2014/11/18

1029【横浜都計審】76か所もある都市計画案を審議会2時間に発言10分で承認する超能力委員たち

 横浜市都市計画審議の委員さんたちはスーパーマンとスーパーウーマンだと思う。
 だって、今日の審議会での都市計画決定箇所数は合計で76か所もあり、更に横浜市全体に関する総合的な都市計画に関する議案が2件、更に加えて緑区全体に関するマスタープランもあるのに、これらをたったの2時間(発言10分)で審議を終えて、全て原案通りに可決したのである。神業であるとしか言いようがない。
横浜市都市計画審議会資料
横浜市全体の整備開発保全の方針の見直しと、線引き見直しの方針というような、高度にして多様な内容を持ち、広く多様な性格の地域にわたり、しかも都市計画の根幹にかかわる考え方の答申案についても、これに対する質問も意見も全くなくて、原案通りに可決である。 
 こういうのは素人委員には難しいだろうが、だからこそ専門家たちの学識委員がいるのだろうに、分かっているからとて何も発言されないと、一般市民には何もわからないんだけどなあ。

 たぶん、委員の方々には、事前に答申案が配布されていて、これをしっかり読み込んで全てお分かりになっておられたのであろう。
 わたしは当日はじめて観るのだから、分からないことだらけだった。

 だからこそ私は思うのだが、審議会は市民の代わりにやっているのだから、市民にこれだけは知らせておきたいと思うような意見を、ぜひとも聞かせてほしいものだ。
 その議案の持っている問題点や優れている点についての意見をいい、それらを審議会議事録に載せて、傍聴に来なかった市民も審議内容が分るようにしてほしい。
 なにも発言なさらないと、まさかそんなことはないだろうが、委員の方々は本当に分って審議しているのだろうかと、不安になる。

 緑区のマスタープラン(60ページもある計画書)は、緑区全体に係る都市計画の基本的なことだが、これについては議員の委員3名から発言があった。
 発言を聞くと、どうもみなさま読み込んでおられないようであった。些細なことは事前に事務局に聞けば、当日の審議時間を消費しないで済むだろうに。
 マスタープランだから、もっと基本的な内容のツッコミがほしい。こういうのは学識委員が得意のはずだが、まったく無発言とは、どういうことか。

 毎年11月の都計審に、生産緑地の変更に関する議案が出てくる。
 生産緑地の変更の数は、今年も議題に66か所もあるように数多いのに、都計審の各回に分けて出さないで1年分まとめて議案にするのは、どういうわけか。

 横浜市内のあちこちに散らばっている別々の場所の都市計画決定なのに、説明は3か所のみだし、議決も一括してしまうのは、どういうわけか。
 これだけたくさんあるのに、委員から質疑も意見も全くでないままであった。
 要するに、この議案は馬鹿らしくて審議に値しないということか。

 ま、そりゃそうでしょう、わたしが委員だった頃、解除する場所に事前視察に行ったら、既にミニ開発住宅地になっているのが珍しくない、しかも違法ではないのだから、都市計画法は生産緑地法にバカにされているのである。
 ところで、委員さんたちは事前に66か所の現地を視察なさったのでしょうね、だから意見無しなんですよね。
 わたしの経験では、現地を見るとけっこうおかしな個所もあったものだけどね。
  参照「◆都市計画では農地のはずが現地は住宅地とは
     あるいは「都計審初出演と生産緑地の不思議

 特別緑地保全地区の決定の議案についても、8カ所に散らばっているのに、一括して議決であった。
 これらについても、委員さんたちは事前に調査が行き届いているらしく、即地的な質問や意見はなにも無くて、制度についての初歩的な質問だけがでた。
 そんな事務的なことなら、事前に事務局担当者に聞けば、当日の時間浪費にならないものなのにと思ったが、まあ、議事録を読む一般市民には役に立つかもしれないとも思った。
 
 とにかく今日の議題は76か所という数多くの場所について、あるいは横浜市全体や緑区全部という広大なる地域について、13時から15時までの2時間で都市計画決定の審議を終えるとは、神業である。
 その2時間のうちで、委員が発言した時間は10分もない。ほとんど事務当局による議案説明ばかりであった。

 17時までも18時までもやればよいし、今日中に決めなければならない理由はないはずだろうに、2時間の所定時間では時間がないとて、ぜんぜん場所が違う案件を一括して議決するってのは、それでよいのだろうか。場所場所で特徴あるはずだから、ひとつひとつ審議するべきであると、わたしは思うのだ。
 多分、委員さんたちは事前に現地を見て、事前に資料を読み込んで審議会に臨まれているから、こう言う荒業でも通るのだろう。
 今日初めて議案に出くわした、わたしのような傍聴者は、ただ唖然とするばかりである。
 これで審議をしたと言えるのだろうか。委員さんたちは、本当に現地を見たのだろうか
 
 本日の第135回横浜市都市計画審議会の案件は次の通りだった。
1.都市計画区域の整備、開発及び保全方針等の見直しの基本的考え方について答申
2.第7回線引き全市見直しの基本的考え方について答申
3.横浜市都市計画マスタープラン緑区プランの改定の決定
4.3・3・11号環状3号線道路の変更の決定
5.3・5・6号瀬谷地内線道路の変更の決定
6.3・4・14号三ツ境下草柳線道路の変更の決定
7.生産緑地地区66か所の変更の決定
8.鉄町冨士塚台特別緑地保全地区の決定
9.恩田町特別緑地保全地区の決定
10.恩田町九郎治谷特別緑地保全地区の決定
11.恩田町番匠谷特別緑地保全地区の決定
12.東寺尾六丁目特別緑地保全地区の決定
13.片倉三丁目特別緑地保全地区の決定
14.阿久和南一丁目特別緑地保全地区

参照⇒
あなたの街の都市計画はこんな会議で決めている
https://sites.google.com/site/matimorig2x/essay-cityplanning
都市計画審議会を改革せよ
https://sites.google.com/site/machimorig0/#tokeisin

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