●オペラ「カーリューリバー」
ベンジャミン・ブリテンの作によるオペラ「カーリューリバー」を、神奈川芸術劇場で見た。演出が日本舞踊家の花柳寿輔というのが意外である。だが、オペラの演出はかなり自由が許される世界であるらしいから、不思議はないだろう。
その自由な演出のオペラの元になっているのが、かなり不自由な演出しか許されない日本の伝統芸能の能「隅田川」であることが面白い。
B・ブリテンは1956年に日本に来た時に、この能を見て感動し、翻案してオペラをつくったそうだ。初演は1964年。
カーリューとは鳥のシギの一種らしい。隅田川の都鳥をこう置き換えたのだ。
カーリューリバーの基本的な話の筋は、能「隅田川」にほぼ忠実であるといってよい。もちろん隅田川に出てくる念仏を唱える仏教から、かの地のキリスト教に翻案していて、教会堂で演じる宗教奇跡譚の仮面劇になっている。
舞台の構造も能とは違って、螺旋のような形であるらしい。ユーチューブにいくつかのこの公演実写映像が登場するが、なかにひとつだけこの形のものがある。
http://www.youtube.com/watch?v=zDrcgTKmGbc&list=PLA393D79883D4C185
今回見た花柳寿輔演出での舞台は、真四角な白木の床の能舞台であった。もっとも、4本の柱はなく、橋掛かりは下手奥からではなくて客席を縦に貫通する花道状に渡した。
●続きの全文は「能「隅田川」の眼でオペラ「カーリューリバー」を見る」
https://sites.google.com/site/matimorig2x/opera-curlew-river
0 件のコメント:
コメントを投稿