熊五郎:ご隠居、こんちわ、生きてますか、コロにかかってないですか。
ご隠居:おや熊さんいらっしゃい、おあがりよ、うん、コロナの奴が逃げて行ったな。
熊:コロナが逃げるほどに元気ってことですね、政府も世界中から要人を集めて国葬なんて大宴会やるんだから、もうコロナは終わったらしいですね。
隠:うん、そうらしいね、先日の日曜日に観光繁華街の中華街を徘徊したら、人出が多すぎて自由に歩けないほどだったよ。
熊:じゃあ、今日はマスクなしで大声で話しましょう。ところで、暗殺された安倍さんの国葬をどう思いましたか、ご隠居は。
隠:わたしは知らない人の葬式って興味ないね、もともと葬式でも卒業式でもなんでも儀式を大嫌いなんだよ。
熊:ほう、葬式も卒業式も入学式もきらいですか。
隠:そう、やりたい人が勝手にやればいい。ただし、安倍さんの葬式はわたしの税金を使ったからね、そこだけがけしからんよ。やるなら安倍家の費用でやりなさいよ、ケチ。
9月27日国葬会場の内外風景 |
隠:えっ、わたしが特に大嫌いな葬式を、2回もやるってどうしてなんだよ、あそうか、安倍さんが無念に思ってるから化けて出ないように念入りにやるんだな。
熊:安倍さんてカルト教団リーダーの身代わりで殺されたのだから、政治家としてはあまりにも脇道での死で、そりゃ無念でしょうね。
隠:そのカルト教団にとっては殉教者だ、ということでもしかして、カルト教団は身代り地蔵菩薩像の建立をするだろう、信者たちから献金を募ってね。
熊:あ、安倍さんだから「募集しても募らない」でしょ、わはは、で、その建てる場所はやっぱり奈良の例の遭難道路交差点の中ですかね。
隠:いや、やはりコーリアの教団本拠だろ、おお、なんだか第2の例の慰安婦少女像だな、これも因縁があるなあ。
熊:毎年命日には、そこに日本とコーリア両方から信者も安倍信奉者も集って追悼大会すれば、それはそれで今のような海を挟んでのいがみ合いが消えるかもしれませんね。
隠:そうか、この建立費用で信者はまた献金ノルマで大変だねえ。
熊:ま、その前に建立賛成反対運動が起きるでしょ、ますます混迷かもよ。そうなると海を隔てて両方の故地に安倍晋三地蔵がそれそれ建つかもなあ。
隠:そりゃそうだよ、だってあちらはカルト教団リーダーの身代わり聖者として建立だし、こちらはその政治的業績の偉大さを称えての建立だから、その趣旨が根本的に異なる。
熊:あちらとこちらで同じようなことをする場合はいつも競うから、これは大きさを競争しあう。
隠:あちらは信者の献金がすぐ集まるけど、こちらは苦戦しそうだ。
熊:それなら、国葬なみに国費を使えばいいでしょ、でもなあ、国葬よりも安いとしてももっと揉め事になりそうです。まあ、こちらの建立はやめときましょ、岸信介像なんてのもあるかしら。
隠:与太話も大好きだけど、ちょっと真面目な話もしようか。わたしはTVを見ない、ネットと新聞だけが情報源だけど、ネットにはTV切り取り動画も出てくるから、TV側の情報もそれなりに分かる。ネットで面白いのは、いろいろな識者たちによる論説型論戦番組がいくつも登場してきたことだ。それらのなかで「安倍国葬を考える」と題した9月19日東大国分研主催シンポジウムが実に面白かった。論者の中で特に興味を覚えたのは、片山杜秀さんの「将軍的欲望」論だった。日本歴史における天皇的権威と将軍的権力との壮絶な戦いが終わり、天皇的権威が消えようとするときに将軍的権威の圧倒的な席捲が起きようとし、世間もそれを望んでいる現在至上主義的愛国運動の時代になり、安倍国葬ででむき出しのそれが現れて視覚化し、いまや「ファシズム前夜!」に至ったという結論だった。すごいね、わたしたちはこんな時代に生きてるんだよ、とあの博覧強記の片山は実に文学的に言ってるんだよ。
熊:怖い話ですねえ、安倍国葬のおかげで、世の動きについてだれもが考えるようになったのが、安倍さんの最大の貢献ですね。
(20220930記)
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