな国会審議は、国民が辛い。いや、いじめに見える作戦かもなア。
それにしても東京オリパラを開始を7月に待つ気分は、なんだか本土上陸する敵を向かうつ気分、ハラハラドキドキである。上陸されたら競技場と宿舎とその間のバスに閉じ込め作戦、まるで囚人扱い、だれもそんなことされたくないよなあ。実はそうしなければコロナ蔓延を防げないのならば、やるべきじゃないでしょう。
狂歌<おろおろ>
上陸が間もない巨大台風とそっくりになった東京オリパラ
台風と大きく異なるのは、人間がそのコースを逸らせることができるということである。もちろんワクチンでは間に合わないから、開催しない決断である。
つまり開催返上というワクチンを一発うてばよいのである。誰がそのワクチンを打つのであろうか、誰も打つと言い出せなくて、ズルズルと顔を見合わせているうちに、台風は上陸してくる。
●ワクチン騒動始まる
ようやく全日本的にコロナワクチン接種が始まり、予約受付を自治体がやっているが、その電話やネットがつながらない騒ぎが起きている。案の定である。
高齢者から順番に受付開始だから、いまはネット不慣れ老人どもは電話に殺到しているらしい。そして回線パンクして不通になる。いっぽうネットによる予約も同様である。わかっていながらどうしてと思う。
狂歌<コロナ福祉>
年寄りを活性化する新ゲーム朝から晩まで「ワクチン予約」
わたしも最初の優先接種組だから、4月末頃だったに市から接種券が郵送されてきた。その説明が悪文というか、レイアウトが悪くて、3回も読み直した。
要するに分かったことは、接種するに予約が必要で、このURLか電話番号に予約手続きが必要だということだけだった。
その予約受付の開始日時は、市のホームページで知らせるとある。ホームじゃなくて当該ページだろうけど、何にしてもネット環境が身近に無いと何時まで経ってもわからない、それでよいのだろうか。
やがて5月4日の新聞に、3日に予約受付を始めたら、殺到してお手上げになり、さっそく閉鎖したとある。どうも最初の通知から受付まで間が抜けていて、用意が悪い。
5月10日再開とあるので、わたしもその日にネットにつないでみたのが昼過ぎのこと、そこには本日分は終了とあった。次の日も同様で、この次は17日再開とのこと。
もうどうでもいいや、やらなくてもいいでしょ、待ってるうちにコロナ終るかも、なんて気分になっている。全国各地でこうなのだろうか。
狂歌<段取り悪い>
心配だワクチン予約まだできぬコロナが終ってしまう心配
実のところ、せっかくながら優先でなくても、本当に若者の後でもいいやの気分である。それは予約の状況とは関係が無く、以前から悩みつつ考えていることだ。
ワクチン接種は、これほどの感染拡大の局面にあって、これほどの緊急性のある中で、これほどの超多数の人間相手に、ひとりひとりに接種するとなると、順番を設定せざるを得ない。医療従事者と共に、感染すると重症化しやすい身体的状況にある者が最優先であることは誰でもわかる。だが、その次からが難しい。トリアージュである。
どういう基準か知らないが、年齢順に高齢からということになって、始まっている。わたしはその最高齢グループに分類されていると接種通知で分かった、え、そうなのか。
わたしは基礎疾患もないし、数年前に転んで骨折して外科にかかったが、平素から医者にかかることはない。だから「かかりつけ」医者がない。なのに優先されてありがたいが当惑もしている。
若者こそ優先すべきであろうと、思うのである。それは老人よりも若者の方が社会の役に立つからという功利的主義理由ではない。
わたしはいくら健康でも老い先は短い。長くなくてもそれでよろしい。ワクチンで無理に長くする必要はない。
一方、若者にはまだまだ長い人生がある。せっかくこの世に来たのだから、しっかりと生きて欲しいと思う。中には役に立たない人生を送る若者もあるだろうが、それはそれでよろしい、せっかく生まれてのだから、人間としてやりたいことをやってから死んでほしい。
わたしが老人だから言えるのだが、ワクチン接種は壮年、中年、若者からとし、健康高齢者後回しするべきと思う。
今のような非常事態が起きた時、それが老人の倫理というものだろう。
なお、特別の気概があるのではないし、他人にこれを押し付ける気はさらさらない。
●ワクチンがあぶり出す人間の倫理
ワクチン接種では、倫理が問われている。その問われているもっとも大きな事件は、東京オリンピック参加選手団への優先接種のことである。
IOCが製薬企業から無料提供受けるから、選手団に優先接種させろとIOCが言ってきた。世界中の大会参加者に適用するのだろう。
狂歌<倫理無き五輪>
ワクチンの大行列に割込みでオモテナシするドーピングかな
そういえば東京オリパラをじっしするにあたって、外来の選手団も報道陣も完全に隔離するから、安心安全に行うことができると首相は言っているが、そんな専制国家式に運営する競技会に参加してスポーツ選手は何が面白いのか不可解すぎる、倫理欠如極まる。
先日新聞に出てきたワクチンの悪用事件は、自治体の長が優先接種したとか、地元自治体に顔が効く企業が優先接種を要求したとか、電話による優先詐欺とかあり、これからもいろいろ怪しいことが頻発するだろう。
コロナは人間一人一人に差別なく感染する。それに社会として対応せざるをえないのだから、各人の人間として倫理観をコロナワクチンがあぶり出すことだろう。(20210514記)
(20210516追記)
コロナ禍のアジア人われスーパーで目をそらす人避けていく人
(アメリカ)大竹幾久子
この短歌は今朝の朝日新聞歌壇にある永田和宏選の入選歌である。この作者はわたしの知人で、カリフォルニアに同じくわたしの知人である夫と、市民権を得て永年暮らしている。
そうか、人種差別のようなこともコロナの引き起こす倫理の問題としての災禍であるのか、日本にいるとその方面に気が付かない。
そのうちに日本でも、ワクチン接種者と非(未)接種者の間で差別問題が起きるだろう。
参照:コロナ大戦おろおろ日録
0 件のコメント:
コメントを投稿