2009/04/04

116【くたばれ乗用車】エコカーに買替え補助金のバカ

 日経新聞のニュースによると、「政府はハイブリッド車など環境への負荷の低い自動車の購入を促す補助金制度を導入、買い替え時に1台あたり最大で30万円程度を支給することを検討している」そうである。
 なんというバカ政策か。
 買い換えた車の処理や新車生産のために起きるであろう、エネルギー消費、排ガス発生などはどうなるのだ。まだ使える車を買い換えたら資源の無駄使いになるぞ。
 消費刺激策だそうだから、自動車製造業ばかりか、廃車処理産業や排ガス処理産業までも景気対策に入っているのだろう、エコは時流に乗って言っているに過ぎない。
 わたしのような車に乗らないものには、まったく不公平である。こっちにもなにか金をよこせ。
 なにか買い替えに補助金では同じ愚になるから、そうだなあ、医療費に補助金をくれえ、。
 つまり、わたしの移動は車じゃなくて、足を使って体力でやっているのだから、これこそエコのきわみであるのだぞ(排ガスをださなくもないが)、このエコマンの補修費に補助金くれたっていいじゃん。
 ところで、高速道路1000円のバカを書いたときは知らなかったが、トラックは1000円じゃないのだそうだ。バカの上塗りである。流通経費を下げると物価は安くなる方向に行き、景気刺激になるとドシロートのわたしでも思うのだがなあ、。 
 参照→110高速道路休日1000円のバカ
     ・自動車社会を衝く

2009/04/02

115【歴史・文化】木喰微笑仏の微笑とは男女交合のことであったか

「微笑(みしょう)とは、仏教用語で男女交合の法悦の極の相を言うこともある」
 そう教えてくれている伊藤勇さんとわたしの目の前には、木喰上人がつくった「微笑仏(みしょうぶつ)」が5体並んでいる。
 ここは山梨県身延町の丸畑(まるばたけ)という山村集落、18世紀末から19世紀初めにかけて全国に行脚し、1000体を超える木彫像を彫った僧・木喰行道(もくじきぎょうどう)の生家である。
 その僧の縁者の末裔である伊藤さんは、押入れの上段を改造した仏壇にならぶ「五智如来」の列像を前に、その木喰行道の生涯、その作品、その仏道についての長年のご研究を語っている。
   ◆
 木喰行道の作る木像を「微笑仏」と名づけて「みしょうぶつ」と呼ばせたのは、木喰行道の発見者である柳宗悦だったのだろう。
 これが今も通称となっているらしく、ものの本はみなそうふりがながついている。濁音が2つのビショウブツよりは語感がよい。
 その多くの像のもつ独特の笑みには、誰もが惹かれることはまちがいない。
 わたしのはじめての木喰仏体験は、長岡市小国町太郎丸にある真福寺で「梨の木観音」だった。小さな祠の奥で、わが手にもつ灯かりに浮かびででたそのお顔の笑みには、こちらが破顔一笑、一目で惹かれたものだ。
 仏教ばかりか宗教全般に全く興味がないのだが、この微笑と書いてミショウと読ませるのは、仏教の経典にある言葉らしいが、それはどのようなことかと少し気になっていた。
 丸畑で伊藤さんに出会って、その意味をたずねての回答が、この冒頭の言である。
 今わが目の前の仏たちの放つ笑みは、きわめて個人的な性の発露でありながらも、実は万人に普遍的な悦びの表現なのか、、。
 わたしは唖然とし、そして笑ってしまった。わが笑いには、意外性への驚きと同時に、性的な隠微さへの哂いもあったことも白状する。
 ちょっと意外な展開にもうすこし突っ込んで聞きたかったが、まわりには今日はじめてあった山の会メンバーの紳士淑女がいらっしゃるので遠慮した。
   ◆
 あちこちWEB検索して仏教用語の微笑を調べてみた。
「大梵天王問仏決疑経(だいぼんてんのうもんぶつけつぎきょう)」に、「拈華微笑(ねんげみしょう)」あるいは破顔微笑とあって、簡単にいえば以心伝心のこととある。性的な意味はないから違うか。
「理趣経」に、「適悅淸淨句是菩薩位(てきえっせいせいくしほさい)とあって、その解説は「男女交合して悦なる快感を味わうことも清浄なる菩薩の境地」とあり、さらに「熙怡微笑(きいみしょう)」という用語もあった。これらしい。
 丸畑集落は、自治体の地域おこし事業らしく、「木喰の里」と名づけて、「微笑館」という木喰資料館を建てている。これをミショウカンと読むのかと思ったら、案内看板にBISYOKANと書いているのだった。
 さては、あのミショウが公共施設名ではマズイなあ、と気をまわした人がいたのか。

●参照→木喰の風景  →016-3つの展覧会
●リンク:身延町地域資料「身延に遺る作品■永寿庵・五智如来像
●リンク:、「8世紀の人もうけの原点、北海道から鹿児島まで40年間にわたって旅と造仏を続けた木喰上人―山梨県下部の丸畑の生家をたずねる」(糸乗 貞喜)

2009/03/31

114【怪しいハイテク】電子レンジで蓋つき陶磁器の中のものまで温まる謎

 エレクトロニクスに弱いといっても、電子レンジくらいは使える。
 パンを焼いて朝のトースト、冷や飯を暖め、冷凍食品を解凍するくらいなことは20年以上やっている。

 数年前のこと、わたしの勤め先の協会のオフィスでパーティーをやることになり、女性職員が陶磁器を使って電子レンジで簡単な料理をしているのを見てびっくりした。陶磁器で蓋をしたままにレンジに入れているのだ。
 え、それじゃあ温まらないんじゃないのって言うと、怪訝な顔、だって電気は陶磁器は通らないんだもんと言うと、そんなことはない、ちゃんと料理できますよって、笑われてしまった。

 ふ~ん、そうなのかあ、それまでは陶磁器は電気の絶縁体だから、陶磁器の容器に入れて暖めるときは、蓋をしたら電子が通らないからダメなもんだとばかり思っていた。
 金属なら電気を通すから、アルミ鍋なら蓋をしてもよいのだろうと、漠然と思っていたが、あいにく金属の皿などは使っていないから電子レンジにいれたことはなかった。

 でも不思議である。
 昨日のこと、エンジニアの友人に、どうして蓋をした陶磁器でも中のものが暖まるのかと聞いたら、怪訝な顔をされた。
 これこれこうと、わが電気知識を披露すると、またもや笑われてしまった。
 きけば、電子レンジってのは、わたしが想像していたように電子を発射して食品のなかの水分を刺激して暖める装置ではないそうだ。

 あれはある波長の電磁波を発射する装置であって、その波長だと水の波長となんだか仲良くなって(その原理は聞いても分からない)発熱するのだそうである。で、その電波は陶磁器を通るのだそうだ。
 ふ~ん、要するに無線送信発熱器だな。となると、金属鍋に入れてチンしようたって、鉄の板は電波は通らないから、だめなんだな。

 そうなのかあ、なんだよ、それじゃあ電子レンジじゃなくて、電波レンジだぞ、そう言い替えなさいよ。
 もっとも、こっちはいまだに電子と電波の違いもわかってはいないのだ、え~と、電子は粉で電波は水みたいなものかしら、。

2009/03/27

113【世相戯評】自動車運転に関しては老人ボケ度を医者じゃなくを警察が判定するのかい

「認知機能検査は〈1〉年月日や曜日、時間を答える「時間の見当識」、〈2〉イラストを覚えた後、ヒントを見ながら思い出す「手がかり再生」、〈3〉時計の文字盤を描く「時計描画」―の3種類」
 これは今年6月1日から75歳以上で運転免許更新を希望する者に義務づけする「認知機能検査」だそうだ。
 要するに「ボケ度検査」である。
 ボケ度を警察が検査する時代になったのだ、コワイ。

 年寄りが世の中にイチャモンつけていると、「認知機能検査をしていただきます」って警察官がやって来たりしてね。
 でも、運転免許に関係ないけど、わたしも検査してみたいような気もする。だれか「自前認知機能検査ゲーム」ってのを売り出せば儲かるような、。

 年寄りが集まって、これでボケ度を競うのだ。歳に似合わずボケ度が高いなあとか、年代別ボケ度チャンピオン戦とか、やってみたいなあ、こわいなあ。
 ボケているヤツは75歳以上ばかりじゃないぞ、それ以下でも変な奴はいるから、どうせなら全員に義務付けてはどうか。

 自動車事故に高齢者が多くなったというのだが、そりゃそうだろう、高齢社会だから運転する人数のうちに占める高齢者が増えるのは統計的に当たり前である。
 問題は、超高齢者でも自動車運転しないと生活できないような、現代の生活の場にあるのだ。それを是正する政策をやらないと、いくらボケ度検査しても運転をやめられないだろう、だって生きていけないのだから。

 ところで最近、身元確認で「免許証」を見せろと言われることが多い。おお、持っているとも、一級建築士と技術士の免許証を見せてやろうか、、。

2009/03/25

112【世相戯評】新聞の野球の記事がなんだか変である

 プロスポーツに興味がない。野球は小学生の頃、阪神(藤村とか土井垣とかいたなあ)ファンだったことがあるくらいでとっくに卒業した。
 日本国代表(なんだろうなあ)の野球チームが韓国代表のチームと試合して勝ったと、今日の朝日新聞の1面と社会面にある。

 5回試合して日3勝韓2勝だったとかで、いつも見ないスポーツ欄をみたら、韓チームとばかりじゃなくてアメリカやキューバのチームともやっているのだ。 日韓野球試合だけではないのか。
 よく分からないのだが、記事の前後の様子では、どうも韓チームとなにか因縁があるらしい。北京オリンピックでは韓チームが勝ったらしく、こんどはその復讐のようなものなのか。

 まあ、スポーツだからよいけど、どこか奇妙な加熱した様子も読み取れる。そのはっきりと読み取れない書きかたに、なにか裏があるのだろうか。それともわたしだけが知らないスポーツ界の常識があるのだろうか。
 記事が何か変なのは、韓チームのことはほとんど書いてなくて、日本チームの活躍ばかり書いてあることだ。相手が居てこそ試合だろうに。
 韓チーム選手の活躍とか、社会面の巷の話もソウルではどうなのか書いてもよさそうなものだろう。

 これって、かつての大本営発表そっくりである。なんだか気味が悪い。いまちょうど必要あって、戦時中のことを勉強しているのだ。
 スポーツに国旗が登場するのも、気味が悪い。日本国旗が翻る観客席の写真があるし、記事では韓国チームが勝ったときには、韓国旗がグランドに立ったとか。
 オリンピックでも、いつだったかめったに見ないTV中継を見ていたら、マラソンでトップ選手が国旗をまとってグランドを回った。
 オリンピックは個人をたたえるものだろうに、国旗と国歌が登場するのも解せない。

 そういえば、高校野球の開会式に、君が代を歌うのだそうだ(たまたま放送に故障があったことが社会面記事にあって知った)。
 なぜ? 大相撲で歌うからか、あれも外国籍力士がこれだけ多いのに、ヘンである。
 スポーツが戦いであるだけに、個人の技を競うことに偏狭なナショナリズムを加担させるのはかなり危険な感じもするが、一方では代理戦争として本物戦争を回避しているのだろうかとも思う。

 プロもしくはそれに近いスポーツに無関心、というよりも嫌いなのは、そのあたりに原因がある。
 イチローなる選手が活躍したとあるが、おなじ紙面にこちらのオザワイチロー選手は、秘書が起訴されて、あの仏頂面でべそをかいているのが、おかしい。
 野球のイチローはなんという姓かしら、野茂イチローってか?

2009/03/22

111【各地の風景】京都風景あげあしとり:貴船道、岩倉圓通寺、智積院

 関東のこちらに比べると、京都はさすがに景観政策が行き届いていると思う。
 特に屋外広告物は、そのときは気がつかないが、こちらに戻ってきてから、ああ、そういえば京都ではこんな看板類をみなかったなあと気がついて、悔しい。
 そのままでは癪だから、いくつか京都風景あげあしとりをすることにした。

 貴船への道は水の流れ、木立ち、街並みに風情があるのだが、突然に看板だらけのところに出くわした。
 なぜここだけにこれほども集まって立っているのだろうか。案内図、工事看板、交通安全表示など、どれも公共的な看板ばかりで、民間の商業的なものはない。不思議な風景であった。

 岩倉の円通寺は、なるほど庭は風雅であるが、その庭の外にまわって円通寺を臨む所に来ると、あれまあ、こちらは安っぽい景色なんですねえ。参考→怨念の景観帝国

 名刹智積院には、智積院会館というコンクリートの建物が境内にある。京都の建築家増田友也の設計だったように記憶しているが、いかにも"コルビジュエのシャンデガール庁舎をコピーしました”ってデザインであるのが時代を反映している。
 なんでここにインドなんだよ、ああそうか、仏教伝来の地だからか。
 これがどうも上半身と下半身がチグハグのように見える。おお、下のほうにいかにも和風の瓦屋根の下屋が増築されているのだった、う~む。



 参考→怨念の景観帝国
 →104この世とあの世は同じ景観
 →100京都の街並み本物偽物? 
 →099能幻想の清水寺

2009/03/21

110【くたばれ乗用車】高速道路休日1000円のバカ

 自動車運転しないから興味なかったが、昨日から高速道路の一部が休日は1000円に大値下げだそうだ。
 これっておかしいぞ。 第1に、排ガスやら炭素排出規制しようって時代に、なんで自動車走行増加策をやるのか? せっかくオイルが高くなったリ不景気で、走る車が減って空気がよくなろうとしているのに、。
 第2に、これで一番儲かるのは郊外ショッピングセンターで、ますます中心市街地は疲弊するぞ。そういえば昨日、イオンが新聞全面に安売り広告を出していたのは、実はこれと連動していたのだと、今わかった。
 ついでにいうが、民主党が高速道路全面無料にせよと唱えているが、あれはイオン岡田社長の弟(元党首)がいるからだろうって、下世話の話題である。それはともかくとしても、少なくともアンチ地球環境保全政策であることは確かだ。
 第3に、こういう入場料金のようなものは、普通ならお客が少ない平日に値下げして呼び込むもんだろうに、これは休日に値下げなんてどういう計算なのかしら。ってことは、休日も利用者がいないような道路をつくっているってことだな、バカヤロ。
 第4に、値下げするってのは、儲かったから還元するのかと思ったら、なんと税金を投入するのだそうだ。オイッ、それじゃあオレの金も使ってイオンを儲けさせるってのか、この大バカ政策ヤロウ~。
 こういうバカ政策を喜ぶ庶民が一番イケナイな。

2009/03/19

109【世相戯評】あのイオンが反省するんだって?ウソでしょ

安売り量販店(スーパーマーケット)屋のイオンが、今日の全国紙に「イオンの反省」と題して、1ページ分の広告を載せている。

 おお、やっと自分の罪に気がついたかと読んでみれば、全然そうじゃない、ただの惹き文句であった。
 よくあるような、美味いと書くところをわざと不味いと書く、あれだよ、目を惹けばよいのだ。

 これまでさんざんに街を壊してきて、この百年に一度の不景気で、イオンが壊してきた街はもう立ち直れないかもしれないのに、その反省はなくて、ただの安売り広告である。
 いままで高いもの売りつけていたが、反省してこんどは安物にするんだなんて、買いたい気が起こるもんかしら。

 もともと私は、あのどこに行っても同じような、田畑を壊し緑のない(そのくせ万里の長城あたりで木を植えているんだから笑える)殺風景な派手派手倉庫みたいな建物が立ち並んで、ほんとに汚らしい風景のイオンモールとやら言うショッピングセンターを大嫌い、まあ、向うもわたしなんぞ相手にしてないけどね。

 じゃあきれいにしたらいくかというと、もちろん行かない。
 あんな田舎の田んぼの中にまでわざわざ安物を買いに行くなんて、気が知れないよ。買い物は街の中でやるのが一番、、。

 こんな方便広告で反省なら、サルだって反省するぞ。いやいや、反省がなっとらん、オレと一緒にしてくれるなって、サルが怒るか。

 反省するなら、これまで人々が暮らす街を壊して悪かった、これからは暮らしの場を大切にする商売をいたしますって、言ってもらいたいもんだ。
 安かろう、売れて儲かりさえすれば、街が壊れてもいいのだなんて、反省ではないぞ。

参考→◆怖いぞ、郊外開発は生活圏を破壊する
    ●日本全国醜い風景アルバム

2009/03/18

108【世相戯評】焚き火の想い出

 由布市で山焼きしていて焼死者が出たという。大草原を焼くのは壮大で気持ちよさそうだからやってみたいと思っていたが、危険なものでもあるようだ。

 焚き火を大好きである。生まれ育ったのが神社だから、広大な境内には落ち葉がすぐにたまるから、しょっちゅう掃き集める必要があった。
 冬の朝はそれを盛大に焚き火して、温まってから学校に行くのが習慣だったことから、焚き火大好き人間となった。ただし落ち葉掃除は嫌いだったが、。

 高校のときに、運動会の後で運動場で盛大に焚き火してファイアーストームをしたことがある。だんだんと盛り上がって木製サッカーゴールを引き倒して燃やし、教師に大いにしかられたことを思い出した。
 都会に住むようになって焚き火から縁が切れたが、鎌倉に家を建てたとき、これでまた焚き火ができると楽しみにした。

 狭い庭でも落ち葉は積もるしゴミも出るから、焚き火を楽しんでいた。ところが、狭い敷地だから、隣近所から煙に文句が出たのである。
 そうか、世の中は焚き火の嫌いな人も居るのだと、はじめて気がついた。転居2ヶ月くらいで、あえなく挫折し、法的に焚き火禁止であることも知って、がっかりした。
 近所の人たちは、剪定した庭木とか掃き寄せた落ち葉とかを、ビニール袋に入れて焼却ゴミに出しているが、どうも納得がいかない。私は庭に積んでおいて腐らせるようにしていた。

 今はまた都会住まいで焚き火に縁が遠い。中越の山村に行くと焚き火をしたくなり、ときどき楽しんでいる。 集落の行事である小正月の賽の神は、巨大な焚き火をするから嬉しい。
 先日の日曜日は、韮崎の友人宅の畑で、枯れ枝など久しぶりに盛大なる焚き火をした。実にせいせいした。 

2009/03/09

107【怪しいハイテク】フィリップス製電動髭剃り器をもう20年も使っている

 男なら誰でも髭剃りの面倒さが毎日のようにある。
 宮仕えのサラリーマンではないフリーランスだったから、髭を伸ばそうかとも思って試したこともある。
 だが、半島系だろうかわたしはそれが薄いので、やってみると、鼻の下は左右がどうしてもつながらなくて貧相だ。あごの下は何とかなるようだが、ヤギ髭のそれだけだとジジむさく見える。

 髭剃り用具も、はじめは片刃かみそりから、両刃、ローラー式、そして電動髭剃り器と進化してきた。電動髭剃り器も、何台も買い換えた。
 ところが、今の電動髭剃り器は、実にもう20年くらいも使っている優れものである。オランダのフィリップス製品である。
 電池の能力がちょっと弱ってきているが、まったく故障もしたこともないし、刃の入れ替えもしていない。
 この間に、持ち歩き用に小さな日本製もいくつか買ったが壊れて、結局このオランダ製が一番よいのである。

 最近、カタログから自分で選択する方式の香典返しがあり、電動髭剃りを手に入れた。でも、これの性能が悪いのである。どうしても剃り残しがでる。箱を捨てたので分からないのだが、おかしなことに製品にメーカー名が書いてない。
 これと比較してフィリップス製の剃り具合の優秀さがよく分かった。

 それにしても電器製品で20年も使い続けるなんて、うちにはほかにラヂオがひとつだけあるが、普通はありそうにない。
 オランダは電子工学のハイテクに頼らないローテクの技術が、今もすごいのだろう。